青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国大陸(附:日本列島)のハマウツボ科(シオガマギク属を中心に) 3

2024-05-23 16:10:36 | 雑記 報告


Orobanchaceae (mainly Pedicularis) from China (and Japan) 3



1-1-2-2花冠は平開

1-1-2-2-1花冠は地上から直接伸びた長い筒部の先に開く【Group Ⅲ】

1-1-2-2-1-1羽状葉の裂片は小さく、下唇の側片は盛り上がる

1-1-2-2-1-1-1嘴状上唇は捻じれる

1-1-2-2-1-1-1-1赤花、嘴状上唇は上から下に向かう

1-1-2-2-1-1-1-1-1花冠は平開し、嘴状上唇先端は単一

〖4〗 P.siphonantha 管花马先蒿

根叶群 Grex Rhizophyllum 根叶亚群 Subgrex Rhizophyllum 长花系 Ser. Longiflorae

写真1—4








雲南省香格里拉近郊.alt.3800m付近 .Jul.28,2015

写真5


同alt.3400m付近 .Jul.29,2015

写真6


雲南省白馬雪山alt.4200m付近 Sep.29,.2005

雲南省香格里拉~白馬雪山にかけての高山湿性草地で撮影。地上近くに束生した重鋸歯を伴う羽状深裂葉の葉腋から、5㎝前後に達する花柄状の細長い真紅の花筒が1~数10本集まって直立する。中には上から2枚目の写真の株のように、数本がごく隣接して上伸開花するため、球形の集散花序のように見える場合もある。花筒の基部を覆う萼筒は、合着した筒状で、上縁に一対の葉状鱗片を生じる。下唇は径1~2㎝、側裂片が幅広く、中央裂片と同程度かやや大きい。花冠の基部は白い。嘴状上唇は、基部で幅広く、後方は細長い管状になって丸く内側に向かって巻く。花冠は平開する。

注:〖4/5/6&7〗は酷似するが、最近のDNA解析結果では、それぞれ遠く離れた類縁に位置付けられている。



1-1-2-2-1-1-1-1-2花冠はやや壺状に開き、嘴状上唇先端は数裂

〖4B〗Undescribed species belong series Longiflorae 长花马先蒿節の未記載種

根叶群 Grex Rhizophyllum  根叶亚群 Subgrex Rhizophyllum 长花系 Ser. Longiflorae

写真7


雲南省香格里拉近郊alt.3700m付近. Jun.19,2005

種としては、〖4〗 Pedicularis siphonanthaに包括されると思われるが、「Longiflorae節の未記載種」とする尹民(2017私信)に従い、ここでは分けて紹介しておく。嘴状上唇は先端が短く3鋭裂。花冠は内側に巻き気味で〖2〗Pedicularis willsoniiや〖3〗Pedicularis elwesiiのような壺状になった花冠の種への移行初期段階の状況を思わせる。



1-1-2-2-1-1-1-2黄花、嘴状上唇は下から上に向かう

1-1-2-2-1-1-1-2-1下唇側片は脊方に鋭く突出、赤紋は2個、

〖5〗Pedicularis longiflora var.tubiformas 长花马先蒿

根叶群 Grex Rhizophyllum 根叶亚群 Subgrex Rhizophyllum 长花系 Ser. Longiflorae

写真8—11








雲南省香格里拉近郊alt.3500m付近. Jul.28,2015 (上2枚の紅花はP.siphonantha)

注:最近のDNA解析に拠れば酷似した〖4〗および〖6&7〗とは別グループに位置づけられ、通常別グループとされる〖20‐25〗のP.davidiiなどに近いようである。外観が著しく異なる〖3〗P.elwesiiにも比較的近縁とされている。



1-1-2-2-1-1-1-2-2下唇側片の背方は丸く盛り上がる

1-1-2-2-1-1-1-2-2-1下唇は黄一色、3個の赤紋がある

〖6〗 P.armata 刺齿马先蒿

根叶群 Grex Rhizophyllum 根叶亚群 Subgrex Rhizophyllum 长花系 Ser. Longiflorae

写真12


四川省黄龍(峠上の高山礫地)alt.4200m付近. Aug.6,1995

写真13


四川省九賽溝(渓流沿い草地) alt.2500m付近 .Aug.2,1991

〖5〗Pedicularis longifloraに類似するが、下唇基部の濃赤褐色班は、中央裂片に一個、左右の裂片の縁に2個の、計3個がある。中央裂片が小型で、側裂片がより幅広く、全体として円形を呈する。嘴状上唇は8同様に上方から下方に向かって屈曲するが、その基部にも赤褐色斑が生じる。濃い黄色の上写真個体と、下写真個体のように外側が白味を帯びるものがあるが、基本形態は変わらない。



1-1-2-2-1-1-1-2-2-2下唇は基部が白く、上唇の先端は2分する

〖7〗 P.cranolopha 凸额马先蒿

根叶群 Grex Rhizophyllum 根叶亚群 Subgrex Rhizophyllum 长花系 Ser. Longiflorae

写真14


四川省雅江東方臥龍峠下の河岸草地 alt.3700m付近 .Jun.7, 2010

写真15


四川省塔公~八美間の高山草原 alt.4200m付近. Jul.23,2010

上写真個体は下写真個体に比べて葉が大きく発達、羽状部は中脈沿いを残しほぼ全裂するが、撮影地は距離的にも近く、明らかに同一種であろう。全体の概形や大きさ、細長い花筒などは〖4~6〗に似るが、花色は白で内半部が鮮黄色、下唇の各裂片は幅広く、〖6〗同様に花冠全体が円形を呈する(ただし中央裂片も幅広い)。嘴状上唇は鮮黄色、上方から下方に向かって湾曲、先端が2裂し、細長く伸長する。



種同定は尹民(2017年/私信)。

形態記述、検索体系とグルーピングは青山(2014年)試案。

*は「中国植物志(2019版)」に於ける上位分類群。










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