功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ドーベルマン・コップ』

2018-01-12 14:53:04 | カンフー映画:佳作
「ドーベルマン・コップ」
原題:東方巨龍
英題:Ninjas, Condors 13/Knight Revenger/Ninja Condors
製作:1987年(1988年説あり)

●改めまして、新年明けましておめでとうございます! 去年は連続特集に追われて大忙しでしたが、今年はのんびりマイペース(でも更新はコンスタントに)に戻っていこうと思っています。
さて今年最初の更新は、戌年にちなんで犬にまつわる作品を紹介…したかったのですが、目ぼしい犬関連のタイトルはとっくの昔に紹介済み。なんとかコレクションを漁って出てきたのは本作だけでした(苦笑
 この作品は、台湾ニンジャ映画の代表格・羅鋭(アレクサンダー・ルー)の主演作で、こんな邦題ですが正真正銘のニンジャ映画です。キャストやスタッフも、そのほとんどが過去の羅鋭作品に関わった面々で構成されています。
ストーリーは父親を殺された主人公が暗殺組織に拾われ、足抜けを図って壮絶な死闘を展開するというもの。いわゆる“抜け忍”的な話ですが、よくよく考えると荒唐無稽な台湾ニンジャ映画の中では、最も本来の忍者に近いスタイルの作品なのかもしれません。
 しかし全体的に演出が粗く、人物関係の描き方はとても大雑把です。特に中盤でユージン・トーマスと羅鋭が初めて出会うシーンでは、適当な台詞回しのせいで2人がまったく初対面に見えないという珍事が起きていました。
とはいえ、羅鋭とユージンによるロードムービー的な要素は悪くないし、ストーリーも停滞せずテンポよく進みます。相変わらず血がドバドバ出てくる作風ではありますが、お色気シーンは控え目なのでクドさは感じませんでした。

 そして本作の売りとなるニンジャ・アクションですが、こちらもワイヤーワークや爆破スタントなどで彩られており、ハイテンションな立ち回りが堪能できます(武術指導は暗殺組織のナンバー2にも扮している李海興(アラン・リー)が担当)。
キビキビとした羅鋭の拳技、豪快な蹴りで迫るユージンに加え、組織のボスを演じたジョージ・ニコラスや師匠役の龍世家(ジャック・ロン)も大暴れ! ニンジャ的な立ち回りだけでなく、素面での格闘アクションも充実しています。
 一方、遊園地やスケートリンクでのニンジャ対決は実にシュールでしたが(笑)、クライマックスでは組織のアジトを舞台に銃撃戦が繰り広げられ、銃弾と手裏剣が飛び交う賑やかなアクションが炸裂していました。
最後は羅鋭VSジョージ、ユージンVS李海興の濃い肉弾戦がこれでもかと続き、アクション的にはとても満足のいく内容だったと思います(ただし、このラストバトルではニンジャ的なギミックが一切出てこないので、人によっては物足りなさを感じるかも)。
 全体に漂う安っぽさは払拭できないものの、最後まで一気に見られる勢いに満ちた作品。いまだに羅鋭作品には未開拓の部分がありますが、2018年はそうした未踏の作品にも着目しつつ、円滑なブログ運営を心掛けたいと考えています。
…ところで、主人公の羅鋭はニンジャの殺し者という役どころなんですが、邦題のドーベルマン・コップって誰のことなんでしょうか?(爆

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ルー・フェン (samuan)
2018-01-14 13:52:03
こんにちは
『ドーベルマン・コップ』は大好きな作品です。羅鋭の『ザ・ニンジャ・シティ』とほぼ同時期の作品で、両作とも一部フィリピンで撮影されています。
ちなみに本作の冒頭、悪党に惨殺される主人公の父親役って五毒のルー・フェンなんですよね。
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返信。 (龍争こ門)
2018-01-16 16:34:03
 samuanさんこんにちは、明けましておめでとうございます&お返事お待たせしました。
『ニンジャ・シティ』とは若干キャストが被っていましたが、ほぼ同じタイミングで撮影されたようですね。個人的には後味も爽やかな本作の方が好みです(笑
鹿峰については、HKMDBにも名前があったのでどこに出ているのか気になっていましたが、あの役が彼だったとは気付きませんでした(いっそのこと、彼にも闘って欲しかったなぁ…)。
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浜ちゃんはビバリーヒルズ・コップ(タイムリーにw) (白扇仔)
2018-01-16 21:32:11
コレ、更新日の数日前に見たばっかりの作品です。
VHSの現物入手は諦めて(1度だけ見た事があります)ネットからDLして見ました。
“徒手格闘”のシーンはどれも良くてダビしました…じゃなくて、編集して残しました。
中盤の船着き場での格闘シーンは素晴らしかったと思います。忍者アクションのシーンはこれといった所ナシ。

>遊園地やスケートリンクでのニンジャ対決は実にシュール

白人女をエサに忍者をおびき寄せて闘う…とゆー展開があまりにもアタマ悪そーで、なんだかなぁでした。そしてラストのあまりにもなハッピーエンドっぷりにひっくり返りそーになりましたw オマエらティーンエイジャーか!って

>邦題のドーベルマン・コップって誰のことなんでしょうか?

ですよね。本作を見るまで、主人公は忍者でもある刑事なんだと思ってました。でも、実際は殺し屋。
ってこたぁ邦題は誰の事かとゆーと、実は刑事だったし、肌の色も近い(ネットで炎上しそうw)とゆー事でユージンさんの事ですよ。たぶんw
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返信。 (龍争こ門)
2018-01-21 02:45:42
白扇仔さんこんばんは、明けましておめでとうございます&お返事お待たせしました。

>コレ、更新日の数日前に見たばっかりの作品です。
 なんだかちょっとだけタイムリーな更新になったようですね。私も本作とはなかなか巡りあえませんでしたが、幸運にも中古で入手することが出来ました。
仰るように、本作は羅鋭作品の中でも有数のハッピーな終わり方をしていて、後味も実に爽やかでした(笑

>とゆー事でユージンさんの事ですよ。たぶんw
 誇張を抜きにしても、本作のユージン・トーマスはなかなかの儲け役だったと思います(心なしかアクションのキレも良い感じ)。
この手の作品だと、裏切り者か主役を庇って死にそうなところなのに、最後まで肩を並べて共闘してくれたのは嬉しかったですね。
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