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ぶっちゃけ総括

2008年10月12日 | 野球
V逸の阪神岡田監督「進退伺」続投白紙(日刊スポーツ) - goo ニュース


最終戦は、今季のチーム状態を象徴するかのような不順な天候の横浜。
携帯で経過をチェックしたとき、3対0からひっくり返されたのを確認したとき、いかにも今季らしい試合やなぁ…と感慨にふけった。

いわゆる歴史的大敗というヤツをくらってしまったので、またぞろ岡田監督更迭の話が出ることと思われるが、個人的には絶対反対である。
これくらいのことでオタオタして岡田監督の首を切るようなフロントなら、再びの暗黒時代はすぐそこだ。
過去阪神球団は、蠢動するOB連中の画策やマスコミの煽り記事による“ファンの声”という名の短慮により、次々に監督の首を挿げ替えては失敗してきた。
ノムさん、星野さんが順にタイガースにきて、かつての悪弊を何とか改めることができたようだが(阪急との合併というのも、多少は良い方に影響しているかもしれない)、今季の屈辱をしっかり冷静に受け止めて、岡田監督とともに補強を進めてもらいたい。

岡田監督には、ノムさんのような采配のねちっこさは無い。
まあ性格的にも全く違うので(見た目のイマイチさは似ているが)、それが采配にも表れるところはあるだろうが、岡田監督の目指す野球は、「覇道野球」とでも言うべきものではないだろうかと考える。
そしてその視点にあるものは、プロ野球としての誇りと自覚に基づいた、ファンも楽しめる野球なのではないだろうか。

「覇道野球」を定義するならば、「選手ひとりひとりが自覚し、与えられた役割を全うし、チーム一丸となって勝つ」ということ。
ものすごく当たり前のことのように思えるが、これを指揮官としうて全うしようとすれば、恐ろしいほどの忍耐力を要する。
目先の一勝をセコセコ追いかけると、得てしてクリーンアップに送りバントを指示したり、選手のプライドを配慮しないつまらない采配となる。
プロ野球として、お金をとって見せる興行としては、つまらないことこの上ない野球なのだ。

先頭打者は出塁して相手にプレッシャーをかけること。
次打者は走者をしっかり次の塁へと進めること。
クリーンアップは前に出塁した選手をホームへ返し、あるいは長打によって相手投手にプレッシャーを与えること。
先発投手は自身の最低責任投球回数である5イニングを抑えきること。
中継ぎはリードを維持し、あるいは反撃に出てきた相手の勢いを止めること。
リリーフはチームのリードを守りきって試合を終えること。
春先からのタイガースは、この「覇道野球」に必要な役割を、個々の選手がしっかり全うできたからこそ、勝ち続けていられた。
後半、特に終盤には、これらの役割が果たされなくなり、大失速となったのは明白だ。

しかしこの「覇道野球」(勝手命名をすっかり当たり前に使っているが)、全うするためには、各選手達にそれ相応のレベルが必要となってくる。
黄金時代の西武ライオンズをご存知の方には、想像と理解がしやすいと思われるが、森監督率いたあのチームこそ、「覇道野球」を推進するには理想的な集団だったと考えている。
翻って今のタイガースのメンバーには、あの頃の西武の選手達のレベルが備わっているか?
NOである。
しかし前半戦のタイガースを見る限り、その予兆はある。
というか、「覇道野球」ができていた。
後はそれを持続するための体力ではないだろうか。

これはここ3年、ずっと見られる傾向だ。
過去2年、終盤に猛烈に追い上げるが、最後は力尽きて失速した。
今年は、前半戦から快調に飛ばしたが、終盤にはバテがきた。
五輪による途中の戦力ダウンの状況を差し引いても、夏以降に見受けられた疲労感は明らかであり、これに讀賣による猛追のプレッシャーが精神的な疲労感をも増加させ、脱水症状を起こしたマラソンランナーのようになってしまった。
となれば、チームとしての体力不足という課題は明らかだ。
相変わらずのベテランへの依存度の高さも一因であるが、中堅クラスの体力の無さも情けない。
このシーズンオフ、中堅はもちろん伸びてこなかったバカ若手連中も、とにかく野球に打ち込んで、1年間フルに戦える体力・精力を身につけることが、今季ファンを失望させ、日本経済に大ダメージを与えたことに対する最低限の償いである。

思いつくまま書き連ねたが、来季に向けて一番の心配のタネは、過日の日記でも触れたが、若手連中のテイタラクぶりだ。
野手で金本、投手で下柳と、1年間戦える体作りの手本がありながら、これに続く若手が出ないこと。
「体を鍛えない」という悪慣習は、浜中放出により途絶えたかと思っていたのだが、とんだ見込み違いだったのだろうか…
人間は安きに流れるものではあるが、タイガースの伝統として、根の深さを思い知らされる。
常勝チームへの変革を狙える現在、この若手の自己鍛錬不足は最大の不安要素であるが、この悪弊をぶっ潰すべく、新井と鳥谷には大いに期待したい。
いや、まだまだ鳥谷にはレベルを上げてもらわなければならない。
手本がまだ目の前にいるうちに…



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