面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

天満天神繁昌亭にて

2008年07月21日 | 落語
「染二百席練磨」の席にて、いくつかマクラで小噺が出た。
初めて聞いたパターンのものもあり、備忘録代わりに書き留めておこう。

最初は呂竹のマクラから。

池にいっしょうけんめい百円玉を放り込んでいるお婆さんがいた。
「もし、おばあさん!何をしてんねんな?」
「はい、池の鯉にエサをやっております。」
「えっ!?そんなアホな。鯉が百円玉なんか食べまへんで!」
「いえいえ、この池の鯉のエサでっせ。」
「ホンマかいな!?」
「ほれ、ここに書いてございますがな。『鯉のエサ百円』て。」

次に、染二がお座敷に呼ばれてやったという、軽い艶笑ネタ。

小学校の教室で、先生が生徒たちに言った。
「いいですか?お父さんとお母さんが結婚して一緒になって、あなたたちが産まれたんですよ。」
「先生!ウチはボクが産まれるから、お父さんとお母さんが結婚したんです。」

…いまどきなネタで。
もう一本。

病院の分娩室で、若い夫が陣痛に苦しむ奥さんの手をしっかり握って、
「すまんなぁ、ボクのせいで君がこんなに苦しむことになって…」
「ううん、あなたのせいじゃないわ。」

これまたいまどきなネタ…と言うより、コワ~~!

またどこかで紫亭京太郎が使うかも!?


「染二百席練磨」 in天満天神繁昌亭

2008年07月21日 | 落語
新進気鋭のMCタレント・いどまきさんが、ぜひ落語を生で観たい!ついては繁昌亭に行きたい!!とのご要望にお応えして、ひっさしぶりに繁昌亭へ。
(と言いながらチケット取ってもらったんやけどね)

建設資金を出資しながら、ようやく2回目の繁昌亭。
今回は、林家染二の“独演会”風の企画モノ「染二百席練磨」。
 【出演】
 開口一番・笑福亭呂竹「たぬさい」
 林家染二「壺算」(初演とか)
 中トリ・桂九雀(ゲスト)「猫の忠信」
  -中入り-
 ヒザ・林家染左「遊山船」
 大トリ・林家染二「土橋万歳」

染二や九雀は、なんだかずっと若手のイメージだったが、気が付けばすっかり中堅どころ。
開演前、九雀が繁昌亭内をウロウロしていたが、ぶっちゃけ老けたなぁ…と思った自分も、同じだけ歳を重ねて老けたということよ(感嘆)。

今夜の主役・染二。
昔は妙に甲高い声が鼻につくときがあったが、やはり歳を重ねたからだろうか。
味わい深い高座だった。

まずは「壺算」。
初演と書いてあったので納得。
瀬戸物屋でのやりとりで客と番頭が入れ替わるハプニングや、部分でセリフのキレが悪いところがあり、まだこなれていない様子。
ベテランどころでも、新しいネタをおろすときというのは緊張するものだろうなぁ。

しかし大トリの「土橋万歳」は魅せた!
芝居噺は林家のお家芸とも言えるが、番頭が若旦那に斬りつける場面はさすが。
所作にキレがあってキマっている。
登場人物もそれぞれしっかり形作られていて、よく練られているのが見てとれる。

ゲストの九雀の「猫の忠信」も良かった。
常やんと次郎キが連れ立って稽古屋へ確認に行くところでの独自の演出がいかにも彼らしい。
全体的に登場人物のキャラ立ちも良く、しっかり自分の噺になっている。
九雀も、良い歳になったのだなぁと、またしても認識を新たにした。

貴重な「土橋万歳」を見れた今回の繁昌亭。
珍品に出会うだけでなく、やはり生の高座を観るのは心地よい…♪

新しい職場は、実は繁昌亭にも近い。
これからもちょいちょい見に行こ。