エバートン 1-4 アーセナル
得点)ケイヒル / エドゥアルド2、アデバイヨール、ロシツキー
HOME)エバートン
ヤクブ
ケイヒル
ピーナール アルテタ
カーズリー P・ネビル
レスコット ヒバート
ヨボ ジャギエルカ
ハワード
AWAY)アーセナル
エドゥアルド
ベントナー
ディアビー フレブ
セスク
フラミニ
クリシー サニャ
ギャラス トゥーレ
アルムニア
交代)エドゥアルド → アデバイヨール
フレブ → ディアッラ
セスク → ロシツキー
主審)マーティン・アトキンソン
「試合を90分フルで観る」のと、「ゴールシーンのハイライトだけを観る」のでは、全く異なった印象を受ける試合でしょう。
「1-4」のスコアですが、試合内容はほとんど反映されていないと思います。
前半は、アーセナルが苦戦する“典型的なアウェイ・ゲーム”でした。
中盤で時間とスペースを消され、フィジカルな寄せに押し切られ、ロンドンよりも寒冷なイングランド北部の荒れたピッチに大雨が重なったことで流れるようなパス回しができずに攻撃のリズムを作れず、CKから失点。
45分間を終始押されてしまう、“いつもの展開”でした。
そして、後半にまさかの大逆転を達成するわけですが、決してこの“アウェイ戦の低調なパフォーマンス”が克服と解決を見せたわけではありません。
やはり、試合の流れをこちら側に引き寄せたのは、エドゥアルドの冷静なフィニッシュ。
これまでカーリングカップで、彼の「ストライカー」としての才能とGKとの1対1の局面での巧さをインターネット放送を通じて見てきましたが、ようやく自宅のテレビで見ることができました(笑)
裏への抜け出しのタイミングの良さ、相手を背負いながらのペナルティエリア内での落ち着きはお見事。
そして今日も、試合中に“ゲームを作る段階”でチームに特別貢献したということはありません。
これが、「エドゥアルド・ダ・シウバ」という選手なのでしょう。 これで、2試合連続の2ゴールです。
このエドゥアルドの2ゴールも含め、アデバイヨールのゴールも、実は起点はロングフィードからでした。
エバートンのディビッド・モイーズ監督も、
「あれは“ルート1・アーセナル”で、我々はそれに対応できなかった。
“アーセナル・タイプ”のゴールではない。」
「スタッフ全員で彼らのスタイルについて話し合ったが、我々は、普段の彼らとは違ったタイプのゴールにより敗れてしまった。」
と語ったように、ある種の新しい一面と強さを見せたと言うこともできます。
相手陣内奥深くでパス回しで崩すことばかりを考えていても、徐々に相手に対応されてしまいますし、逆の意味で攻撃がわかりやすいものになってしまいます。
そういった意味で、エバートンとしては今回のアーセナルの攻撃に意表を突かれたのでしょうし、この「プランB」は今後も有効だと思います。
また後半は、ここ最近の試合と違って、エドゥアルドとベントナーのどちらかが孤立するということもなかったです。
“ロングフィードにベントナーが合わせて、エドゥアルドがそれを拾う”という役割分担ができていました。
やはり、アーセナルにはこの「2トップ」の方が合っていると思います。
この試合は、チームの精神的な若さも出てしまいました。
数的不利になった後に、相手のミスを突いて試合を楽にする3点目と、ダメ押しとなる4点目を決めた辺りは試合巧者ぶりを垣間見せましたが、それよりも不必要なカードが多いことが気になります。
ベントナーの2枚目のイエローは一発退場でもおかしくなく、全く意味のないファウルでした。
自分がすでに1枚貰っている状況と、劣勢だった試合の状況を考えれば、あのような行動には出ないはずです。
ヴェンゲルも、本来はベントナーとアデバイヨールを代えるプランだったはずですが、それも崩れてしまいました。
また、アデバイヨールのゴールにより「1-3」と2点差とした後に、エバートンの選手達と小競り合いと乱闘騒ぎを起こすのも余計でした。
エバートンの選手達が勝手に熱くなっているところを付き合う必要はないです。 乱戦は向こうの得意とするところですから。
『あぁ、こいつら逆転されてかなり焦ってるな。』
ぐらいに余裕に構えないと。
本当に優勝するつもりでいるなら、そういった“ふてぶてしさ”は必要だと思います。
セスクのイエローとフラミニの遅延行為も余計。
特に、フラミニの遅延行為は、もう守備陣形が整っていた時のものですから、ほとんど意味がありません。
ただ、フラミニはリーグ戦通算で4枚を既に受けていたため、あそこで貰えば、今後避けられない運命にある累積出場停止を、翌々試合のFAカップで消化できるので、意図的なものだったのかもしれません。
セスクもフラミニも信じられない才能の持ち主ですが、熱くなりやすいのが治りませんね。
ただ、セスクには別の意味の“ふてぶてしさ”がありました。
アルテタがいなくなったことで、試合がかなり楽になったのは事実です。
と言うのも、結局エバートンの攻撃で一番怖いのは、キックの精度が高いアルテタのセットプレーとアーリークロスだったので、その飛び道具がなくなってからは、事実上試合は終わりました。
アルテタのレッドは気の毒で、そこまで悪質なものではなかったと思いますが、ベントナーが退場していたことで、主審としてはエバートン側に退場者を出しやすい状況にありましたし、セスクの痛がり方がジャッジに影響していたはずです。
あれは過剰な演技でしょう。 ラテン系の狡賢さが出ました。
ただ、エバートンのファンやフィル・ネビルが、
「痛がるな!」 「わざとだ!」
と文句を言ってきたのは、ちゃんちゃらおかしいです。
フィル・ネビル、お前は後半に全く触れられてもいないのに倒れて、100%のシミュレーションを犯しただろ、と。
前半のケイヒルも同じです。 全く脚がかかっていないのに、痛がって倒れました。
アーセナルの選手が倒れれば、
「外国人はすぐ倒れる。」
と批判するファンやメディアも、フィル・ネビルがダイブをするのは許すのでしょうか?
ダイブを“悪徳”とするイングランドの代表選手が率先してダイブをしているのでは、話になりません。
セスクの件だけ騒がれて批判されているのは非常に不愉快で、それならフィル・ネビルとケイヒルの件も糾弾しろと。
“「あるもの」を大きく見せる”のと、“「ないもの」を「あるように」見せる”のでは、明らかに後者の方が罪が重いと思いますが。
アデバイヨールは良かったです。
ゴールを決めてくれただけでなく、時間帯を考えた上での求められているプレーをしっかりとこなしてくれました。
ジャギエルカとヨボとのマッチアップの相性が良かったのか、楔のボールも良く収まっていました。 毎回ああいったプレーを披露してほしいですね。
最近は、乱闘の際の良いなだめ役としても活躍しています(笑)
チェルシー戦ではジョン・テリーを、今回はトゥレを抑え、また乱闘とは違いますが、アストンビラ戦ではゴール後にユニフォームを脱ごうとしたフラミニの腕を制止しました。
あれは隠れたファインプレーです。 もし止めていなかったら、フラミニはこの試合に出ていません。
フレブは、やはり、アウェイのフィジカルなゲームと重馬場なピッチでは真価を発揮できていません。
そろそろ疲れもピークの頃でしょう。 今回はロシツキーを休ませたので、次はフレブがお休みの番かもしれませんね。
次節は、マンチェスター・ユナイテッド相手に金星を挙げ、アーセナルの首位返り咲きを助けたウェストハムとホームで戦います。 ウォルコットやエブーエが復帰予定ですが、ファン・ペルシーはまだのようです。
相手は勢いに乗っているでしょうから、足元をすくわれないように注意しないといけません。
昨季は、シュート総数「25対5」で「0-1」で敗れてしまいました。
年末年始の過密日程も、これで一息つくことができます。
6日のFAカップ3回戦は、下部のバーンリーとの対戦なので、ホイトやらセンデロスらを使って主力を休ませることができますし、個人的にもそうして欲しいと思います。 その次のカーリングカップ準決勝でも同じでしょう。
今回が、今年最後のエントリーです。
今年も1年間どうもありがとうございました。
来年4月から新社会人となるため、ブログを続けられるか自信がありませんが、できる限り皆さんと意見交換をしながら、アーセナルや日本サッカーを応援して行きたいと思います。
ということで、来年もまたよろしくお願いします!!!
あ、ランキングのクリック方も(笑)