自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

南北緊張は誰に利する、、、

2010年05月20日 20時59分57秒 | コラム
 東西冷戦の代理戦争となった朝鮮戦争、休戦が成立して半世紀以上立つのに未だに講和条約は結ばれていない。休戦成立後も祖国統一を願う南北朝鮮民族の願いは阻害され続けている。分断の責任の第一は、宗主国であった日本にある。第二ははヤルタ密談でソビエトを対日参戦に導く約束をしたアメリカにある。ドイツ降伏、3ヶ月後は’45年8月8日になる。ポツダム宣言の受託勧告が7月26日であるし、8月8日前に日本が降伏していれば南北分断はなかった。

 北進統一を目指した李独裁政権も民衆の蜂起で亡命、統一が実現しそうな状況で、朴将軍による軍事ク・デター、朴政権を支援するためにアメリカの仲立ちによる、日韓基本条約、戦時賠償に変わる経済支援により、韓国は、キーセン観光の屈辱に耐えながらも経済を発展させ、それまでの南北関係を逆転させることに成功した。国民生活が安定し、経済的ゆとりが生まれてくると、民主化も進み、軍事政権下で死刑の判決をうけたり、拉致暗殺されそうになった金大中を大統領に選出するまでになった。

 太陽政策を提唱し、南北の平和統一を目指した金大中、それを引き継いだノムヒョン大統領も、北を支援し、一般民衆の生活水準が高まれば、韓国で実現した民主化が、北朝鮮でも実現するとの期待があったからだ、、、。南北交流も盛んとなり、平和統一の実現が期待されたのだが、何処かにその実現を望まない闇の勢力が有るのかも知れない。

 韓国の哨戒艇が爆破沈没し、多くの犠牲者が出たが、その沈没地点は米韓が主張する境界線ぎりぎりのところで、北朝鮮が主張する境界線よりずっと北に寄った地点である。その地点で大規模なサルベージを実施し、様々な証拠品を集め、その分析の結果、北朝鮮の魚雷による攻撃との結論を韓国政府が発表したのだが、鳩山政権も、アメリカ政府も韓国の立場を支持することを表明している。南北緊張が、日米同盟(憲法の建前では我が国は軍事同盟は結べないはず)の必要性、米軍の抑止力の必要性、沖縄基地の必要性等を、この国の主権者に納得させる効果となるのではないだろうか、、、。

成長路線は格差拡大に繋がる

2010年05月14日 18時50分09秒 | コラム
 政権交代なっても、従来の路線をおおむね踏襲しているため、目立った成果は現れていない。前政権から引き継いだ負の遺産の解決にも、根本的な路線変更が必要なのに、政治力不足、官僚の意図的な抵抗、さらに加えてメディアの反新政権のスタンスに、苦戦中どころか政権末期の症状すら出てきている。経済政策も、成長路線一点張りで、財政赤字解消には経済成長が欠かせないとの判断に立っている。

 “村や町を強くしろ!”と主張したのが足尾鉱毒問題で奮闘した田中正造の言だが、昨今は“地域主権”の主張がなされている。国政担当者の力不足にも依るのだが、メディアを利用してのもの申しが人気の源となっている自治体の首長が目立っている。限られた金の奪い合いで、地域主権を使うべきではない。永年続いてきた経済成長路線は、地方、つまり田中正造が指摘する“町や村”の力を弱め続けてきた。工場誘致、企業誘致は一時的に雇用の拡大、自治体への税収拡大にはなったが、地方の底力は年々失われてきた。顕著なのは人的資源の枯渇、多くの学校の閉校となって、地域文化の中心が破壊され続けている。

 散歩の途中で、クローバーを摘み一塊にして、道ばたに飼われている山羊に投げ込んでやる。山羊の賢さがどれほどなのか分からないが、通りかかるとまた貰えると思うのか、鳴いて催促する。やはり摘みたての草が美味しいのかと思うのだが、山羊は、くず玄米と摘みたての草に対して、草食動物だから、青々とした摘みたての草をと思うが、さにあらず、くず玄米を好んで食するそうだ、食べ終えそれがなくなると、草を食べ始める。つまり動物の本能として、玄米の栄養素を理解しているのであろう。

 “アイガモ稲作にこそ、ノーベル平和賞を!”と言いたいのだが、地方の自治体は、地域興しとして、イベントによる人集めや、企業誘致に力を入れるのではなく、瑞穂の国、瑞穂の里という地域の力を最大限活用できる“アイガモ稲作”に力を入れることが、真の地域主権に繋がるであろう。農薬、肥料の使用をなくせるし、玄米食の健康への寄与(山羊は賢い)、精肉工場、付加価値を着けるアイガモの薫製工場等で雇用も増やせ、若年労働力の地域への定着にも繋がるだろう。


ギリシャそしてイギリスの苦悩

2010年05月08日 05時18分46秒 | コラム
 欧米社会のルーツはギリシャ・ローマにある。デモクラシーの語源は、ギリシャ語で、民衆(デモス)による権力(クラシー)から来たものであり、ペルシャ帝国の侵略に打ち勝ち、ペリクレス時代のアテナが全盛期を迎えたのだが、独裁政治を否定するための“陶片追放”が衆愚政治を生み出すことにもなった。ローマの繁栄も共和政治が源であったが、“パンとサーカス”を求める民衆を満足させるためには、支配地からの富の収奪を保障する帝政になるのは歴史的必然であったのだろうか、、、。

 ローマ帝国崩壊後、欧米の封建社会から資本主義へと向かう時代が絶対王政・重商主義であるが、その覇権が、スペインからイギリスへと代わり、7つの海を支配し太陽の沈まぬ帝国を建設したのが大英帝国であり、2つの市民革命を経て議会政治を確立し、チャーティスト運動を経て普通選挙を実現、さらに二大政党による政権交代可能な政治制度を確立し、民主主義の先進国と見なされてきたイギリスであるのだが、、、。

 欧米の思想的、倫理的ルーツのギリシア、17c~19cの間、経済的繁栄を誇ったイギリス、大変な事態が進行していますね、、、。ギリシアの財政破綻に対して、EU諸国が救済の手を指しのべているのは、民主主義、オリンピックの発祥の地として、大いなる信頼を得ているからであり、一時はオスマントルコ帝国に支配され、独立に当たって多くの支援を受けられたが、ヨーロッパの後進国と見なされてきた。誇りだけでは生きられぬ時代に至ったことを理解しなければならないのかも知れない。イギリスに対しては、日本は幕末以降、常に憧れの対象であり、目標であり続けた。イギリス人の最高の道楽は“選挙の時、野党に投票すること”であるとして、政権交代が可能な制度として、二大政党制実現を目指し続けたのだが、戦前は、政友会、民政党の利権政治、足の引っ張り合いが軍部の台頭を促し、戦後は保守合同以来、自民党一党独裁が続き、小選挙区制の導入後、師匠役のイギリスのような二大政党制実現しそうな今、本家のイギリスで、その弊害が露見しそうなのは皮肉なことである。

 多様性の時代では、主権者の意志と国会に議席数が一致させるためには、単純比例代表制がベストの選挙制度だと思う。但し、常に民主政治が衆愚政治に陥ることのない主権者の自覚が必要であるのだが、、。

迷ったら原点に戻る・・・これが原則

2010年05月06日 08時22分24秒 | コラム
 迷走する鳩山内閣、瞑想した上で原点に戻ればよい。原点は政権発足時の“緊密で対等な日米関係”である。ペリーの砲艦外交からスタートする日米関係は、常に不平等であったことは、弱肉強食の帝国主義時代ではやむを得なかったのであろう。帝国主義自立を目指した米英戦争で、完膚無きまでに打ちのめされた日本は、“アメリカには敵わない”を骨の髄まで染みこませてしまったようだ。人類の最大の過ちである戦争から学んだ人類は、建前の上では、国際協調を、国連憲章でその歩むべき道を示しているし、2つの大戦を経て、人類の戦争のない世界へ向けての最高度に置かれたベースキャンプが“日本国憲法第9条”である。以前にも述べたように、緊密で対等な日米関係構築の第一歩が、“普天間問題”であったし、新政権発足に当たって、外務大臣、防衛大臣、官房長官の人選には最大限考慮すべきであった。

 メディアも従米路線から舵を切ろうとしている新政権に期待と支援を傾けるべきなのだが長すぎた従米路線はメディア界にも及んでいるようだ。産経・読売とは距離を置いてると見なされていた朝日の主筆(編集局長、論説主幹の上に立つ役職)である船橋洋一氏の署名入りの“拝啓、鳩山由紀夫首相”なるものが記載されていたが、朝日よお前もか、との内容である。現職首相を見下ろした、アメリカの代理人のようなお説教に終始している。

 最も、育ちも家柄も良い現首相は現実の政治には向かないかも知れないが、嘘のない、まじめな性格は評価しないといけないだろう。権謀術数に優れた小沢氏とのタッグは、まともな政治、まともな世の中にしていくための素人の政治にはもってこいなのだが、すねに傷を持つ小沢氏が先ず狙われていますね、、、。どこかに秘密の司令室でもあるのだろう、、。

 “日米同盟”“海兵隊の抑止力”の必要性を周りから寄って集って教育され、“素人の考えをプロの考えに”に換えられてしまったようであるが、素人の考えの方を大切にして貰いたいものだ。そのためには沖縄住民の声、そして“殴り込み海兵隊”の殴り込んだ地の人々の声に耳を傾けることだ。

~、その言うや善し、、、か?

2010年05月03日 13時35分57秒 | コラム
 “鳥の将に死せんとする、その鳴くや哀し、人の将に死せんとする、その言うや善し”という言葉がある。戦後出身地の町会議員を振り出しに、町長、府会議員、府副知事、衆議院議員、そして政権与党の官房長官、幹事長を経験した政党政治家の野中広務氏が、自らの官房長官就任時の、官房機密費の使い途について、暴露的な証言をしている。秘密のベールに閉ざされていた機密費なるものの実態を明らかにし、その廃止が狙いであるとのことだが、勇気ある発言だと思う。

 権力の頂点にまで上り詰め、“陰の総理”“ダーティな鳩”といわれた実力政治家には敵対者も多く、政権を失ってから五月雨的に自民党を離党するものとは異なり、自らの出処進退を早急にに決めたことに(2003年、政界引退)その政治感覚の鋭さを示していたと言えるだろう。政界引退後以前からの社会福祉法人の理事を務め、社会貢献を行っているのだが、今回の発言は、より大きな社会貢献になるであろう。

 この国に未だに残る差別といえば、と在日、もう一つ上げるとしたら特別な意味での天皇制といえるだろう。野中氏は在日の辛淑玉氏との対談集、“差別と日本人”を著したのだが、永年“いわれなき差別”に苦心した両人だけに、そこらあたりの日本人論を遙かに凌駕した内容になっている。

 戦後の黒い霧は松本清張が独特の推理で疑問を呈したが、真実を知る当事者が、口を噤んだまま冥界に去ってしまった。目に見えない大きな圧力があったのだろうが、国家機密であろうと一定期間を過ぎたら公開するとの民主主義の先進国では当然となっている先例を、この国でも取り入れるべき時が来たと言えるだろう。権力中枢部にいた人しか知り得ない内容を、“遺言”として文書化するか、生前に公言することが、“正直者が馬鹿を見て、悪い奴ほどよく眠る”世を覆す決め手だろう。

決着の月、、、?

2010年05月01日 10時33分42秒 | コラム
 薫風薫る5月というけど、この国の政界は爽やかさとは無縁のどろどろとした混迷を深めていますね。“真夏の夜の夢”となってしまうのか、昨夏の“無血革命”はゼロからのスタートではなく、莫大な負の遺産を引き継いでのスタートであったことを再確認しなくてはならない。“熱しやすく冷めやすい、盆の上の豆”的性格のこの国の主権者の支持を続ぎ留めるためには、長期的には粘り強い説得、短期的にはメディアの報じる“支持率”には鈍感でなくてはならない。

 鳩山・小沢ラインは、昨夏4年間の運転免許証を主権者から託されのだから、欲張って今年の参議院での安定多数を目指すのではなく、4年間のロードマップを作製し、着実にラップタイムを刻むことに力を注ぐべきであろう。対米従属と財政赤字という負の遺産を払拭することの困難さを自覚した上で、主権者に協力と覚悟を求めなくてはならない。対米従属解消の第一歩が“普天間問題”であったのだが、小沢氏が提唱した“第7艦隊で十分”その延長上の“駐留なき安保”との長期のロードマップを提示し、その路線にあった、外務大臣、防衛大臣を任命すべきであったのに、党内宥和を謀ったのか、従米路線から脱却を意図する人材を配置しなかったのが、今の混乱の原因である。

 自ら定めた“5月決着”に首を絞められ、下手をすると退陣に追い込まれかねない状況の現総理、4日に沖縄を訪問するとのことだが、その前日3日は“憲法記念日”戦争のない地球に向けての人類の最高英知“憲法9条”を読み返し、沖縄住民の“基地全廃”の願いを真摯に受け止める旅にしてもらいたい。さらに、徳之島はもちろん、佐世保、呉、横須賀、三沢、相模原、等の米軍基地を抱える自治体の住民の声に耳を傾ける旅を継続していくことだろう。基地利権、防衛利権で潤う者たちの意見に左右されることなく、支持を得なければならない主権者の声をしっかりと受け止めることだ。

 戦後65年、サンフランシスコ会議から59年、未だにアメリカ様々のこの国のメディア並びに政治家、リビアのカダフィー大佐が明大の学生との衛星対話で“原爆を落としたアメリカに日本人が何故好意を持つのか理解できない。”といみじくも述べたのだが、真実が知らされていないからなのだろう。成田空港反対の闘争が押しつぶされても今も細々と続けられているのは、彼の地に戦後入植し、苦労の末、近郊農業地として、十分に農業で生活の道が開かれたのに突然舞い降りた、国策に沿った(羽田が手狭)国際空港の建設。何故我らの地に、を調べたら、首都圏の空は全てアメリカに牛技られており、唯一空いた空を持つ地域が自分たちの近郊農業地だったことに気が付いたからだ。さら首都圏を空を自由に飛び回ることが出来る横田の米軍基地からB52が発着、ベトナムを爆撃していた事実にも気が付いたからだ。“NO!と言える、、、”と言うタイトルの著書で人気をはくし、長期にわたり都知事に座り続けてる石原氏、横田返還、ないし民間共用を意図しアメリカを訪問したが、相手にされなかった。今もって、東京の空の大部分はアメリカが占領し続け、羽田発着の航空機は何れも、横田エリアを迂回させられている事実をどれだけの日本の主権者は知っているのだろうか。“革命政権”は真実を明らかにすることにより、主権者の支持を受け、真の独立国へ向けての指針を示すことだ。