自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

国益よりも人類・地球益を!

2010年09月30日 19時23分24秒 | コラム
 アフリカの森から巣立ったった人類は、およそ300万年かけて地球の隅々までにその生活圏をひろげていった。その住む自然の条件により、人種の違い、さらに言語、宗教、生活習慣の違いによる民族の違いが生まれても、人類としてのDNAは究極は“ルーシー”から派生しているし、約600万年前枝分かれしたチンパンジーと人類のDNAは、96~99%は共通すると言われているし、さらに下等動物といわれるものとも多くの共通点を持っている。万物の霊長と自画自賛し、ホモサピエンス(賢い人)と自称しているが、この奇蹟の惑星の生命体としては、唯一エゴの保有者であり、この惑星のお邪魔虫とも言えるかも知れない。自給自足の生活からスタートし、今の主流となった市場主義経済に至って、商品は拡大再生産され続け、エゴも拡大再生産され続けた。このまま続けたら、かってイソップが『ガチョウと黄金の卵』の寓話で、人類に警鐘してくれたことが無駄になりかねない。メキシコ湾岸の海底油田の流失も、チリ鉱山の落盤事故も、安藤昌益が“鉱業は自然からの収奪”との言の一面の正しさを証明している。

 領土問題が派生したのは、重商主義・絶対主義。資本主義、帝国主義になってからだが、人類が永年にわたって拡大し続けた自給自足の生活の場を、列強が奪い合い、さらに、列強同士の対立、同盟等で世界大戦を引き起こしたのが20世紀であった。2つの世界大戦で、人類は賢くなったはずなのだが、パグワッシュ会議での結論“国家の消滅が世界平和の基礎”に辿り着くのは後100年はかかるのだろうか。

 今回尖閣諸島の問題で、日中間に波風がたっている。どこかで秘かに喜んでいるものの存在を見逃してはいけない。1972年の国交回復と、’78年の平和友好条約締結の際は、両国首脳の良識によって“領土問題の棚上げ”でクリアーした。領土問題は地勢面、植生、先住権で判断すべきだ。琉球王国時代、海洋民だった沖縄の人たちは、中継貿易として、清、朝鮮、日本、東南アジアの諸国と交流していたし、尖閣諸島の存在も分かっていたし、寄港もしていたであろう、それ故に帝国主義の歩みを始めた明治政府が琉球処分で沖縄県とし、この地域を沖縄の一部と見なし領土の宣言をしたのは歴史事実である。かってかつぶし工場もあったと言うし、先住権で領土を決めるのなら、沖縄の人たちが自分の土地だと主張するのは正当である。大陸棚が良好な漁場になるので、経済的な利害関係が領土問題になるのは当然だろう。今までの経過から、尖閣諸島は日本が実効支配し、領土権も主張できるが、地勢的に見れば、尖閣諸島は中国大陸の大陸棚の先端部に当たるし、石垣諸島との間には深い海が存在しているし、中国側が地勢的に中国に属すべきだと主張するのも一理がある。“東シナ海を平和友好の海”と努力してきた両国民の積み上げてきた実績を壊してはいけない。

人間って良いな!

2010年09月24日 19時59分24秒 | コラム
 いろいろ醜い行いもあり、愚かさも兼ね備えているけど、やっぱり人間て良いなと言える事件に遭遇した。任意同行で説明しに地検に出向いたところ、身に覚えのない供述を強いられ、否定すると直ちに逮捕される。150日以上も拘留され、三度も保釈を拒否され、独房に閉じこめられ続けても一貫として己の無実の真実を主張続けた。15ヶ月後に晴れて無罪が確定し、職場復帰を果たした村木さん。官僚にも色んな人がいるものですね、、、。官僚の中では稀な女性局長、二人目の女性事務次官候補と期待されてた人を法の網に捉えようとの企みが、1人の女性の強さに屈しました。

 検察特捜部というのはもともと戦後の隠匿物資を摘発するために,GHQの指令で作られたとのことだが、とっくの昔に使命を終えたのだから早期解散が順当だろう。社会悪の摘発、社会正義の実現を期待されて、今まで続いており、検察のエリート中のエリートで構成され現在に至っている。社会悪の摘発による社会正義の実現は、検察全体の公務員としての使命であり、特捜部の専売特許ではない。特捜部の誤った使命感は、大手メディアの迎合もあって気がかりな方へ歩を進めてはいないだろうか。

 今回の村木さん逮捕にしても、真の狙いは彼女を有罪にすることではなくて、郵政不正事件の裏に民主党議員の存在、特に参議院のドンと言われている石井一氏との関わりを引き出し、民主党に打撃を与えるのが本当の狙いだったのだと思う。小沢氏の疑惑で、代表交代、さらに政権交代なった後の幹事長辞任による民主党へのダメージには成功した。さらなる追い打ちが石井氏の関与だったのだがゴルフのお遊びが証明されて腰砕け、何とかつじつまを合わせようとして、FDの改造まで手を染めたのだろう。しかし“女性の強さ”に全面降伏。権力得意のトカゲの尻尾切りで湖塗することのないように主権者の監視が必要である。

 人間強くあれ! 女子のみならず男性も! しかし同じ強さではない、例えれば、男子には鋼鉄の強さ、女子のそれは絹糸の強さ、、、。『四季の歌』にある、岩を砕く波のようなと表現されているように困難に対し、俺に任せろと体当たりするのが男らしい潔さだし、根雪を溶かす大地のようなと表現される女性の真価、村木さんは絹糸の強さを持ち、根雪を溶かす大地のような人と言えるだろう。

中秋の名月

2010年09月22日 20時12分37秒 | コラム
 “花鳥風月”はこの国の精神文化のエキスとでも言えると思うが、美しい自然や風景を愛で、それと一体化するところに風情を感じるものである。“月に群雲、花に嵐”とのいい気になりがちな人間の傲慢さを諫める言葉もある。今日(9月22日)の月は中秋の名月であるが、720年ほど前、この中秋の名月を、自分のことにたとえ、我が世を謳歌した政治家がいたが、彼は己を日本国王と称しながら、明の皇帝に対して臣の立場に立って、倭寇の取り締まりを約束した朝貢貿易を行った。

 そして、今日の中秋の名月、再選なって支持率も急増、満面の笑みを浮かべて、政府専用機でアメリカに向かった菅総理、まさか己を満月に擬してはいないだろうが、国連でどのような演説をし、オバマ大統領とどのような約束をするのか気になることである。古い金権政治家とは違う、市民派のクリーンな政治家とのメディアの宣伝も効いて、静かな期待を持って迎入れられてる菅総理であるが、政治のスタートの時の師、市川房枝氏が“怜悧な若者、私とは違う”とその本質を喝破してたというのは真理かも知れない。

 夕方散歩していて、雲間から中秋の名月を眺めることが出来たが、間もなく群雲の中に消え、再び明かりを見せることもあったが、やがてすっかり雲に覆われてしまい、遠くに雷まで鳴る季節の変わり目を迎えてている。これからの菅内閣を象徴している様で心配である。市川さんが“怜悧”と喝破したのは、財務大臣として訪米した時、鳩山前総理が“対等で緊密な日米関係”の模索で苦心していた時、その行き詰まり見越し、棚ぼた的な総理の地位を引き継ぎを予定し、“アーリントン墓地での献花”をし、市民派だけど反米ではないとのメッセージをアメリカに送ったことに現れている。

 日米同盟至上主義がはびこる今のこの国だが、アジアの一番東の日本、アフリカから起こり、西南アジア、インド、中国、朝鮮を経て伝わったアジア文明はその先端部分で最も素晴らしい文化(花)を咲かせたのが日本であり、それは自然の花実は、その先端部になることと同じである。明治以降の海を越えての外来文化は、長崎の出島からの江戸時代の移入は十分消化できたが、瞬く間にこの国独自の尊厳を枯らしてしまったと言えるだろう。