
截拳鷹爪功
Jeet Kune the Claws and the Supreme Kung Fu
Fist of Fury 3
Chinese Connection 3
1979
▼李小龍の傑作『ドラゴン怒りの鉄拳』には多くの続編・リメイク・偽物・便乗作品が存在する。ジャッキーの『新精武門』、呂小龍の『忠烈精武門』『達摩鐵指功』『火燒少林門』、巨龍の『最後の精武門』、甄子丹の電視劇版とその数は膨大で、『死亡遊戯』と並び李小龍作品ではよく関連作が作られる事で知られている。そして今回紹介する本作は、今まで『精武門續集』と精武門作品に縁のある何宗道(ホー・チョンド)主演の新たな精武門の物語である。
…とまぁ大げさに書いてはいますが、いつもの李小龍バッタもん作品であります(笑
■『怒りの鉄拳』のラストで死んだ陳真こと李小龍の遺影と遺骨を手に、ひとりの男がマカオ(?)の田舎へと降り立った。男はそこでもはびこっていた日本人(この手の作品ではお馴染み魏平澳(ウェイ・ピンアオ)も登場)にケンカを売られるが一蹴する。彼は何宗道…今回は陳真の弟役で、盲目の母とイタズラ好きなお調子者の弟・韓國才の待つ故郷に帰ってきたのだ。…って、何宗道はまだしも、韓國才が李小龍の血縁者とはムリありすぎな気がしないでもないが(爆
何宗道は母と共に李小龍を弔うと、地元にもあった精武門へ挨拶に向かった。そこには道場主の劉鶴年と師範代の唐炎燦(トン・ウェンチャイ!)がおり、道場を切り盛りしていた。だが新参者の姿に唐炎燦はライバル心むき出しだった。一方、魏平澳は日本人の方野(軍関係者でもなければ何かの道場を持っている様子もないが…一体何者?)からある伝言を聞かされていた。
「陳真という男を知っているか?もう死んでるが、上海で俺たちの同胞をずいぶんと手こずらせたらしい。その弟がこの近くに来ているらしい。禍根を断つべく、我々はそいつを抹殺する!」
…かくして、日本人達による何宗道の抹殺計画が行われる事となった。魏平澳は手始めに何宗道の家を襲撃したり、唐炎燦にちょっかいを出したりと動き始めた。その唐炎燦だが、どうやら劉鶴年の娘の事が気になる様子。気になるので四六時中監視し尾行し…ってそれじゃ犯罪だよ(笑)!なかなか想いの伝わらない(当たり前だ)唐炎燦は、酒を煽ったり、大道芸をしている米雪ら親子を襲ったり、何宗道とケンカをしたりと狼藉の数々を行い、劉鶴年からもクギを刺された。
そこに注目した魏平澳は、唐炎燦をこちら側に引き込んでしまおうと画策し、彼の飲んでいた酒にあやしげな薬を忍ばせた。その夜、何故かムラムラして眠れない唐炎燦は魏平澳の言葉もあり、劉鶴年の娘に夜這いをかけた。その際、仰々しい音楽で夜這いに向かう唐炎燦と、黄金の寝間着で寝ている娘さんが爆笑モノだ(笑
結局、劉鶴年に見つかり唐炎燦は破門となる。魏平澳はまんまと日本人陣営に唐炎燦を誘い、改めて何宗道抹殺計画をスタートさせた。その計画の内容は、顔を隠して連続殺人事件を起こし、次に娘さんが何宗道にプレゼントした服を唐炎燦が着て劉鶴年を殺害し、全ての罪を何宗道になすりつける…という、ものすごく回りくどい作戦だった。
作戦は成功し、何宗道は捕まってしまう。その頃、日本人たちの大ボスである谷峰(クー・フェン)が方野たちと合流していた。「何宗道を手筈通りにハメて監獄送りにしてやりまさぁ」と話をしていたが、それを聞いていた米雪親子が舞い戻り、娘さんに何宗道の無実を訴えた。そこへ事実隠蔽をもくろみ唐炎燦が現れ、戦闘となる。誰が正しいのか困り果てた娘さんは、なんと劉鶴年の墓前で自決してしまった(!)。やっと得た娘さんを死なせてしまった唐炎燦の胸中は…。
続いて米雪親子は何宗道を助け、早くこの地を立ち去ろうと持ちかける。最後にひと目母と会ってからと言う何宗道…だが、母と韓國才は日本人たちに殺されていた。怒りに振るえる何宗道は、怒りの鉄拳を振るう!
▲話の方はちょっと寄り道ばかりという印象を受けますが、まぁそこそこといった感じでした。このあと何宗道は方野ら日本人たちを倒し、最後に谷峰との死闘となります…が、ここで大きな矛盾が発生するのです。
というのも、何宗道は母と韓國才を殺したのが日本人とは知りません。そして何宗道は獄中にいたので娘さんが死んだ事も、大ボスの谷峰が現れた事も、唐炎燦が事件に荷担していた事も知らないのです。なのに何宗道は日本人のアジトへとアチャーっと乗り込んでいきます(爆)。この直前まではダメなりに頑張っていた本作ですが、どうしてこんな事になったのでしょうか?
私が思うに、「何宗道の暗殺計画」という物語が進んでいくうちに精武門らしくない展開へと進んでいったので、焦った製作サイドが急きょ精武門らしい展開に持っていった…というのが真相のようです。ではこの矛盾だらけの後始末をどうしたのかというと、それは唐炎燦が死に際に何宗道に詫びるという形で解消する…つもりだったんでしょうが、土手っ腹に日本刀が貫通した状態で延々と喋る唐炎燦の姿はシュール過ぎます(笑
辻褄合わせに大失敗した本作ですが、劇中の功夫アクションは思ったより悪くありません。バッタもん作品にはありがちですが、これだけが唯一の救いかも知れません。あとは要所要所で笑わせてくれる唐炎燦の存在も光っていました(爆
Jeet Kune the Claws and the Supreme Kung Fu
Fist of Fury 3
Chinese Connection 3
1979
▼李小龍の傑作『ドラゴン怒りの鉄拳』には多くの続編・リメイク・偽物・便乗作品が存在する。ジャッキーの『新精武門』、呂小龍の『忠烈精武門』『達摩鐵指功』『火燒少林門』、巨龍の『最後の精武門』、甄子丹の電視劇版とその数は膨大で、『死亡遊戯』と並び李小龍作品ではよく関連作が作られる事で知られている。そして今回紹介する本作は、今まで『精武門續集』と精武門作品に縁のある何宗道(ホー・チョンド)主演の新たな精武門の物語である。
…とまぁ大げさに書いてはいますが、いつもの李小龍バッタもん作品であります(笑
■『怒りの鉄拳』のラストで死んだ陳真こと李小龍の遺影と遺骨を手に、ひとりの男がマカオ(?)の田舎へと降り立った。男はそこでもはびこっていた日本人(この手の作品ではお馴染み魏平澳(ウェイ・ピンアオ)も登場)にケンカを売られるが一蹴する。彼は何宗道…今回は陳真の弟役で、盲目の母とイタズラ好きなお調子者の弟・韓國才の待つ故郷に帰ってきたのだ。…って、何宗道はまだしも、韓國才が李小龍の血縁者とはムリありすぎな気がしないでもないが(爆
何宗道は母と共に李小龍を弔うと、地元にもあった精武門へ挨拶に向かった。そこには道場主の劉鶴年と師範代の唐炎燦(トン・ウェンチャイ!)がおり、道場を切り盛りしていた。だが新参者の姿に唐炎燦はライバル心むき出しだった。一方、魏平澳は日本人の方野(軍関係者でもなければ何かの道場を持っている様子もないが…一体何者?)からある伝言を聞かされていた。
「陳真という男を知っているか?もう死んでるが、上海で俺たちの同胞をずいぶんと手こずらせたらしい。その弟がこの近くに来ているらしい。禍根を断つべく、我々はそいつを抹殺する!」
…かくして、日本人達による何宗道の抹殺計画が行われる事となった。魏平澳は手始めに何宗道の家を襲撃したり、唐炎燦にちょっかいを出したりと動き始めた。その唐炎燦だが、どうやら劉鶴年の娘の事が気になる様子。気になるので四六時中監視し尾行し…ってそれじゃ犯罪だよ(笑)!なかなか想いの伝わらない(当たり前だ)唐炎燦は、酒を煽ったり、大道芸をしている米雪ら親子を襲ったり、何宗道とケンカをしたりと狼藉の数々を行い、劉鶴年からもクギを刺された。
そこに注目した魏平澳は、唐炎燦をこちら側に引き込んでしまおうと画策し、彼の飲んでいた酒にあやしげな薬を忍ばせた。その夜、何故かムラムラして眠れない唐炎燦は魏平澳の言葉もあり、劉鶴年の娘に夜這いをかけた。その際、仰々しい音楽で夜這いに向かう唐炎燦と、黄金の寝間着で寝ている娘さんが爆笑モノだ(笑
結局、劉鶴年に見つかり唐炎燦は破門となる。魏平澳はまんまと日本人陣営に唐炎燦を誘い、改めて何宗道抹殺計画をスタートさせた。その計画の内容は、顔を隠して連続殺人事件を起こし、次に娘さんが何宗道にプレゼントした服を唐炎燦が着て劉鶴年を殺害し、全ての罪を何宗道になすりつける…という、ものすごく回りくどい作戦だった。
作戦は成功し、何宗道は捕まってしまう。その頃、日本人たちの大ボスである谷峰(クー・フェン)が方野たちと合流していた。「何宗道を手筈通りにハメて監獄送りにしてやりまさぁ」と話をしていたが、それを聞いていた米雪親子が舞い戻り、娘さんに何宗道の無実を訴えた。そこへ事実隠蔽をもくろみ唐炎燦が現れ、戦闘となる。誰が正しいのか困り果てた娘さんは、なんと劉鶴年の墓前で自決してしまった(!)。やっと得た娘さんを死なせてしまった唐炎燦の胸中は…。
続いて米雪親子は何宗道を助け、早くこの地を立ち去ろうと持ちかける。最後にひと目母と会ってからと言う何宗道…だが、母と韓國才は日本人たちに殺されていた。怒りに振るえる何宗道は、怒りの鉄拳を振るう!
▲話の方はちょっと寄り道ばかりという印象を受けますが、まぁそこそこといった感じでした。このあと何宗道は方野ら日本人たちを倒し、最後に谷峰との死闘となります…が、ここで大きな矛盾が発生するのです。
というのも、何宗道は母と韓國才を殺したのが日本人とは知りません。そして何宗道は獄中にいたので娘さんが死んだ事も、大ボスの谷峰が現れた事も、唐炎燦が事件に荷担していた事も知らないのです。なのに何宗道は日本人のアジトへとアチャーっと乗り込んでいきます(爆)。この直前まではダメなりに頑張っていた本作ですが、どうしてこんな事になったのでしょうか?
私が思うに、「何宗道の暗殺計画」という物語が進んでいくうちに精武門らしくない展開へと進んでいったので、焦った製作サイドが急きょ精武門らしい展開に持っていった…というのが真相のようです。ではこの矛盾だらけの後始末をどうしたのかというと、それは唐炎燦が死に際に何宗道に詫びるという形で解消する…つもりだったんでしょうが、土手っ腹に日本刀が貫通した状態で延々と喋る唐炎燦の姿はシュール過ぎます(笑
辻褄合わせに大失敗した本作ですが、劇中の功夫アクションは思ったより悪くありません。バッタもん作品にはありがちですが、これだけが唯一の救いかも知れません。あとは要所要所で笑わせてくれる唐炎燦の存在も光っていました(爆
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