面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」

2011年09月28日 | 映画
小説家のジェニファー(サラ・バトラー)は、新作執筆のために、とある田舎の森の奥にある別荘を訪れる。
途中、ガソリンスタンドに立ち寄った彼女に浴びせかけられる、従業員たちのねっとりとした熱い視線。
彼女が一人で別荘にいることを知った男たちの欲望は暴走し、ジョニー(ジェフ・ブランソン)をリーダーとする4人が別荘に侵入した。
男たちの隙を突いて別荘から脱出することに成功したジェニファーは、森の中で出会った保安官のストーク(アンドリュー・ハワード)に保護される。
しかしストークは、実はジョニーたちと繋がっていたのだった。
別荘に連れ戻されたジェニファーは、ストークも加わった“野獣ども”の餌食に。
繰り返し凄惨な暴行を受け、肉体のみならず精神的にもズタズタに傷つけられたジェニファーは、ストークによって射殺される寸前、川に飛び込んで行方をくらました。
彼女の遺体は発見されず、消息が途絶えたまま月日が流れたある日、ジェニファーの“影”が現われる。
死んだと思われていた彼女は、辛うじて生き延びていたのだ。
再び姿を見せたジェニファー復讐の復讐が始まる。
一人、また一人と、彼女が仕掛けた罠にかかった男たちは、じわりじわりと恐怖と苦痛に苛まれながら、ゆっくりと殺されていく…


日本では配給会社が内容の過激さに恐れをなし、「発情アニマル」という邦題でポルノ映画として劇場公開された後、テレビ放映時には「女の日(もう一つの原題がDay of the Woman)」というタイトルになり、ビデオ化に際してのタイトルは「悪魔のえじき」と変遷していった、1978年アメリカ製作の「I Spit on Your Grave(お前の墓に唾を吐く:原題)」の、32年ぶりとなるリメイク。
元ネタは、同じく1970年代に製作されたダスティン・ホフマンの「わらの犬」や「リップスティック」、後年の「キル・ビル」のような“リベンジ・バイオレンス”の元祖としてカルト・ムービーの地位を確立し、熱狂的なファンの支持を受けて伝説と化した映画である。

暴行シーンの暴力性は「アレックス」よりは穏やかで、復讐の場面は「SAW」シリーズよりも緩い表現ではあるものの十二分に刺激的で、一筋縄ではいかない残酷な復讐の果たし方はオリジナルよりも過激度はアップ。
目には目を、外道には非道をもって相対すべし。
スカッと爽やかコカ・コーラ♪…とはいかないものの、口の中がざらつくような独特のカタルシスが得られるバイオレンス・ムービー。


「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」
2010年/アメリカ  監督:スティーヴン・R・モンロー
出演:サラ・バトラー、ジェフ・ブランソン、ダニエル・フランゼーゼ、ロドニー・イーストマン、チャド・リンドバーグ