功夫電影専科

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倉田保昭、ブラウン管に現る(2)『勇次 投げ縄使いと決闘する』

2014-11-11 22:50:44 | 倉田保昭
「勇次 投げ縄使いと決闘する」
製作:1983年

▼今月は和製ドラゴン・倉田保昭が出演したTV作品を追っていますが、今回は『必殺仕事人IV』から第30話「勇次 投げ縄使いと決闘する」を紹介してみましょう。
今さら説明は不要かもしれませんが、この『必殺仕事人IV』は人気時代劇である『必殺』シリーズの一篇で、法で裁けぬ悪を討つ仕事人たちの活躍を描いています。
 単なる正義の味方とは異なるハードな設定、貪欲なまでに時事ネタを取り入れるスタイル、そして奇想天外な暗殺方法の数々…。これらの独特な要素が支持を集め、今もなおシリーズが作られ続けているのです。
そんな由緒あるシリーズに倉田さんが挑むわけですが、果たして我らが和製ドラゴンは闇に生きる仕事人を相手に、どのような戦いを見せてくれるのでしょうか?

■ある日、三味線屋の勇次(中条きよし)は南部鉄瓶を輸送する女の人足たちと、それを先導する奥州の牛飼い・倉田と遭遇する。彼は鍋釜問屋・大黒屋の主人(石浜祐次郎)と結託し、ある裏稼業に手を出していた。
その裏稼業とは、人足として使った身寄りのない女たちに刺青を彫り、競りで売り飛ばすというゲスなものだった。その中には中条と出会った林亜里沙・川田あつ子の姉妹もおり、まず手始めに林がヘビの刺青を彫られてしまう。
 彼女はこの生き地獄から川田を逃がすが、自身は倉田の手にかかって死亡。脱走した川田は中条に助けられ、そのまま彼の自宅に居着いてしまう。これでは彼女にも危険が及びかねないため、中条はわざと悪ぶった振る舞いをして突き離した。
かくして川田は帰郷し、残された彼女のかんざしは仕事人の依頼料となった。死んだ女たちの無念を晴らすべく、いよいよ中村主水(藤田まこと)ら仕事人が動き出す!

▲色々と感慨深かった『闇に潜む牝豹』とは違い、本作はオーソドックスな内容に仕上がっています。ストーリーは悪党に踏みにじられた人々の思いを受け、仕事に向かうという普段通りのパターン…これといって意外性のある話ではありません。
とはいえ、本エピソードの主役である中条は格好良く撮れているし、おなじみの仕置きシーンもバッチリ。気になるのは倉田さんの活躍っぷりですが、今回は鞭使い(タイトルでは投げ縄だがどう見ても鞭)として仕事人に立ちはだかります。
 その悪役っぷりはなかなかのものですが、鞭は何度もピュンピュンと振り回してはいるものの、自慢の体術は1ミリも見せてくれません(涙)。まぁ『必殺』シリーズは暗殺がメインなので、そう簡単に大立ち回りを演じられないのは解りますが…個人的にはちょっと期待外れでした。
ちなみに『必殺』シリーズには香港を舞台にした長編が2本あり、このうち『仕事人アヘン戦争へ行く』には倉田さんの弟子・竜咲隼人が功夫使いとして出演。内容は香港映画に負けないほど無茶苦茶なので、アクション目当てならこちらがオススメです。
さて続いては、あの日活の大スターと倉田さんが時代劇で激突!今度こそアクション的な見せ場があって欲しいところですが…詳細は次回にて!

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