自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

友愛精神は経済活動で、、

2009年10月22日 11時40分55秒 | コラム
 近代市民革命の先駆となったフランス大革命のスローガンが『自由・平等・友愛』であって、今のフランス国旗もそれを象徴する三色旗となっている。この自由、平等、友愛は、かっては“神の国”でしか実現できないものであった。啓蒙思想家が“神の国”を死後ではなく、この地上に実現すべきだ、実現できると主張し、その思想を現実にしようとする社会変革が市民革命に繋がった。

 市民革命により自由・平等が実現し、その経済活動の自由が産業革命を促し、資本主義社会を生み出したのだが、この資本主義社会は“神の国”とはほど遠いものとなってしまった。新たな社会問題、貧困、長時間労働、児童の酷使、失業、恐慌等をもたらした。それを解決すべく、社会主義思想が生まれ、空想的社会主義、科学的社会主義(マルクス主義)が確立する。

 最初の社会主義の実践の場、ソビエト(兵士・労働者・農民)の権力が生まれたのだが、諸条件が整わず、“地上の楽園”を求めながらも崩壊してしまった。
 だからといって資本主義が優れている、最良のものであると考えるのは間違っている。何ごと“過ぎれば欠ける世の習い”である。生産性の伸びに欠かせない自由競争の行き着く先が、独占の成立となり、自由競争が停止の状況になる。
 奇蹟の惑星、地球崩壊にまで導かねない経済の暴走は、グローバリズムの名のもと成立した国際金融独占資本の生き残りから来るものである。

 今こそ、ミハエル・エンデの遺言に耳を傾け流必要があると思う。彼は、人間の活動には、政治的、経済的、文化的(精神的)の三要素があり、政治的活動には平等を、文化的・精神的活動には自由を、経済的活動には友愛を、と説いている。
 確かに真実をついていると思う。文化的精神的活動には何ら制限を加える必要はなく最大限自由であるべきだ。経済活動の自由は認めても、何らかの制限を加えないと、格差社会の促進剤となってしまう。独占禁止法の厳密な運用、累進課税、社会保障制度の確立は、資本主義社会の最低の義務であろう。経済は助け合いであることを実現させるためにも、、、。人の経済活動の原点が『実のなる木の下枝の実は旅人のために、上の枝の実は鳥たちのために、、、』であろう。
 

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