功夫電影専科

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倉田保昭、ブラウン管に現る(終)『輝 Gold』

2014-11-29 23:57:16 | 倉田保昭
「輝 Gold」
製作:2013年

倉田保昭がレギュラー出演した特撮ドラマ『牙狼-GARO- ~闇を照らす者~』。その中から先日は前半のエピソードを取り上げましたが、今回は最終回一歩手前の第23話「輝 Gold」に着目してみましょう(本作品の詳細については前回をご覧下さい)。
独立国家ボルシティを牛耳る金城一族とホラーの関連を疑う魔戒騎士たち…しかし真の黒幕は協力者と思われた津田寛治であり、倉田は彼の手によって魔導ホラーと化した元・魔戒騎士だと判明。栗山航たち魔戒騎士は必死に戦うものの、惨敗を喫します。
そんな中、封印されていた伝説のホラー・ゼドム(演者は秘密・笑)が復活の兆しを見せ、戦いの中で栗山はゼドムに捕えられていた母・横山めぐみと再会。そして彼らを支えていた魔戒法師・大友康平が、たった1人でゼドムの封印に向かう場面から本作は始まるのです。

■決死の思いでゼドムと対峙した大友は、自らの命と引き換えに鎮まるよう訴えた。しかし敵は彼を一瞬で消滅させ、完全復活のために魔戒騎士の肉体を手に入れようと画策。津田に使役されていた倉田を操り、栗山たちに襲いかかった。
死闘の末に彼らは倉田を撃破し、黄金騎士・ガロは本来の姿を取り戻すことに成功する。その美しい輝きに喜ぶ横山であったが、彼女の体はゼドムの影響でホラー化が進行していた…。
栗山は苦悩しながらも母親を斬るが、その直後にゼドムが倉田の遺体を利用して復活してしまう。大友と横山…2人の死を乗り越えて、栗山・池田純矢・青木玄徳ら3人の魔戒騎士と、魔戒法師の南里美希は最後の戦いに挑む!

▲今回の話は第2回ジャパンアクションアワードにおいて、ベストアクションシーン賞の優秀賞を受賞しているんですが(監督の横山誠もアクションコーディネーター部門で最優秀賞を獲得)、その栄誉にふさわしい激闘が繰り広げられていました。
戦いはストーリーの初っ端から始まり、最初の激突で倉田さんは南里の運転する車の上に落下。栗山も一緒に飛び乗ると車は走りだし、池田と青木も別のワゴンでこれを追いかけます。
 かくして倉田さんと栗山&池田による、走行する車の屋根でのファイトが展開されるのです。さすがに替え身やワイヤーを活用していますが、ここでのアクションはほとんどCGを使っていません。
2台の車には倒壊した足場のパイプが突き刺さり、やがて3人はコンテナの上へと移動します。剣を手にした倉田さんは2人を圧倒するも、加勢した青木と一緒にコンテナごと転落。ここはさすがに2人は別撮りで、落ちるコンテナはCG…ですよね?(汗
 戦いはなおも続き、コンテナにいる倉田さん目がけて池田の運転する車が突っ込み、最後は栗山VS倉田さんのタイマン勝負で雌雄を決します。これら一連のアクションは完全にTV番組の枠を超えており、とてもド派手な戦いだったと思います。
無理に難を挙げるとすれば、車のファイトで倉田さんの替え身率が高かった(アップのシーン以外はほとんど別人)ことぐらい。宿敵に対する栗山の思い、劇的な決着も含めて私は非常に楽しめました。
物語の方も悪くなく、横山との別れは見る者の涙を誘います。ただ、直前の話で栗山と感動的な別れを果たした大友が、本作の開始早々に呆気なく倒されたのにはガッカリ。最終回で彼の遺物が鍵になるとはいえ、もう少し善戦してほしかったなぁ…。

 …というわけで、今月は倉田保昭のTV出演作を振り返ってみました。昔から映画の中で戦ってきた倉田さんですが、TVの世界においても多くの足跡を残しています。
思えば日本人の功夫スターは何人か存在しましたが、今も現役の役者としてスクリーンのみならず多方面で活躍している方は、恐らく倉田さんが唯一無二のはずです。彼はこれからも国境とメディアを問わず、なおも戦い続けることでしょう。
映画、Vシネマ、そしてブラウン管―――次に和製ドラゴンがどの世界に現るのか、秘かに待ち望みながら本稿を終えたいと思います。(特集、終)

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