青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-66

2021-04-06 13:00:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


 
以下に、中国(一応台湾を含む)産のセンブリ属の「組(及び系)」ごとの種数を示した([]は日本産の種数)。リストアップしたのは、このリンドウシリーズで自分の写真(モニカ撮影分を含む)を紹介した種(〈〉は文献写真引用)と、日本産の種(中国・日本共に分布する種および日本固有種=中国名を示していない種)。*は「中国植物志」に掲載されていない台湾産の種。多枝組Sect. Opheliaの腺斑系Ser. Maculataeについては僕の判断で【A】【B】に分割した。センブリが所属する組/系は特定できなかったので暫定的に多枝組/多枝系に含めた。ミヤマセンブリの学名は「中国植物志」に従った。
 
センブリ属の大多数の種は、花被裂片の基部近くに顕著な2個(ヘツカリンドウは原則1個)の蜜腺溝を有し、その周囲を多数の繊毛群が纏わりつく。ただし、多枝組腺班系の各種は蜜腺溝に繊毛を生じない。
 
异花组 Sect. Heteranthos 1種[1種]
>>チシマセンブリ(四数獐牙菜) Swertia tetraptera
獐牙菜组Sect. Kingdon 1種[0種]
大花组Sect. Macranthos 4種[0種]
多枝组 Sect. Ophelia
>歧伞系Ser. Dichotomae 1種[0 ?種]
>>歧伞獐牙菜 Swertia dichotoma 第66回
>腺斑系 Ser. Maculatae【A】 5種[2種]
>>獐牙菜 Swertia bimaculata 第68回
>>搭山獐牙菜 Swertia tozanensis 第68回
>>シノノメソウSwertia swertopsis
>腺斑系 Ser. Maculatae【B】 2種[2種]
>>新店獐牙菜(大陸産を含む) Swertia shintenensis 〈第70回〉
>>大漢山獐牙菜 Swertia changii*〈第70回〉
>>ヘツカリンドウSwertia tashiroi
>>シマアケボノソウSwertia makinoane
>多年生系 Ser. Perennes 5種[0種]
>多枝系 Ser. Ramosae 25種[3種]
>>イヌセンブリ(北方獐牙菜) Swertia diluta
>>大籽獐牙菜 Swertia macrosperma 第66回
>>台湾獐牙菜 Swertia randaiensis* 第66回
>>ムラサキセンブリ(瘤毛獐牙菜)Swertia pseudochinensis 
>>センブリSwertia japonica
宽丝组 Sect. Platynema 4種[0種]
肉根组 Sect. Poephila 4種[0種]
獐牙菜组 Sect. Swertia
>裸腺系 Ser. Divaricatae 1種[0種]
>獐牙菜系 Ser. Swertia 8種[1種]
>>ミヤマアケボノソウ(东北獐牙菜)Swertia perennis
>折皱系 Ser. Rugosae 19種[0種]
>>大药獐牙菜 Swertia tibetica 第64回
 
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Swertia dichotoma 歧伞獐牙菜 [Sect. Ophelia多枝组- Ser. Dichotomae歧伞系] (甘粛省天水)



甘粛省天水市麦積山alt.800m付近 2010.4.21 (以下3枚同じ)
 
この一種のみで、歧伞系Ser. Dichotomae(多枝组Sect. Ophelia)を構成する。花冠裂片は(おそらく常に)4枚。「中国植物志」によると、分布域は「四川北部、青海、甘肃、新疆、陕西、宁夏、内蒙古、山西、河北、河南、湖北、黑龙江、辽宁、吉林の中国各省、および苏联(模式标本产地)、蒙古、日本」となっているが、日本での分布を示す文献は確認できなかった。プライベート・ネーム「ウスユキセンブリ」。撮影地は、陝西省との境近くの秦嶺山脈の甘粛省側。
 




 
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Swertia macrosperma 大籽獐牙菜 [Sect. Ophelia多枝组- Ser.多枝系Ser. Ramosae]  (雲南省高黎貢山南部)



雲南省保山市謄沖高黎貢山alt.2300m付近 2006.10.3 (以下9枚同じ)
 
ミャンマーとの国境近くに沿って南北数100㎞に亘って連なる高黎貢山南部の、峠頂近くの雲霧林の放牧草地の脇道に、次回紹介するアケボノソウと共に生え、同様に茎葉は多数に分枝して高く立ち上がる。花冠裂片は4枚を基本に5枚のものも混じる。「中国植物志」では、西藏、云南、四川、贵州、湖北、台湾、广西。海拔1400-3950米。尼泊尔、锡金、不丹、印度(模式标本产地)、缅甸にも分布、となっている。しかし、同一種とされる(変種以下の分類群も認められていない)次の台湾産に比べ、蜜腺溝周辺の繊毛群の発達がより顕著であることなど、かなりの差が認められる。
 
















この雲霧帯林の路傍に、アケボノソウと共に生育している。
 
Swertia randaiensis 台湾獐牙菜 (台湾合歓山)



台湾合歓山alt.2900m付近 2006.9.2 (以下3枚同じ)
 
上記したように「中国植物志」では、“外観、種子の構造など大陸産Swertia macrospermaと完全に一致し、相違点は認め得ないので、同一の分類群に置く”として、Swertia randaiensisはSwertia macrospermaシノニムと見做されている。しかし、写真(「中国植物図像庫」収録の他の大陸産個体も含む)を見た限りでは、かなりの差異があるように思え、ここではSwertia randaiensisを復活しておくことにした。雲南謄沖の場合同様、アケボノソウ(タイワンアケボノソウ)とセットで生育。
 



 
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ピンク:甘粛天水/青:雲南謄沖/赤:台湾合歓山










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