「新・キョンシーズ」
原題:彊屍訓練營
英題:School for Vampire/Stiff Corpse Teach Practice Camp/Vampire Training Camp
製作:1988年
▼前回に引き続き、今日もキョンシー映画のレビューです。
かつて、日本でキョンシー映画が全盛を極めた時期、後先考えずに大量の作品が輸入されて次々とビデオ化された事があったが、本作もその1つである。
この作品は今まで詳しく紹介したサイトが無く、どのような作品かと思っていたが、これがなかなか悪く無い。タイトルにあるとおり典型的な『キョンシーズ』便乗作品(作中、テンテンみたいな女の子も登場する)だが、これが結構ユニークなお話なのだ。
■龍世家(ジャック・ロン)はキョンシーを養成する学校の道士。ここで訓練されたキョンシーは一人前のキョンシーとして故郷に凱旋することが出来ると評判だった。
だが、それを妬んだ三流道士が嫌がらせを行い、キョンシー学校に厄介なキョンシーたちを押し付けてしまった。これは何者かの陰謀と察知した龍世家だが、名門である手前、彼らを放り出す訳にもいかない。そこで問題児なキョンシーたちとの奇妙な訓練生活が始まるのだった。
次第に立派なキョンシーとして成長していく問題児のキョンシーたち。三流道士はなおも嫌がらせを続け、ついには先輩道士である李嗣興(アラン・リー)を担ぎ出してくるまでに至った。三流道士とは打って変わって手強い李嗣興に苦戦する龍世家。果たして、キョンシーたちはこの難題をどうクリアするのであろうか?
▲本作はズバリ「キョンシー学校」という1アイデアで成り立っている。
登場するキョンシーたちはリーダー格の強面キョンシーを筆頭に、水にトラウマを持つキョンシー、この手の作品には付き物のベビーキョンシー、仮死状態になっただけでキョンシーと思われている盗賊の親分(後半で意外な活躍をする)、キョンシー姉妹など、とても個性的な連中ばかりだ。
この他にキョンシーになるための様々な訓練、キョンシーたちの食事など、他の子供だましな亜流作品とは一線を画す内容なのも面白い。また、武術指導は羅鋭(アレクサンダー・ルー)と李嗣興の2人で、作中のアクションもそれなりに頑張っている(功夫映画ファンとしては、劇中2度繰り広げられる龍世家VS李嗣興にも要注目か)。
この作品は製作総指揮を務めた染野行雄のプロダクションにて作られた作品である。
制作には台湾の名匠・李作楠(日本のデータベースサイトで本作の監督は彼とされているが、これは誤りである)、プロデューサーには陳少鵬が名を連ね、監督は『新南拳北腿』などで脚本を書いた張建佶が、カメラマンにはのちに『ゴーストパワーを持つ少女』を撮る莊胤建が控えている…なるほど、この布陣なら本作が個性的な出来になる訳だ。
そして、最後にこの作品の最も特異な点について少々…というのも、本作はそのほとんどのシーンが韓国ロケで撮影されているのだ(出演者も一部韓国系の人が混じっている)。山深い谷や雪が積もったお寺など、あまり香港や台湾映画などで見かけないシチュエーションで作られた事が、本作をより独自性のある作品にした…というのは考えすぎでしょうかね?
原題:彊屍訓練營
英題:School for Vampire/Stiff Corpse Teach Practice Camp/Vampire Training Camp
製作:1988年
▼前回に引き続き、今日もキョンシー映画のレビューです。
かつて、日本でキョンシー映画が全盛を極めた時期、後先考えずに大量の作品が輸入されて次々とビデオ化された事があったが、本作もその1つである。
この作品は今まで詳しく紹介したサイトが無く、どのような作品かと思っていたが、これがなかなか悪く無い。タイトルにあるとおり典型的な『キョンシーズ』便乗作品(作中、テンテンみたいな女の子も登場する)だが、これが結構ユニークなお話なのだ。
■龍世家(ジャック・ロン)はキョンシーを養成する学校の道士。ここで訓練されたキョンシーは一人前のキョンシーとして故郷に凱旋することが出来ると評判だった。
だが、それを妬んだ三流道士が嫌がらせを行い、キョンシー学校に厄介なキョンシーたちを押し付けてしまった。これは何者かの陰謀と察知した龍世家だが、名門である手前、彼らを放り出す訳にもいかない。そこで問題児なキョンシーたちとの奇妙な訓練生活が始まるのだった。
次第に立派なキョンシーとして成長していく問題児のキョンシーたち。三流道士はなおも嫌がらせを続け、ついには先輩道士である李嗣興(アラン・リー)を担ぎ出してくるまでに至った。三流道士とは打って変わって手強い李嗣興に苦戦する龍世家。果たして、キョンシーたちはこの難題をどうクリアするのであろうか?
▲本作はズバリ「キョンシー学校」という1アイデアで成り立っている。
登場するキョンシーたちはリーダー格の強面キョンシーを筆頭に、水にトラウマを持つキョンシー、この手の作品には付き物のベビーキョンシー、仮死状態になっただけでキョンシーと思われている盗賊の親分(後半で意外な活躍をする)、キョンシー姉妹など、とても個性的な連中ばかりだ。
この他にキョンシーになるための様々な訓練、キョンシーたちの食事など、他の子供だましな亜流作品とは一線を画す内容なのも面白い。また、武術指導は羅鋭(アレクサンダー・ルー)と李嗣興の2人で、作中のアクションもそれなりに頑張っている(功夫映画ファンとしては、劇中2度繰り広げられる龍世家VS李嗣興にも要注目か)。
この作品は製作総指揮を務めた染野行雄のプロダクションにて作られた作品である。
制作には台湾の名匠・李作楠(日本のデータベースサイトで本作の監督は彼とされているが、これは誤りである)、プロデューサーには陳少鵬が名を連ね、監督は『新南拳北腿』などで脚本を書いた張建佶が、カメラマンにはのちに『ゴーストパワーを持つ少女』を撮る莊胤建が控えている…なるほど、この布陣なら本作が個性的な出来になる訳だ。
そして、最後にこの作品の最も特異な点について少々…というのも、本作はそのほとんどのシーンが韓国ロケで撮影されているのだ(出演者も一部韓国系の人が混じっている)。山深い谷や雪が積もったお寺など、あまり香港や台湾映画などで見かけないシチュエーションで作られた事が、本作をより独自性のある作品にした…というのは考えすぎでしょうかね?
実はこの作品も近々レビューしようかなぁ…なんて思っていたら先にレビューされてしまって焦りました!…でも別にいいんですけどね(笑)
この作品を最初見た時はあまりのつまらなさに苦戦しました(入手した当時はキョンシー目当て)。
ところが昨日見たら案外知ってる俳優が沢山出てきてアクションもいいので面白く見えるんですよ(汗)
確かに本作は僕も韓国でロケされた作品だと思っています。なんか日本との合作なんて言ってますけど本当なのかどうなのか…(苦笑)
実際にこの作品の韓国版ポスターとか白黒写真とかロビーカードなんかも存在しています。
ちなみに韓国版タイトルは「彊屍訓練院」で、資料を見てみると、韓国側の監督さんもいるみたいですよ。
でも確かに出演者も台湾の俳優と韓国の俳優が混じってますね。
ヤクザの親分でキョンシーと一緒に修行することになる男の人って馬道植っていう俳優さんです。
彼は韓国のカンフー映画で主に悪役として出ているのをよく見かけますね(笑)
他にもキョンシーに扮している俳優といえば馬學文と羅鋭なんかもいますね…
もしよかったら後で僕もレビューしちゃってもいいでしょうか?(すでに準備しちゃっていたもので…汗)
>実はこの作品も近々レビューしようかなぁ…なんて思っていたら先にレビューされてしまって焦りました!
私は逆に似た感じの作品を同じ日に紹介してしまったと焦りました(爆
それと当初、本作をレビューする際に『靈幻七小寶』という同スタッフで作られた姉妹作があることを知ったのですが、まさかそれが日本でもリリースされているとは知りませんでした。
>なんか日本との合作なんて言ってますけど本当なのかどうなのか…(苦笑)
日本との合作というより、日本人(染野さん)の会社が製作したことが「日本との合作」という誤解を生んでしまったものと思われます。
ところでこの作品、もしやと思いましたが羅鋭が出ていたんですね。羅鋭は『霊幻勇士』でも武術指導兼任でチラッと出ていたようですが、今回はどこにいたかなぁ…?
>もしよかったら後で僕もレビューしちゃってもいいでしょうか?
別に構いません。以前私もなるこうさんのレビューと似た題材を扱って被ってしまったことがあります(苦笑)が、そのへんはお気になさらず!
>それと当初、本作をレビューする際に『靈幻七小寶』という同スタッフで作られた姉妹作があることを知ったのですが、まさかそれが日本でもリリースされているとは知りませんでした。
大映からビデオが出ていたんですよね。どっちかというと「靈幻七小寶(ラスト・キョンシー)」の方がマニアックなキャストで中々面白かったです(笑)
>日本との合作というより、日本人(染野さん)の会社が製作したことが「日本との合作」という誤解を生んでしまったものと思われます。
僕もそう思っています。染野さんの映画会社なんかは「靈幻七小寶(ラスト・キョンシー)」もありますし、「新桃太郎3」なんかもありますね。
>ところでこの作品、もしやと思いましたが羅鋭が出ていたんですね。羅鋭は『霊幻勇士』でも武術指導兼任でチラッと出ていたようですが、今回はどこにいたかなぁ…?
あの悪党道士が4人の神様(エロスの神とか孫悟空の孫とか言ってる奴…)たちがキョンシー隊を襲撃するシーンで羅鋭がキョンシーとして闘っているのが確認できますよ(ほんの数秒だけドアップもあります)。
確かに「霊幻勇士」にも出ているらしいのですが、中々入手できなくて見れないんですよ(涙)
>別に構いません。以前私もなるこうさんのレビューと似た題材を扱って被ってしまったことがあります(苦笑)が、そのへんはお気になさらず!
ありがとうございます!
やはりこういう事ってあるもんですねぇ…、一応資料画像を沢山載せておきたいと思います(笑)
>「靈幻七小寶(ラスト・キョンシー)」
思いの外『新・キョンシーズ』が面白かったので、私もこの作品は見てみたいです。とはいえ、こういった便乗作品の類は相当探さないと見つかりそうにないので困ったものです(苦笑
>染野さんの映画会社なんかは「靈幻七小寶(ラスト・キョンシー)」もありますし、「新桃太郎3」なんかもありますね。
最近でも『国姓爺合戦』などで活動を続けていらっしゃるようですね。個人的には往年の功夫スターが集結するという企画中の作品、『大龍出海』に凄く期待しています。
>羅鋭がキョンシーとして闘っているのが確認できますよ(ほんの数秒だけドアップもあります)。
情報ありがとうございます!それにしても羅鋭がそんなところに…いっそのこと大々的に活躍してほしかったですねえ。