”金持ちとゴミためはたまればたまるほど汚くなる。”との江戸庶民の啖呵は悪徳商人への批判として言い伝えられて来たもののだろう。もうける自由がすべての人に認められた社会がヨーロッパで生み出された資本主義というものなのだが、それまでは長い間、商業は賤業と見なされていたし、重商主義の時代は、絶対権力を持つ国王から特定の大商人のみが専売の許可を得ていた。中小商人(ブルジョアジー)の反乱が市民革命に繋がり、もうける自由の競い合いが、産業革命を生み出した。
市民革命により法的にすべての人の自由平等が認められ、産業革命により生産性が拡大し。安価な商品が大量に提供されるようになり、”地上の楽園”が実現するはずだったのだが、最初に資本主義を生み出したイギリスは、現在英語(イギリス人の言語)が世界で通用しているように、大英帝国の繁栄は、世界の富を力ずくにかき集めたからだ。人に幸せと不幸の両面をもたらすことになった資本主義の解明に挑んだがマルクスであった。彼は資本主義の発生の地、イギリスの社会を分析し、富の源泉は労働にありとし、他人の労働の搾取が資本家の利であることを突き止め、長時間、低賃金、若年労働、等の社会問題の解決には、資本主義に代わる社会主義社会の実現を説いた。それに対して、資本主義の長所、生産性の拡大、を維持し、資本主義の弱点、不況(恐慌)、失業、貧困、等を是正するために、国家による経済政策(金利政策、財政政策)の必要性を説いたのがケインズである。
自由主義経済を説いたアダムスミス、社会主義経済を主張したカールマルクス、修正資本主義のケインズ、第四の経済理論として、戦争を必要としない平和経済が確立されなければならないのであるが、冷戦の勝利を目指したレーガノミックスといわれる戦争経済が、新自由主義と名を変え、超大国アメリカで主流となっている。アメリカ礼賛のこの国も次第に新自由主義を目指す勢力が、大手メディアに支援され主流となりつつある。
落語家と言うより、噺し家という方がふさわしい。古今亭志ん生の名台詞、”貧乏を味わった者でなければ、本当の喜びも、おもしろさも、人の情けもわからねえ。”があるのだが、99%の反乱を聞き逃すアメリカの為政者、同じく茶番の国会争乱をしているこの国の為政者、、貧乏とは無縁の生き方をしてきたから、この人類に危機にも無縁でいられるのだろう、、、。