面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

なぜ薄氷を踏まねばならないのか。

2013年03月13日 | 野球
【WBC】長野、復活5打点!阿部は1イニング2発!日本1位通過(スポーツ報知) - goo ニュース


日本の敵は慢心であると考えていたが、心配していた通りの展開になって愕然。
薄氷を踏む思いでようやく勝ち星を拾うことができた。
先制されながらもイッキに8点取って逆転したところで油断したのは間違いない!

2回裏に繰り広げられた猛攻は、阿部が1イニング2本塁打を記録するなど、2戦続けてオランダにコールド勝ちか!?とさえ思えた神がかり的な勢いだった。
その流れと勢いを続けられれば圧勝で終わることができたはずのものを、2試合連続の大量得点で気が緩みきったように淡白な攻撃に陥る。
追加点の気配が無くなっていくと同時に、じわじわと流れは日本から離れていく。
そして森福が登板したところでイッキに流れが傾いた。
先頭打者を歩かせてしまったところで完全に流れはオランダに。
中途半端な高さとスピードとキレの無い変化球をいとも簡単に弾き返され、打ち取ったはずの当たりがヒットになり、あっという間に2点を返され、オランダ・ペースにハマっていく。
続く8回に登板した山口も、昨季のタイガース戦で見せたようないやらしいほどのキレとスピードとコントロールは微塵も無く、あれよあれよという間に2点を奪われ、慌ててつぎ込んだ涌井も勢いに飲み込まれて失点。
気がつけば2点差にまで迫られた。

8回裏、先頭の中田が大振りを捨ててしっかり中前に弾き返してチャンスメイクするも、続く角中が送りバントを失敗したときには、まだまだ流れはオランダにあった。
代打稲葉もセンターフライに倒れたときには相当マズイ状況になった。
しかし角中が盗塁を成功させて試合を動かしたことで、再び日本に流れが傾き始めた。
オランダにバッテリーエラーが出た時点で流れは日本のものに。
2、3塁のチャンスを作ると、2回のツーベースで感覚を取り戻した様子の長野が、相手投手の執拗なカーブ攻撃にしっかり対応して2点タイムリー。
リードが4点に広がったことで、少し安心感が出た。

テレビ解説の桑田が、キャッチャーの相川は交代して出てくると必ず失点するという不吉なデータを紹介してイヤな空気を作りだしたが、牧田がなんとか抑えてゲームセット。
終わってみれば、オランダvsキューバ戦のような“どつき合い”の如き点の取り合いに。
2回の大量得点後、完全に日本勝利に傾いていた試合の流れを、むざむざとオランダに渡すことになったのはベンチの無策。
淡白な打線を引き締めることなく0点を重ね続けて何ら手を打つことが無かったのは、
「7点も点差があるねんから、あとはピッチャーが抑えて終わり」
と決めつけていたからではないか。
それはベンチの油断にほかならない。
その結果、福森、山口の不調で相手を勢いづかせてしまい、慌てふためくことになるのである。

それでも、選手たちが持つ高い地力によって、あれだけオランダに試合の流れが傾きながらも逆転を許さずに押し切ることができた。
典型的な結果オーライの試合。
ベンチワークのレベルの低さをカバーして余りある選手のレベルの高さには感動さえ覚える。
そう考えると今回の全日本チームの監督は誰がしてもいいワケで、采配のセンスは無いが、無類の勝負強さを誇る山本浩二が監督になったというのは、これまた結果オーライな天の配剤かもしれない。
試合後にチャーター便でアメリカに向かうという全日本。
阿部を中心に、稲葉、井端、鳥谷らが協力して、首脳陣は無視して選手たち自身でチームを引き締め直せば、三連覇の可能性は限りなく透明に近いブルー……もとい、限りなく100%に近づいていく。


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