功夫電影専科

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よろしくユン・ピョウ(5)『香港魔界大戦』

2015-04-21 23:46:26 | 元彪(ユン・ピョウ)
「香港魔界大戦」
原題:西蔵小子
英題:A Kid from Tibet
製作:1991年

●チベットの奥地に存在するラマ教の総本山・ポタラ宮。そこで修行に励んでいた青年僧の元彪(ユン・ピョウ)は、ダライ・ラマ(演じるは午馬!)から密命を託された。
午馬によると、500年前に邪悪な黒教を倒した伝説の秘宝・黄金の壺が、香港で見つかったというのだ。元彪の目的はその壺を持ち帰ることなのだが、すでに黒教の末裔・元華(ユン・ワー)と利智(ニナ・リー)が動き出していた。
 黄金の壺を所有する富豪の使者・李嘉欣(ミシェール・リー)と合流し、高層ビルが立ち並ぶ香港へと上陸する元彪。しかし俗世間に疎い彼は、行く先々で珍騒動を巻き起こしていく。
一時は李嘉欣とも険悪になるも、胸の内を明かしたことで無事に和解。意気揚々と富豪の元へ向かうが、そこには元華一味が待ち受けていた。2人は捕えられ、黄金の壺の魔力が解き放たれるのだが…?

 本作は元彪が初めて監督に挑んだ作品ですが、彼がメガホンを握ろうとしたのは今回が最初ではありません。前々から監督業に興味のあった元彪は、製作も兼ねた『検事Mr.ハー/俺が法律だ』で監督デビューを考えていました。
しかし主演俳優として、プロデューサーとしての仕事に集中することを決意し、このときは経験豊富な元奎(コーリー・ユン)にバトンタッチ。それから5年の歳月が流れ、ようやく本作で夢を叶えたのです。
 作品としては典型的なアクション映画で、元彪自身は純朴そうな好青年を熱演。さすがに特殊効果のレベルは『孔雀王』に劣りますが、実際にチベットでロケを敢行したりと、そこかしこに彼の拘りが感じられます。
また、スターの監督作にありがちな“俺様映画”に陥らず、健全な娯楽作に纏め上げた点も見逃せません(利智に迫られるシーンは明らかに監督権限を発動していますが・笑)。ややインパクトに欠けるものの、初監督でこの内容なら上々といえるでしょう。
 アクションシーンでは、ワイヤーワークなどを交えつつ軽快な立ち回りを展開! 元華との最終戦では、途中から巨大な剣を振りかざしてのソードバトルに変わり、息の合ったつばぜり合いを見せています。
しかし「これは!」と思えるようなアクションが無く、元彪VS元華も他作品でのバトルと比べるとイマイチに感じました。セクシーな利智との戦いなど、工夫を凝らしてはいるのですが…う~ん。
…と、そんなわけで今回は90年代の作品を紹介しましたが、いつの間にやら「よろしくユン・ピョウ」も終了間近。ここからは一気に年代を飛び越え、00年代以降の作品からセレクトしていきたいと思います!

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