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「魂の試合」の中で…

2008年04月26日 | 野球
延長12回死力ドロー…球児、貫禄締め&久保田4回を熱投!(サンケイスポーツ) - goo ニュース


25日の読売戦は残念ながら…
この時期、開幕後の最初の疲労が選手達を襲う頃。
特に野手陣の疲労は、かなりのものがあるのではないかと思う。
選手達には酷な話ではあるが、とにかく連敗をしない!という強い気持ちだけは絶やさずに、次の試合に臨んでもらいたいもの。

というわけで、前日24日木曜日の試合について。

デイリーの“浪花節記事”に限らず、今日のスポーツ新聞各紙は延長12回の死闘を評して「魂の試合」と呼んでいた。
残念ながら自分は残業しながらのネットチェックだったので(会社のパソコンで何してんねん!?ちゅうことではありますが)、テレビで見たりラジオで聞いたりしていたわけではないが、タイガース公式HPの試合経過やテーブルスコアを見るだけでも、選手達の執念がヒシヒシと伝わってくる気がした。

まずは先制の好機にしっかり四番の仕事をこなした金本。
得点には結びつかなかったものの、相手のスキをついて盗塁を決めた新井。
重要な場面で2度の盗塁を決めて相手を揺さぶり続けた赤星。
福原負傷退場後の緊急登板に耐えた渡辺。
同点に追いつかれるも、更なるピンチにウッズ、和田という主砲を抑えきってリードを許さなかった江草。
最近は毎試合失点して見たくもない「久保田劇場」を公開していたものの、4イニングのロングリリーフを無失点で切り抜けた久保田。
連続セーブ記録が途絶える登板ながら、いつも通りにピシャリ相手を封じ込めた藤川。
応援し続けてかれこれン十年にもなるが、かつてこれほどに「勝つ」ことへの執念を感じさせる試合ができるチームでいたことがあっただろうか。

デイリーで江夏も評していたが、タイガースは掛け値なしに本当に強くなった。
それはチームが力をつけた、またはどこぞのチームのように巨大戦力を揃えたという物理的な強さではない。
選手の“心”が強くなってきたのを感じる。
レギュラー陣がそろってピークを迎えたとも言える1985年よりも、今のチームの方が、“野球”そのものが面白いと思える。
昔と比べてフロントの意識も変わったとは思うが、なんやかんや言われるところもあるが、岡田監督の存在は大きいと考える。
オリックスに移籍したという、タイガース生え抜き選手出身監督として異例の経歴は伊達ではない。
行った先に仰木監督がいた、というのも大きいかもしれないが。
ともかく、今のタイガースには「勝つ!」という思いで選手がひとつにまとまっている。

そんな熱いチームによる「魂の試合」の中で、魂があったのか?と疑問に思わざるを得ない選手がいた。
今岡だ。
選手個人のファンの方には大変失礼な言い方になるが、ご容赦いただきたい。
24日の彼には、果たして「魂」があったのだろうか?

試合経過をネットでだけ追っていた自分は、7回表の満塁のチャンスに代打を送られた彼について、それまでの打席で相変わらず状態が悪かったのだろう、ぐらいにしか思っていなかったが、あの交代にはそれだけではない“意味”があったのではないだろうか?
それは、同点に追いつかれた前のイニング、6回裏の彼のプレーに対する岡田監督の怒りが含まれていたのではないかと愚考する。
デイリー紙上で解説していた藤田平氏の言葉を借りて、そのプレーを再現すると次のとおり。

6回裏1死1塁の場面で、ウッズの当たりは強烈なサードゴロ。
これを今岡は捕球できずレフト前ヒットに。
これで流れは一気に中日に傾き、同点のキッカケとなった。
ウッズの打球が飛んだとき、選手達はみんな「よし!ゲッツーだ」と瞬間的に考えたはず。
ところが今岡は打球のスピードに付いていけず、体の横で捕ろうとして抜かれた。
打球の正面に入る基本は分かっていても、足が全く動いていない状態。

日記の冒頭でも触れたが、開幕以来の疲れが出てくる時期であることを差し引いても、今岡のプレーには納得がいかない。
他のスポーツ紙でも、この今岡のプレーを同点の要因ととらえていた。
打球の正面に回りこんでいれば、難なく併殺にきって取れた打球にも関わらず、半身ですくい捕ろうとして失敗した今岡は、非難に値する。
正面に回りこんで、少なくとも打球を止めていれば、ゲッツーは無理だったとしても足の遅いウッズを一塁でアウトにできたはず。
一死もとれずにランナーをためてしまったのは最悪である。
彼に「魂」があれば、必死で打球にくらいつこうと、しっかり正面で受け止めれたはずだと考えるのは浅はかか?
こんな今岡に出会うたび、野村監督が彼を“干した”のは慧眼であったと思えてしまう。

藤田氏の言うように、打球のスピードに追いつけないくらいに下半身が弱っているなら、どんなシーズンオフを送っていたのか?
自分よりもはるかに年上の下柳が、陸上競技のコーチを雇ってまで下半身を鍛えて衰えをカバーしようとしている姿勢に、何も感じていないのだろう。
下半身が使えていないためにバッティングが崩れているというのは、去年から指摘されていたことだ。
にもかかわらず、そこに何ら対策を施すことなく、某CMでの自身のセリフのように、「形が大切」とばかりにバッティングフォームのチェックばかりしていたのなら、ほんまもんのアホだと言わせてもらう。

コーチの指導が悪いという声もあるかもしれないが、金本に次ぐ何億という報酬をもらっていながら、コーチに指摘されないから欠点が直せないというのでは、給料泥坊以外の何者でもない。
ましてや今岡は、首位打者も打点王も獲得している“大打者”なのだ。
下半身が使えていないという、野球選手としての基礎の基礎に弱みがあることくらい、気づけなくてどうするのか。
それに、タイガースの選手ならではのことで、去年からスポーツ紙上で何度も指摘されてきていることなのだから、気がつかない方がおかしい。
見て見ぬふりをしていたとしか思えず、ふざけるな!と言いたい。

打球が怖かった…というのなら即刻引退すべきだ。
現に一昨年、引退した片岡は、自分に飛んできたゴロに恐怖心を抱いた瞬間、選手として終わったと感じたと告白していた。
去年、自身のブログで「進退」という言葉を使って引退騒動を起こしたが、ごちゃごちゃ言うてんとサッサと引退した方がカッコいい。

打点王をとったときの彼は、本当に天才といえる技術を再三見せてくれていた。
インコース高めの難しい球を、いともたやすくさばいてホームランにしたときのスイングは今も忘れられない。
あの素晴らしいバットコントロールこそ、彼のプロ野球選手としての醍醐味だ。
あの頃の彼の勇姿を覚えているからこそ、最近の情けない姿が歯がゆくて仕方ないのである。

天才と言われ続けて何年が経つだろう。
同じ天才でもイチローに並べない今岡。
彼がタイトルを獲ればタイガースは優勝できるはずだ。
星野監督初年度のオープン戦。
当時は上坂の方が評価が上だったくらいの中、代打のチャンスを見事に生かしてレギュラーをもぎとったあの「魂」を、彼はすっかり忘れてしまったのだろうか。

「魂の試合」で一人「魂」を感じさせてくれなかった天才を憂う…



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