NO FOOTBALL NO LIFE

国内、ヨーロッパ、南米のサッカー観戦ブログ! Jリーグ、3大リーグを中心に全世界を完全網羅!(予定)
随時更新!

エバートン戦 Cool Finish & Plan-B

2007-12-31 | アーセナル

エバートン 1-4 アーセナル


得点)ケイヒル / エドゥアルド2、アデバイヨール、ロシツキー


HOME)エバートン

                      ヤクブ


                      ケイヒル
            ピーナール               アルテタ

                 カーズリー    P・ネビル

         レスコット                      ヒバート
                   ヨボ   ジャギエルカ


                      ハワード


AWAY)アーセナル

                  エドゥアルド
                          ベントナー

            ディアビー                フレブ

                  セスク
                          フラミニ

         クリシー                        サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)エドゥアルド → アデバイヨール
       フレブ → ディアッラ
       セスク → ロシツキー


主審)マーティン・アトキンソン

 

 

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「Arsenal.com」

 

 

「試合を90分フルで観る」のと、「ゴールシーンのハイライトだけを観る」のでは、全く異なった印象を受ける試合でしょう。
「1-4」のスコアですが、試合内容はほとんど反映されていないと思います。

 

前半は、アーセナルが苦戦する“典型的なアウェイ・ゲーム”でした。
中盤で時間とスペースを消され、フィジカルな寄せに押し切られ、ロンドンよりも寒冷なイングランド北部の荒れたピッチに大雨が重なったことで流れるようなパス回しができずに攻撃のリズムを作れず、CKから失点。
45分間を終始押されてしまう、“いつもの展開”でした。


そして、後半にまさかの大逆転を達成するわけですが、決してこの“アウェイ戦の低調なパフォーマンス”が克服と解決を見せたわけではありません。

やはり、試合の流れをこちら側に引き寄せたのは、エドゥアルドの冷静なフィニッシュ。
これまでカーリングカップで、彼の「ストライカー」としての才能とGKとの1対1の局面での巧さをインターネット放送を通じて見てきましたが、ようやく自宅のテレビで見ることができました(笑)

裏への抜け出しのタイミングの良さ、相手を背負いながらのペナルティエリア内での落ち着きはお見事。
そして今日も、試合中に“ゲームを作る段階”でチームに特別貢献したということはありません。
これが、「エドゥアルド・ダ・シウバ」という選手なのでしょう。 これで、2試合連続の2ゴールです。


このエドゥアルドの2ゴールも含め、アデバイヨールのゴールも、実は起点はロングフィードからでした。
エバートンのディビッド・モイーズ監督も、

「あれは“ルート1・アーセナル”で、我々はそれに対応できなかった。
“アーセナル・タイプ”のゴールではない。

「スタッフ全員で彼らのスタイルについて話し合ったが、我々は、普段の彼らとは違ったタイプのゴールにより敗れてしまった。

と語ったように、ある種の新しい一面と強さを見せたと言うこともできます。
相手陣内奥深くでパス回しで崩すことばかりを考えていても、徐々に相手に対応されてしまいますし、逆の意味で攻撃がわかりやすいものになってしまいます。
そういった意味で、エバートンとしては今回のアーセナルの攻撃に意表を突かれたのでしょうし、この「プランB」は今後も有効だと思います。

また後半は、ここ最近の試合と違って、エドゥアルドとベントナーのどちらかが孤立するということもなかったです。
“ロングフィードにベントナーが合わせて、エドゥアルドがそれを拾う”という役割分担ができていました。
やはり、アーセナルにはこの「2トップ」の方が合っていると思います。

 

 

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この試合は、チームの精神的な若さも出てしまいました。
数的不利になった後に、相手のミスを突いて試合を楽にする3点目と、ダメ押しとなる4点目を決めた辺りは試合巧者ぶりを垣間見せましたが、それよりも不必要なカードが多いことが気になります。

ベントナーの2枚目のイエローは一発退場でもおかしくなく、全く意味のないファウルでした。
自分がすでに1枚貰っている状況と、劣勢だった試合の状況を考えれば、あのような行動には出ないはずです。
ヴェンゲルも、本来はベントナーとアデバイヨールを代えるプランだったはずですが、それも崩れてしまいました。

また、アデバイヨールのゴールにより「1-3」と2点差とした後に、エバートンの選手達と小競り合いと乱闘騒ぎを起こすのも余計でした。
エバートンの選手達が勝手に熱くなっているところを付き合う必要はないです。
 乱戦は向こうの得意とするところですから。
『あぁ、こいつら逆転されてかなり焦ってるな。』
ぐらいに余裕に構えないと。
本当に優勝するつもりでいるなら、そういった“ふてぶてしさ”は必要だと思います。


セスクのイエローとフラミニの遅延行為も余計。
特に、フラミニの遅延行為は、もう守備陣形が整っていた時のものですから、ほとんど意味がありません。
ただ、フラミニはリーグ戦通算で4枚を既に受けていたため、あそこで貰えば、今後避けられない運命にある累積出場停止を、翌々試合のFAカップで消化できるので、意図的なものだったのかもしれません。
セスクもフラミニも信じられない才能の持ち主ですが、熱くなりやすいのが治りませんね。


ただ、セスクには別の意味の“ふてぶてしさ”がありました。

アルテタがいなくなったことで、試合がかなり楽になったのは事実です。
と言うのも、結局エバートンの攻撃で一番怖いのは、キックの精度が高いアルテタのセットプレーとアーリークロスだったので、その飛び道具がなくなってからは、事実上試合は終わりました。

アルテタのレッドは気の毒で、そこまで悪質なものではなかったと思いますが、ベントナーが退場していたことで、主審としてはエバートン側に退場者を出しやすい状況にありましたし、セスクの痛がり方がジャッジに影響していたはずです。
あれは過剰な演技でしょう。 ラテン系の狡賢さが出ました。

ただ、エバートンのファンやフィル・ネビルが、
「痛がるな!」 「わざとだ!」
と文句を言ってきたのは、ちゃんちゃらおかしいです。
フィル・ネビル、お前は後半に全く触れられてもいないのに倒れて、100%のシミュレーションを犯しただろ、と。
前半のケイヒルも同じです。 全く脚がかかっていないのに、痛がって倒れました。

アーセナルの選手が倒れれば、
「外国人はすぐ倒れる。」
と批判するファンやメディアも、フィル・ネビルがダイブをするのは許すのでしょうか?
ダイブを“悪徳”とするイングランドの代表選手が率先してダイブをしているのでは、話になりません。
セスクの件だけ騒がれて批判されているのは非常に不愉快で、それならフィル・ネビルとケイヒルの件も糾弾しろと。
“「あるもの」を大きく見せる”のと、“「ないもの」を「あるように」見せる”のでは、明らかに後者の方が罪が重いと思いますが。

 

アデバイヨールは良かったです。
ゴールを決めてくれただけでなく、時間帯を考えた上での求められているプレーをしっかりとこなしてくれました。
ジャギエルカとヨボとのマッチアップの相性が良かったのか、楔のボールも良く収まっていました。 毎回ああいったプレーを披露してほしいですね。
最近は、乱闘の際の良いなだめ役としても活躍しています(笑)
チェルシー戦ではジョン・テリーを、今回はトゥレを抑え、また乱闘とは違いますが、アストンビラ戦ではゴール後にユニフォームを脱ごうとしたフラミニの腕を制止しました。
あれは隠れたファインプレーです。 もし止めていなかったら、フラミニはこの試合に出ていません。

フレブは、やはり、アウェイのフィジカルなゲームと重馬場なピッチでは真価を発揮できていません。
そろそろ疲れもピークの頃でしょう。 今回はロシツキーを休ませたので、次はフレブがお休みの番かもしれませんね。

 

次節は、マンチェスター・ユナイテッド相手に金星を挙げ、アーセナルの首位返り咲きを助けたウェストハムとホームで戦います。 ウォルコットやエブーエが復帰予定ですが、ファン・ペルシーはまだのようです。
相手は勢いに乗っているでしょうから、足元をすくわれないように注意しないといけません。
昨季は、シュート総数「25対5」で「0-1」で敗れてしまいました。

年末年始の過密日程も、これで一息つくことができます。
6日のFAカップ3回戦は、下部のバーンリーとの対戦なので、ホイトやらセンデロスらを使って主力を休ませることができますし、個人的にもそうして欲しいと思います。 その次のカーリングカップ準決勝でも同じでしょう。

 

今回が、今年最後のエントリーです。
今年も1年間どうもありがとうございました。
来年4月から新社会人となるため、ブログを続けられるか自信がありませんが、できる限り皆さんと意見交換をしながら、アーセナルや日本サッカーを応援して行きたいと思います。

ということで、来年もまたよろしくお願いします!!!
あ、ランキングのクリック方も(笑)

 

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ポーツマス戦 1トップシステムの限界

2007-12-29 | アーセナル

ポーツマス 0-0 アーセナル


HOME)ポーツマス

                       カヌー
                               ベンジャニ
            クラニチャル

                 ムンタリ     ディオップ

                     R・ヒューズ

        フレイダルション                  ラウレン
                 ディスタン   キャンベル


                     ジェームズ


AWAY)アーセナル

                 アデバイヨール
                           フレブ

            ロシツキー              エブーエ

                  セスク
                          フラミニ

         クリシー                        サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)エブーエ → ディアビー
     フレブ → ベントナー


主審)スティーブ・ベネット

 

 

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「Arsenal.com」

 

 

終盤にギャラスがGKの目の前で放ったシュートを外したことで、その後終了間際にロシツキーがペナルティエリア内で打ったシュートが枠を外れた時も、
“この試合はスコアレスに落ち着くべきものだったんだ”と妙に納得がいきました。


これで、アウェイではアストンビラ戦以来白星なし。
今季好調と言えど、
今回のフラットン・パーク、引き分けたセント・ジェームズ・パーク(ニューカッスル)、敗戦を喫したリバーサイド(ミドルズブラ)
と、ここ数シーズンのアーセナルが苦手としていた関門を未だに克服できていません。
それでも、現地のファンも専門家も、「アーセナルが勝つ」と容易に予想を下していることに、個人的には違和感を覚えますが。
やはり、アウェイではなかなか結果が望めませんね。

 

内容は、昨季のアーセナルに逆戻りでした。
ポーツマスが予想以上に引いて来たことで“形”は作れましたが、シュートの少なさが問題でした。
そして何よりも、前線の2人からシュートを打つ気配すら感じられないのが気になります。

アーセナルの総シュート数13本の内訳は、
ロシツキー6本、クリシー2本、エブーエ2本、トゥーレ1本、ギャラス1本、サニャ1本。
つまり、最前線のアデバイヨールとフレブの2人はシュートを打っていません。

アデバイヨールもフレブもドリブルでペナルティエリア内に進入こそしますが、その後のプレーが全て後ろ向きで、結局ボール失うだけの結果に終わっています。


また、相手陣内で細かいパスを繋いで崩して行くことはアーセナルの良さであり魅力でありますが、この試合だけを見ると、それが無駄なことに思えてきます。

まず、

アデバイヨールとフレブがペナルティエリア内に
ドリブルで持ち込むも、シュートもクロスもせずに横パス。

攻撃の作り直し。

時間をかけて、最終的にシュートやクロスを選択するも、精度があまりにも低く、
チャンスらしいチャンスにもならずにカウンターをくらう結果に。

これなら、最初の段階でクロスやシュートを選択した方が、例え攻撃が上手く行かなかったとしても、無駄に攻撃に時間と人数をかけていない分、カウンターへの対処は楽になったかと。

ここ最近のアーセナルを見ると、“ゴールのためのパス”ではなく“パスのためのパス”になってしまっていると思います。
途中からベントナーが入って、彼がゴールを意識したプレーに集中していたことで、決定機と言えるシーンが増えていたことが象徴的でした。

 

各方面で称賛と脚光を浴びている今季のアーセナルのサッカーですが、実は昨季と特別変わったわけではありません。
むしろ、好調の要因は、
          「ゴール前でのプレーがシンプルになったこと」
といったマクロよりもミクロ的な変化によるものであり、これは、セスク、フレブ、ロシツキーら中盤の選手が序盤戦にシュートをよく打っていったことからわかるように、個々人の意識の変化によりもたらされた側面が強いのです。

つまり、逆に考えれば、この意識を常に持ち続けていないと、昨季のような
「魅力的ながら非効率的なサッカー」
に陥り、結果が出なくなるのは簡単
なのかと、この試合を観て思いました。

 

 

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そろそろ、この1トップのシステムも限界なのかもしれません。
と言うのも、このシステムは1トップのアデバイヨールへの依存度が大きすぎるから。

以前の記事でも書きましたが、現在のアーセナルのこのシステムでは、
まずアデバイヨールがパスを受け、後方から走り込んで来るサイドやセンターの選手に叩くことでようやく攻撃のエンジンがかかるわけで、この最初の段階のアデバイヨールのプレーが雑だと、そこで攻撃が終わってしまい、チームは必然的に劣勢を強いられることになります。
つまり、攻撃全体のリズムがアデバイヨールの調子次第となってしまい、ご存知のように調子の波が大きい彼に依存すれば、不安定なパフォーマンスを強いられるのも当然です。

それでも、そのアデバイヨールの不確定要素をフレブやセスクのサポートにより埋めることができていた1ヶ月前は、なんとか機能を見せることができましたが、チーム全体の調子が悪い今では、このシステムを続ける限り、解決の方法は見えません。

 

先にアデバイヨールとフレブについて触れましたが、セスクもまだまだ良くなりません。
ここ2試合よりは運動量は戻ってきていますが、ボールに絡む回数が少なく、ミスパスも多いです。 まだ未成熟さを見せた2年程前のように、難しいパスを狙って失敗していることが多いのも気になります。
怪我から復帰後は、11月までの調子の良さが影を潜めています。


トゥーレは、この日もチームのリズムを乱していました。
この日は守備は悪くなかったのですが、攻撃参加が中途半端。
以前は、上がれば必ずフィニッシュに近い形まで絡んで戻ることができていたのですが、ここ最近はそれができていないですし、上がるタイミングが非常に悪い。
また、前線に入れるロングフィードが目の前にいる相手にブロックされてカウンターをくらう契機となったり、ドリブルのボールが足元から離れてカットされて同じくカウンターをくらう契機となるといった危ないシーンが何度も見られました。
アルムニアがベンジャニにかわされて“あわや失点”のシーンも、カバーに入っていたのはギャラスとクリシーで、トゥレは中途半端に上がって行って、その裏を突かれてしまいました。


アルムニアは引き続き良かったです。
キャッチが安定しています。 
1本だけキックミスがありましたが、それも珍しいと思える程。 レーマンが犯すような“考えられないミス”というのが無いのが良いですね。


この試合は、なんとかして勝ち点3をもぎ取ろうとする気持ちが伝わってくるのが、
ロシツキー、ベントナー、フラミニ、クリシー、ギャラスぐらいからしか感じられなかったのが残念です。 疲れの影響からかモチベーションまで落ちている気がします。
クリシーには、本当にお疲れ様と言いたいです。 終盤のオーバーラップは見事でした。 タフな選手に成長しましたね。

 

次節は、エバートンとアウェイで。
これまた苦手で、2シーズン連敗中の「グディソン・パーク」です。
ファン・ペルシーの復帰はまだのようで、一体、彼が完全な状態で復帰できるのはいつになるでしょうか…
アデバイヨールには疲れも見えるので、ここは休ませた方が良いかと思います。 ただ、代わりはベントナー1人でもエドゥアルド1人でもなく、彼ら“2人”です。
彼ら2人が「2トップ」としてプレーが出来れば、レギュラー陣ともそれ程遜色ないプレーを披露できると思います。

ユナイテッドに首位を明け渡してしまいましたが、このまま2位の状態が続いても、勝ち点を離されないように食いついて行ければ十分かと思います。

 

 

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エル・クラシコ 広がった2強の差

2007-12-26 | リーガ・エスパニョーラ

遅ればせながら、「エル・クラシコ」について少しだけ。

 

バルセロナ 0-1 レアル・マドリード


得点)バチスタ


HOME)バルセロナ

                      エトー
            ロナウジョーニョ
                               イニエスタ

                  デコ        シャビ

                      Y・トゥーレ

        アビダル                         プジョル
                G・ミリート    マルケス


                    V・ヴァルデス

 

AWAY)レアル・マドリード

                 ファン・ニステルローイ

          ロビーニョ
                     ラウル
             バチスタ
                              スナイデル
                   M・ディアッラ

       エインセ                    セルヒオ・ラモス
               カンナバーロ     ペペ


                   カシージャス


主審)メフト・ゴンザレス

 

 

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両チームの現在の状況が、そのまま結果となって表れた試合でした。
“チーム全体で”戦っているレアルと、“個人個人で”戦っているバルサ
“チーム”が“個人”に勝つのは当然のことでしょう。


レアルは“アウェイの戦い”に徹していました。
中盤の高い位置でボールを奪ってからの手数をかけないカウンターが上手く機能していたと思います。

対して、バルサは、ロナウジーニョに代表されるように、攻撃に手数をかけすぎました。
ロナウジーニョは本当に周りと合っていないですね。
 ドリブルで仕掛けてボールを失う回数が多すぎます。
後半、シャビからボージャンへ交代するシーンでスタジアムから起きたブーイングは、
『代えるのは、シャビじゃなくてロナウジーニョだろ!』
という、ライカールト采配に対するファンの厳しい批判だったのでしょう。
デコ
にしても、運動量が少なく、存在感は薄かったです。


それでも、バルサの攻撃は迫力十分に映りました。 
メッシーがいないハンデはあったにせよ、選手間でのパス交換で相手ディフェンスを崩すシーンはなかったにせよ、あれだけの技術と突破力を持つ選手が集まれば、相手側にとっては脅威でしょう。
相手がレアルでなければゴールできていたというシーンは幾つも見られました。

メガクラブ故に、ちょっとした悪い波が立っただけで大袈裟にされますが、言われているほど深刻な状態ではないと思います。

今回は、主審のメフト・ゴンザレスの笛がかなりレアル寄りに傾いていたと思うので、そういった不運もあって、チーム全体の歯車が徐々に崩れていったのかと。

もう、あの主審はダメですよ。
全く何の問題もないゴールを、理由無く一方的にゴールと認めない人ですから(苦笑)
第一、笛の吹き方や選手に対する注意の仕方が非常に高圧的。 こういう、「審判は神様だ」といった高野連的な思考を持つ審判は大嫌いです。
主審としてのクオリティーが低くても、ロブ・スタイルズのように選手と笑顔で接している審判の方がまだ好感が持てます。

 

それにしても、バチスタはあんなゴールが決められる選手でしたっけ???
アーセナル時代は、“ゴール前どフリー”の状況で大きく枠を外していた男なんですが…
まぁ、全く使えなかった助っ人の話は置いといて、ここ最近のレアルは、カペッロ時代の良い部分を残しながら、チーム全体が進化している気がしますね。
個人的には、レアルは、「3点取られたら、4点取る」というサッカーの方がレアルらしいかなとは思いますが。
今回のような試合ができるなら、「CL優勝候補の筆頭」と言っても、決して過大評価ではないでしょう。

また、この日のカンナバーロとペペの出来は素晴らしかったです。
カンバーロはともかく、ペペは立ち上がりはかなり不安でしたが、時間の経過とともに良くなっていきました。

 

それとバルセロナですが、やはり、「バルサのセンターFW」はアンリよりエトーの方が合っていると思いました。
まず何よりシュートへの意識が高いですし、彼の前線からのチェイスが後方を助けています。 この2つがアンリとの最大の違いです。
アンリは怪我上がりでベンチ入りのみとなりましたが、1点ビハインドの状況で、ドス・サントスやボージャンが出て行く光景は、本人にとっては穏やかな状況ではないはず。

ただ、相手CBにとって“怖さ”を与えるのはアンリだと思いますが、チームの流れに上手く入っているのは、確実に若い2人の方だと思います。
アンリにとっては、今は我慢の時かもしれません。

 

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トッテナム戦 ダービーは何より「結果」

2007-12-24 | アーセナル

アーセナル 2-1 トッテナム


得点)アデバイヨール、ベントナー / ベルバトフ


HOME)アーセナル

                 アデバイヨール
                           フレブ

           ロシツキー                エブーエ

                  セスク
                          フラミニ

        クリシー                          サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)エブーエ → ベントナー
     フレブ → ジウベルト・シウバ


AWAY)トッテナム

                ベルバトフ
                      ロビー・キーン

          マルブランク                 レノン

                       K・ボアテング
                 オハラ        

       イ・ヨンピョ                       タイニオ
                 カブール   シンボンダ


                    ロビンソン


主審)ロブ・スタイルズ

 

 

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予想以上に苦しい試合でした。
9月に行われたアウェイ・ゲームよりもむしろ厳しい試合だったかと。


ミッドウィークのカーリングカップを休んだはずのアーセナルのレギュラー・メンバーから何故かいつもの体のキレが感じられず、それ以上にトッテナムの進歩にも驚かされました。

ここ数シーズンの対戦の中で、最も“地獄に一番近い位置”へと突き落とされた展開だったわけですが、最後は、
「ローカル・ライバル」のトッテナムに1999年以来負けていないという相性の良さや歴史の差、内容が悪くても結果を出せる今季のアーセナルの強みと、今季これまでのお互いの成績の差がそのまま象徴されるような結果になりました。


ベルバトフのスーパーゴールで同点にされた後に喫したPKにより、
「互いに忌み嫌い合うノースロンドンのライバルにホームで敗戦」
という最悪のシナリオが頭を過ぎりましたが、ロビー・キーンのキックをGKアルムニアがセーブして試合の流れを変えると、エブーエに代わって入ったベントナーが、ファーストプレーとなったCKでファーストタッチでのゴール。

私は、PKでの失点を防いだことを
「運があった。」
と言うことに違和感を感じる方ですが、アルムニアのPKセーブからベントナーのゴールまでの一連の流れだけを切り取ると、運や勢いも味方にしたのかなと思います。
しかし、同じ今節でエバートンと対戦したユナイテッドも、運に助けられたことは明らかでしたし、
「優勝争いに絡む」とは、案外そういうことなのかもしれないと最近は感じるようになりました。

 

 

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アーセナルは、序盤は相手陣内で自由にボール回すことに成功するも、トッテナムがディフェンスラインを深い位置に設定したことで、“支配すれどもシュートまで漕ぎ着けない”という時間帯が長く続きました。
その後トッテナムが徐々に攻めて来ると、今度は逆に得意のカウンターを仕掛けるようになりましたが、既に織り込み済みだったのか、これもトッテナムにしっかりと対処されてしまいました。


守備では、相手のキープレーヤーであるベルバトフをフリーにしてしまうという問題がありました。
トッテナムの攻撃は、
まずベルバトフに当てて、そこからベルバトフがドリブルで仕掛けたり、視野の広さとパスセンスを生かして左右に(特に右のレノンに)叩いてワイドに展開したりと、まさにベルバトフから全てが始まるわけですが、
しかし、アーセナル側から見て中央左サイド気味に位置していたベルバトフに対し、
クリシーは右のレノンに気を取られ、フラミニは前掛かりになって後ろに戻るのが遅れ、ギャラスは対人よりも全体の位置関係を気にしすぎていたため、
ロングボールがベルバトフに入った時に、ギャラスとクリシーとフラミニの中で誰がマークに行くのかがはっきりせず、そのまま相手にポゼッションを許してしまいました。
このように、前半は総じて良くなかったのです。

 

後半に入って、前半終盤からトッテナムに傾いた流れを引き戻し、開始早々にロシツキーとセスクの個人技から最後は「スパーズ・キラー」のアデバイヨールが決めて先制点。
前半は何もできていなかったアデバイヨールとセスクが仕事をしました。

しかし、先制後はまたしてもペースを落としてしまい、トッテナムに付け入る隙を与える結果となり、前述の“地獄”を見る羽目となったのです。
ベントナーの勝ち越しゴール後も、ほとんどボール落ち着かせることができず、ホームでありながら最後は守り切らざるを得ない展開になったことも非常に残念でした。

 

トッテナムは、何と言っても、ベルバトフが凄かったです。
あのトラップの巧さはベルカンプ並。 彼の1つ1つのプレーの丁寧さはアデバイヨールが是非見習ってほしいところ。
レノンも戻ってきたことで、攻撃のオプションが増えました。
やはり、ベルバトフとレノンのコンディションが整った彼らは強いです。

現地のトッテナムファンは、
「ベストメンバーとは程遠い陣容だったのに、ベストメンバーのアーセナルを苦しめた! 次は勝てる!」
と、またお決まりの妄想を披露していましたが(笑)、
ボアテングとオハラのコンビがジーナスとゾコラのコンビより劣っているとは思えません。
彼らはCBドーソンの欠場も嘆いていたようですが、アーセナルの縦横を広く使うサッカーには、鈍足のドーソンよりもシンボンダの方が上手く対処できると思いますし、実際もそうでした。
また、彼らは、ベルバトフのゴールとキーンのPKの他に、キーンがシュートをクロスバーに当てたシーンを引き合いに出して、
「もっとゴールを取れたはず!」
と考えているようですが、
ベルバトフのゴールは、そのキーンのシュートミスからのスローインから生まれたものだったので、片方が生まれれば、片方は存在し得ないものでした。

 

アーセナルでは、トゥレが心配です。
これでPK献上は3試合で2本目。 いくら何でも不注意でしょう。
もう十分に相手との距離を詰めている状態だったので、あそこで無闇にタックルに行く必要はなかったかと。
ロングボールを後ろに逸らしてしまう悪い癖もまた見られましたし、ここ最近は不安なシーンが多いです。
“本能”でプレーしている故の荒さが目に付きます。

 

「ボクシング・デー」の対戦相手は、今節はリバプールに良い所なく敗れたポーツマスとアウェイで。

ポーツマスは、ベンジャニ、ムンタリ、カヌ、ウタカ、ディオップらアフリカ系選手の出来不出来に頼る部分が大きく、それが好不調の波が大きい原因かと思いますが、アウェイでのアストンビラ戦でのムンタリのスーパーロングシュート2本のように、何か変な爆発をされないように祈ることも重要になりそうです(笑)

年末年始の過密スケジュールを、何とか乗り切りたいところです。

 

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ブラックバーン戦 控え組が見せた意地と質

2007-12-22 | アーセナル

ブラックバーン 2-3 アーセナル
      (延長)0-1


得点)サンタクルス2 / ディアビー、エドゥアルド2


HOME)ブラックバーン

                 サンタ・クルス
                         ダービシャー

           ペデルセン               ベントリー

                            D・ダン
                 サヴェージ

        ウォーノック                      エマートン
                  サンバ     ネルセン


                     フリーデル


AWAY)アーセナル

                         ベンドナー
                 エドゥアルド

           ディアビー               ランドール

                 デニウソン
                         ディアッラ

        トラオレ                         ホイト
                 センデロス    ソング


                   ファビアンスキー


交代)ランドール → バラザイト
    バラザイト → メリダ
   エドゥアルド → ギブス


主審)マイク・ライリー

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

平均年齢20歳のアーセナルが、ほぼベストメンバーのブラックバーンにアウェイで勝利!!!
これは“快挙”と言っていいでしょう。
しかし、その“快挙”を達成するまでの過程は非常に苦しいものでした。

 

アーセナルのスタメンは予想通り。
ウォルコットは、当日に風邪(インフルエンザ)を引いてチームに同行せず。
代わりに右サイドにはランドールが入りました。 ランドールはトップチームの公式戦では初のスタメン。


試合は、ブラックバーンの(アーセナルが苦手とする)中盤でスペースと時間を与えないフィジカルなサッカーに、技術で対抗するアーセナルがどこまで自分達のサッカーができるかが焦点でしたが、前半はそのミッションをクリアしました。

デニウソン、ディアビー、ランドール、ベントナーの間で面白いようにパスが回り、トラオレの攻撃参加も手伝って、ブラックバーンが激しいプレッシャーをかけてくる前にワンツーでそれを上手くかわすことができていました。

また、ここ最近のブラックバーンはシーズン序盤と違って結果が出ておらず、先週末もウィガン相手に5失点を喫したことで守備に自信をなくしているように見えました。

そして、開始わずか6分に、ランドールがダイレクトでベントナーに叩き、そのベンドナーが上げたクロスをディアビーが合わせて先制。
29分には、デニウソンのスルーパスがエドゥアルドに渡り、これを受けたエドゥアルドがGKとの1対1を落ち着いて決めて追加点。

普段はアーセナルに辛口のブラックバーン監督マーク・ヒューズも、
「前半30分の彼らはベストだった。 信じられない才能を持っている。」
と、舌を巻くパフォーマンスでした。


しかし、その後もアーセナルが試合を支配しますが、前半残り4分のところで、実際はオフサイドが絡んだ不運なゴールにより失点すると、ブラックバーンの選手達を蘇らせてしまいました。


後半は、その前半終了間際の勢いのままにブラックバーンが開始から猛攻をしかけ、59分には、元アーセナルのベントリーのFKからサンタクルスが決めて同点。
そう簡単には勝たせてもらえず、若いチームに試練が待ち受けていたのです。

ただ、ここから、ひょっとして今までは守りに入って逃げ切ろうとしたのでは?と勘違いするほどにアーセナルが見事な巻き返しを見せました。
それと同時に、同点に追い付こうとハードワークをしていたブラックバーンが少し息切れ。

しかし、アーセナルが決定機を欠き、延長に入ろうとしていた後半ロスタイムに、デニウソンがダンへの両足タックルにより一発レッドを受けて退場。
相手の激しい当たりにキレてしまったデニウソン。 若さの悪い側面が出ました。


数的不利による疲労のため、PK戦をも視野に入れた厳しい延長30分間が予想されましたが、ここで活躍を見せたのが、後半終盤からCBとは思えないほどの攻め上がりを見せていたソング。
後方からドリブルでするするっと上がって来ると、裏へ抜け出したエドゥアルドにスルーパスを送り、これをエドゥアルドが先制点と同じ形でGKとの1対1を冷静に決めて、再び勝ち越し。

このリードを、GKファビアンスキーを中心に守り切って、準決勝進出を決めました。

 

 

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もちろん、今季初めての延長戦。 両チーム共に最後は脚を攣る選手が多く出るなど、厳しい消耗戦でした。
後半に同点に追い付かれながらも、1人少ない延長戦で巻き返した選手達の頑張りには感動を覚えました。


エドゥアルドはこれでカーリングカップ4得点目。
前々から感じていたことですが、GKとの1対1は本当に上手いです。決して慌てることはありません。
ただ、この試合の印象は本当にそのゴールシーンぐらいしかなく、他のオールラウンドなアーセナルのFW陣と違って、90分間の内に何回かペナルティエリアで勝負できればいい、という“古典的なセンターFW”であることを再確認した試合でした。
彼のクロアチアリーグでのゴール動画を見ても、やはりそう思います。


ディアビーは中盤でのキープレーヤーでした。
復帰戦のステアウア戦に続きこの日もゴール。 ここまで良いと、レギュラーレベルの試合でどう入って行けるかも見てみたいと思います。 左サイドのポジションが板についてきました。

ランドールもデビュー戦にしては上出来です。
本職はセンターの選手なので、中に入ってプレーすることが多かったのですが、ボールロストも少なく、前半は普通にチームにも試合にも馴染んでいるようでした。
後半ちょっと落ちてしまった部分が、今後の課題でしょう。
そのランドールに代わって入ったバラザイトは、着地で手を着いた際に肩を脱臼する不運により負傷退場。
そのバラザイトに代わって入ったメリダは、ドリブルとテクニックの高さを見せました。 彼ももう少し長く見てみたい選手です。


センデロスは今季のベストゲームでしょう。
まだ信頼を置けるというほどではありませんが、いつも犯す決定的なミスというのはありませんでした。 毎度これぐらいの試合ができればいいですね。

ソングは「守備」は良くなかったです。
サンタクルスの失点はソングがマークを放してしまったことが原因。 他にも危なっかしい場面がいくつも見受けられました。
ただ、終盤からは「攻撃」で名誉挽回。 お前は闘莉王かルシオかというほど上がって行き、それが両チーム共に疲労で運動量が少なくなった終盤では攻撃の良いアクセントになっていました。 失点分を取り返そうという責任感は感じられました。
彼の攻撃センスを見ると、やはりポジションが違うのかなと思います。

ファビアンスキーは、セットプレーの際の守備範囲をもう少し広げれば、ほぼパーフェクトです。
ハイボールのキャッチングにもセービングにも安定感がありましたし、サンタクルスとの1対1を止めたシーンはお見事でした。
ここまでのカーリングカップ3試合でも周囲を安心させる活躍を見せていますし、今回の中でレギュラーに一番近いのはディアビーとファビアンスキーかと思います。


ホイトの、
同点にされた直後に見せた、強引なドリブルから獲得したスローインの際にチームを叱咤激励する姿、
勝利後は真っ先にアウェイ席に陣取るアーセナルファンのところへ駆け寄って、胸を叩いて両手で雄叫びを上げる姿には、彼が他の選手とは何か違うものを背負っているような気がしました。
やはり、カーリングカップのキャプテンは彼に任せるべきだと思います。
今季はほとんど出場機会のないホイトが移籍を考えずにチームに貢献しようとしているのは、彼が地元育ちのアーセナルファンだから。
彼は本当に良く耐えていますし、ヴェンゲルはその彼の辛抱を無視してはいけません。 チームの成績よりもまず自分ありきのレーマンやディアッラとは違うのです。
この日のホイトのプレーを見て、地元出身の選手の重要性を再認識させられた気がします。
ランドールやギブスなど、リザーブチームにそういった選手達が育ってきているのは嬉しいことです。

 

準決勝の相手は、ノースロンドンの憎きライバル、トッテナムに決まりました。
個人的には、同じ“ベストメンバーで戦わない同士”ということでリバプールと対戦したかったんですが。
エバートンやチェルシーやトッテナムらは普通にベストメンバーで臨んできますからね。
まぁそれが普通であり、アーセナルとリバプールとユナイテッド(3回戦でホームでコベントリーに敗れましたが)の方が異常なのかもしれませんが、じゃあ一体チェルシーの若手リザーブ選手はいつどこで使われる機会があるんだ?という、素直な疑問はあります。

 

週末は、そのカーリングカップ準決勝で対戦するトッテナムとの「ノースロンドン・ダービー」です。
ここ最近は懸念だった守備が改善されて好調のようですが、問題なく勝利を収めたいところです。
トッテナムのラモス監督は、
「うちの選手達はカーリングカップを戦ったが、向こう(アーセナル)はレギュラーを出さなかったのだから、チームを比べるには公平な状況ではない。」
と、負けた時の予防線ともこちらへのプレッシャーとも取れる発言をしていましたが、だったらそれは簡単、
「カーリングカップに控え組を出せ。」
と。
ただそれだけのことです。 どうしたらこういったおかしなことを言えるのか不思議です。

 

そして、CL決勝トーナメントの抽選会が行われ、アーセナルは昨季覇者のACミランと対戦することが決まりました。
第一希望はポルトでしたが(笑)、バルセロナやインテルよりは戦いやすそうな気がします。 怪我人なく、コンディションが整えば勝てるかと。
ただ、「ACミラン」というクラブは、昨季のマンチェスター・ユナイテッドとの準決勝でもそうだったように、ここぞの舞台で特別な力を発揮するクラブなので、そうなった時が怖いですね。
今がどん底な状態でしょうから、逆にこれ以上悪くなることもなく、今後コンディションは上向きになってくると思います。

 

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カーリングカップ準々決勝 強豪対決

2007-12-21 | プレミアシップ・FA杯

チェルシー 2-0 リバプール


得点)ランパード、シェフチェンコ


HOME)チェルシー

                    シェフチェンコ

           カルー                   シンクレア

                 ランパード
                           エシァン

                       ミケル

       ブリッジ                          ベレッチ
                カルバーリョ   ベンハイム


                       チェフ

AWAY)リバプール

                      クラウチ

            バベル                  ヴォロニン

                 シャビ・アロンソ
                            ルーカス
                      シソッコ

        アウレリオ                       アルベロア
                  キャラガー    ホッブス


                      イタンジェ


主審)マイク・ライリー

 

 

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「BBC SPORT」

 

 

カーリングカップ準々決勝。
チェルシーのホーム、スタンフォード・ブリッジで行われたチェルシー対リバプール戦。

試合は、チェルシーが後半に挙げたランパードとシェフチェンコのゴールにより勝利し、エバートンとの準決勝に進みました。

 

“ほぼベストメンバーで戦った”チェルシーに対し、“ほぼ控え組で戦ったリバプール”。
前半はほぼ互角の戦いでした。

リバプールは、前線ではバベルとヴォロニンが、中盤ではルーカスとシャビ・アロンソが良く動いていて、素早い攻撃からチャンスをより多く作っていました。

しかし、後半に、ランパードのシュートがキャラガーに当たってコースが変わったボールがネットに吸い込まれるラッキーな形でチェルシーが先制すると、直後にクラウチがミケルへ極めて危険なタックルを行って一発退場。

流れは完全にチェルシーへと傾き、最後はシェフチェンコが「ビッグ4」相手には初めてとなるゴールを挙げて、危なげなく試合を終えました。

 

やはり、先制点とクラウチの退場が試合を変えました。
拮抗したゲームにおいて、ホームチームがどんな形であれ先制すれば、アウェイチームにとっては難しい試合となります。
チェルシー戦のアーセナルのゴールを、
「ラッキーだっただけ。」
と主張するテリーの目には、果たして今回のゴールはどのように映ったのでしょうか? こういうのは実力だったり(笑)
リバプールGKイタンジェは、それまで好セーブを見せていただけに残念でした。 良いGKですね。

リバプールは数的不利に陥った後は、トーレスやジェラードのような、試合を変えられる選手の不在が響きました。
シャビ・アロンソはまだまだ怪我上がりとあって、フル出場は難しい状況。
前線で一番良い動きを見せていて、この日のリバプールのベストプレーヤーとも言われたバベルを下げたベニテスの采配に、現地のメディアとファンの批判は集中しているようです。


チェルシーはやはりホームでは強いなといった感じですし、守備に安定感がありました。
ただ、復帰したカルバーリョが決して良い出来だったというわけではなく、カルバーリョ程の選手でも怪我からの復帰戦は難しいことが見えました。

後は、エシァンの復帰も大きかったでしょう。
苦しい時にドリブルで強引に運んでくれる彼の運動量は、チームを大きく助けます。

唯一の“Unknown”と言えるスコット・シンクレアは、昨季終盤から徐々にチャンスを得ている選手ですね。
ウォルコットに似たタイプのウインガーで、この日も鋭いキレを感じさせるドリブルを見せました。
彼をイングランドU―21代表に呼んでも面白いと思います。

 

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チェルシー戦 「Grand Slam Sunday」 Part2

2007-12-19 | アーセナル

アーセナル 1-0 チェルシー


得点)ギャラス


HOME)アーセナル

                 アデバイヨール
                           フレブ

           ロシツキー                エブーエ

                  セスク
                          フラミニ

        クリシー                          サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)   エブーエ → ファン・ペルシー
        フレブ → ジウベルト・シウバ
  アデバイヨール → ベントナー


AWAY)チェルシー

                    シェフチェンコ

           J・コール             ライトフィリップス

                 ランパード
                           ミケル

                      マケレレ

       A・コール                        フェレイラ
                  テリー    アレックス


                       チェフ


交代)     テリー → ベンハイム
       マケレレ → ピサロ
  ライトフィリップス → カルー


主審)アラン・ワイリー

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

観終わった後の疲れは、今季一番の試合でした。

「1点を守り切った試合」とも、
「1点しか取れなかった試合」とも言えますが、皆さんはどちらの意見をお持ちになったでしょうか?
ちなみに私は、後者側の意見です。


再三に渡って相手の守備を切り崩した後半に決め切れず、相手にうまく守られた前半に、それも世界トップクラスのGKチェフのキャッチミスによるゴールを決めたというのだから、サッカーとはわからないものです。

アーセナルにとって、CKからのヘディングでのゴールはおそらく今季初でしょう。
「CKからのヘディング」という形は、本来はチェルシーが十八番とするところであり、アーセナルにとっては失点パターンです。

前半の、アーセナルが“ポゼッション”、チェルシーが“カウンター”を狙うという構図は予想通りで、両チームの選手達が熱くなったのも予想通りでした。

 

試合を分けたポイントは、2つあると思います。
1つは、テリーの負傷退場によるベンハイムの投入。
もう1つは、エブーエの負傷退場によるファン・ペルシーの投入です。

テリーが負傷してCBの位置にベンハイムが入ったことで、チェルシーのディフェンスが非常に不安定になりました。
PSV時代は1人でアーセナルを追い詰めた感のあるアレックスも、どこか不安げ。
 2人のボールへの寄せは甘く、アーセナルは精神的にも楽に戦うことができました。

テリーは、アーセナル戦でいつも怪我を負っているのでかわいそうな気もしますが、今回は、その前にセスクに対して同じく怪我をする危険性の高い両足タックルに行きましたし、後半にはそのテリーに怪我をさせたエブーエにジョー・コールがタックルに行ってエブーエに怪我をさせたので、同情の余地はありません。
どちらも今後数週間の離脱。 “おあいこ”でしょう。

 

そのテリーの負傷がチェルシーにとってマイナスに働いたことは明らかでしたが、皮肉にも、エブーエの負傷はアーセナルにとって逆にプラスに働きました。
と言うのも、後半立ち上がりのアーセナルのサッカーに問題があったから。

前半終了間際に先制したことで気持ちの余裕ができ、同点に追い付きたいチェルシーが前掛かりになって後方にスペースができ始めたことで、後半立ち上がりは相手陣内の奥深くで比較的自由にボールを回せるようになりました。
ペナルティエリア内で“2連続ワンツー”をするなど、自分達のテクニックを相手に見せびらかすかの如く気持ちよくサッカーをしていたのですが、得てして、こういう時はアーセナルにとっての良くないサイン。

案の定、相手陣内で余裕を持って回すものの、パスばかりでシュートがなく、逆にチェルシーにボールを奪われてカウンターで攻められるという嫌な流れになりました。
リードをしている状況で相手陣内でボールを回しているとあって、それなりの満足感を得て、迫り来るカウンターのリスクに無頓着になるという極めて危険な状態。
不摂生を続ける大人が潜在的に持つ成人病の可能性のようなものです。 “気付いていないこと”が非常に危険なのです。

確かに、2点目を決めればそこで全てが終わる試合でしたが、チェルシーのようなチームに一瞬でも油断や隙を見せれば、当然反撃の時間はやってきます。
それに加えて、件のエブーエがパスミスを繰り返していたことで、徐々に徐々にとチェルシーの時間帯へと移って行きました。

しかし、そのエブーエに代わってファン・ペルシーが入ったことで、ファン・ペルシーが後半のアーセナルの攻撃に唯一足りなかった“シュートへの意識”をもたらし、ファン・ペルシーに釣られるように周りの選手も積極的にシュートを打つようになりました。
これが、否応にもチェルシーの選手達に“後ろへの意識”を再び持たせる結果となり、アーセナルがその後守備に追われる時間を少なくすることができました。

 

 

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セスク、フレブ、フラミニが揃って復帰したことは驚きでした。
やはり、彼らがいるのといないのではサッカーの“質”が違いますし、今回はここ数試合と比べて、その“質”に格段の向上が見られました。

中盤におけるパス回しはもちろんのこと、(現地も「most flowing」と称賛した)フリーのファン・ペルシーが右足シュートを枠外に飛ばしたシーンに、その違いが最も顕著に見られました。
左サイドでジョー・コールからボールを奪って、
ロシツキー → アデバイヨール → フレブ → ファン・ペルシー、
と渡ったのですが、あの場面で見えたフリーランニングの質と量が、今のアーセナルのサッカーの肝です。
彼らは、チーム内で最も高い技術を持つ選手達であると同時に、最も運動量が豊富な選手達でもあるのです。
また、見逃せないのは、同じシーンで左SBのクリシーも全力でオーバーラップしているということ。
やはり、彼らが持てば、「ボールを簡単には失わないだろう」という信頼感が生まれますから、ここ数試合見られなかったクリシーの積極果敢なオーバーラップが頻繁に見られた訳で、その辺りも全体の攻撃が上手く行っていた要因の1つであると思います。

ただ、3人ともコンディションは普段に比べれば低調だったと思いますし、特にセスクは、彼にしては珍しいぐらいにパスミスが多く、状況判断の遅れもしばしば目に付きました。
これから徐々に取り戻してくれることを期待します。


この試合は、アルムニアの活躍が目立ちました。
前半はちょっと危なっかしいシーンもありましたが、後半のライトフィリップスへのプレッシャーや、ミケルとシェフチェンコのシュートに対するセーブはお見事。

対して、相手GKチェフのミスには驚きました。
現地のチェルシーファンも、あのミスにかなりお怒りのようで、「あのミスがなかったら…」と嘆いているようですが、後半は逆に“チェフじゃなかったら”もっとゴールを入れられていたことを気付くべきでしょう。

 

アシュリー・コールにも触れておきますか。
試合前から、
ファンがアシュリーへ激しいブーイングを浴びせることで、スタジアム全体が戦闘ムードになり、それが選手達に伝わって“喧嘩試合”になってしまうことを心配していたのですが、実際そうなってしまった部分は否定できません。
繰り返しますが、喧嘩試合になったら、弱いのはアーセナルの方です。

もう個人的には既に終わったことと考えていて、
逆に、ギャラスがアーセナルでハッピーでいてくれて、クリシーというアシュリーをも超える逸材が開花してくれたので、それでいいと思うのですが。
また、アシュリーも、「アーセナルのアシュリー・コール」よりスケールダウンしていることは本人以外のほとんどの人が認めている事実ですし。
アシュリーもアシュリーで本人がチェルシーでハッピーなんでしょうから、それでいいと思います。

ただ、これは良くないだろうと。

「審判の報告がなければ、映像や写真を通じて確かめる。」
というFAのコメントもさすがですね。
どうしようもないクオリティーの審判には寛容だけれど、選手と監督にはやたらと厳しく、絶対服従を求めるのです。

 

 

マンチェスター・ユナイテッドがリバプールに勝ったため、勝ち点差は「1」のまま。
ユナイテッドも今は、「アーセナルに喰らいつこう」という気持ちでプレーしているかもしれませんが、それはアーセナルにとっても同じで、決して「ポイント差を離そう」と思う余裕はなく、「何とかしてユナイテッドに喰らいつこう」というのが精一杯なところです。
やはり、ユナイテッドの安定感は抜群ですし、アーセナルファンの私でさえ、優勝候補の「本命」はまだまだユナイテッドだと思っています。

と言っても、まだまだチェルシー、リバプールとの争いも今後も続くでしょう。
今回の勝利で、現地では、「今季は、アーセナルかユナイテッドか」と言われ始めているようですが、もちろんそんな訳はなく、特にチェルシーは今後どんどんと巻き返して来ると思います。

リバプールも同じですね。 未消化分を勝てば、首位との差は「勝ち点7」。
ただ、「ビッグ4」同士の対戦が一巡を終えましたが、リバプールは3試合共ホームのアンフィールドでの試合だったので、少しハンデがあるかもしれません。

各チーム3試合を終えて、その成績を出せば、
1位 ユナイテッド 勝ち点7(H1A2)

2位 アーセナル  勝ち点5(H2A1)

3位 リバプール  勝ち点2 (H3)

4位 チェルシー  勝ち点1 (A3)

「直接対決も他の試合も勝ち点は同じ」と言えど、ここまではその差が順位に表れている気がします。

 

火曜深夜には、「カーリングカップ準々決勝」のブラックバーン戦があります。
アーセナルはもちろん、いつもの「カーリングカップ・メンバー」で。
そして、ただでさえ苦手のブラックバーンとアウェイで、おまけにMFサヴェージは、
「クラブにとって、今季これまでで最も重要な試合だ。」
と、気合い入りまくりとあって(笑)、非常に難しい試合になるでしょう。
個人的には、敗戦も覚悟しています。 また、“いつもの展開”になると思うので。

水曜日には、同じカーリングカップで、チェルシー対リバプール戦も行われるので、マッチレポートはそれも合わせてのものになるかもしれません。
あ~寝不足(苦笑)

 

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「Grand Slam Sunday」 Typical English Game

2007-12-17 | プレミアシップ・FA杯

リバプールのホーム「アンフィールド」で行われたリバプールマンチェスター・ユナイテッドの試合は、アウェイのユナイテッドがテベスのゴールで「1-0」の勝利を収めました。


この試合の後に行われたアーセナル対チェルシー戦を含め、プレミアの「ビッグ4」が同日に直接対決するとあって、現地では「Grand Slam Sunday」と呼ばれて、ここ1週間の大きな話題となっていましたが、
試合前に解説者のマーク・ローレンソン(「ウイニングイレブン2008」の英語版の解説者。 ちなみに、この試合の実況を担当したジョン・チャンピオンも、同じく「ウイニングイレブン2008」の英語版の実況)が、

「なぜファンがこの試合がエキサイティングになると期待するかわからない。 この2チームの対戦は必ずつまらないものになる。」

と予想していた通りの試合となりました。

両チームの中盤がコンパクト且つ非常にタイトになっていて、
ボールを受けるスペースとボールを持つ時間がない。

スペースと時間がないから、強く速めのパスを送る。

強く速めのパスを送るから、トラップが大きくなって、相手にカットされる

というシーンの繰り返し。

“ハイレベルの凡戦”とは、まさにこのことを言うのでしょう。


試合を通して思ったのは、やはりユナイテッドは勝負強いなということ。
例えば、同じ「アンフィールドでのリバプール戦」を取っても、アーセナルの方が良いサッカーをしてチャンスも多く作りましたが、アーセナルが引き分け止まりだったのに対し、ユナイテッドは盤石な守りを見せ、ワンチャンスを活かして、しっかりと勝利。
また面白いのは、ユナイテッドは、チェルシー戦、アーセナル戦、今回のリバプール戦と、全て前半ロスタイム付近の時間帯で先制していることです。
ビッグゲームでこの理想的な時間帯に先制することは非常に抜け目がないですし、その後の展開を非常に楽に進めることができますね。

とある携帯サッカーサイトのコラム(執筆者はリバプールファン)では、
「後半は圧倒的にリバプールが攻めていた。 ユナイテッドには全くチャンスを作らせなかった。」
と書いてありましたが、全くそうは思いませんでした。 “プロ”なら中立的に書いてほしいですね。
終始ユナイテッドの“ゲームプラン通り”に進んでいたように見えましたし、何より、リバプールはほとんど決定機を作れませんでした。

それにしても、リバプールの攻撃の工夫の無さは心配。
後半はイングランド下位チームの如くロングボール一辺倒の攻撃でした。
 アンフィールドの大歓声と相まって、それなりに迫力はありましたが、ユナイテッドやチェルシー相手にこれは通じないだろうと。 得点の匂いは感じませんでした。
あ、アーセナル相手には非常に有効ですよ(苦笑)

 

もう1つの「Grand Slam Sunday」、アーセナル対チェルシー戦の記事は明日にでも。

書くべきポイントが多すぎます(笑)

 

リバプール対マンU戦の詳細は、blogランキングへ!!!
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ステアウア戦 レギュラーとの差は大きい

2007-12-16 | アーセナル

アーセナル 2-1 ステアウア・ブカレスト


得点)ディアビー、ベントナー / ザハリア


HOME)アーセナル

                 ベンドナー
                       ファン・ペルシー

           ディアビー              ウォルコット

                 デニウソン
                          ソング

        トラオレ                        サニャ
                センデロス   ギャラス


                     レーマン

交代)ファン・ペルシー → エドゥアルド
       ディアビー → エブーエ
          サニャ → ディアッラ


主審)バスカコフ(ロシア)

 

 

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「Arsenal.com」


「uefa.com」(日本語)

 

 

週末のチェルシー戦に向けて“景気付け”の快勝、と行きたかったところですが、残念ながらそうは行きませんでした。

前半は余裕の展開で2点のリードを得ましたが、後半はむしろステアウアの方が押し気味に進める、予想以上に苦戦した試合でした。


スタメンは、「カーリングカップ・メンバー」とも「ベスト・メンバー」とも言えない陣容。
ギャラスやサニャらレギュラー陣と、ソングやトラオレやファースト・チームからは縁遠い選手が混合した形となりました。


前半は、何と言ってもファン・ペルシーとディアビーの復帰、そして彼らのプレーに尽きます。

アーセナルファン待望のファン・ペルシーは、前線で“違い”を作り出しました。
高い位置での効果的なボールキープに、意外性のあるスルーパス、得意の左足に持ち替えてのシュートも健在。 ここ数試合ゴールの匂いを感じることができなかったセットプレーも、キッカーがファン・ペルシーならば可能性を感じれます。
まだまだ試運転ということで運動量は少なかったですが、2ヵ月ぶりの復帰試合としては十分な出来でした。

ディアビーの復帰も大きかったです。
彼の悪い時は、テクニックに溺れてボールを持ち過ぎて失敗することが多いのですが、ホームゲームのこの日はそれが上手く出ました。 ここ数試合、創造性を欠いていた中盤が、ディアビーの存在により改善が見えました。
先制点は彼の長いリーチが生きた結果。 その他にも、チャンスというチャンスにはほとんど彼が絡んでいました。


しかし、後半途中にファン・ペルシーとディアビーが「お疲れ様交代」をすると、前線での起点を失ったことで試合の流れが悪化。
終盤は、良い意味で吹っ切れたステアウアにあわやのシーンを多く作られる、目を覆いたくなる展開となってしまいました。
勝利を収めたものの、何人かの選手、「カーリングカップ・メンバー」の限界を感じてしまう切ない試合でもありました。

 

 

センデロスはこの日もダメ。 一体いつまで“成長”に期待すればいいのか。
まるでデビュー戦かのようなドタバタ感は終始抜けず、スピード不足は改善の余地がないだけに深刻です。 ロングボールの目測を見誤る失態を何度も。
失点も、彼の反応が遅れて相手を離してしまったことが原因。

長らく批判されている、アーセナルにイングランド人選手が少ないことの問題。
私自身もこの状況を変えてほしいと願っている1人ですが、しかし、ファン・ペルシー、ロシツキー、フレブ、セスクの代わりが務まるイングランド人選手はいません。
アーセナルの現在のサッカーを維持したいのなら、彼ら外国人選手の技術に頼らなければならないのが現状です。 彼らと同じだけの技術を持つ選手は、イングランドには1人としていないのです。
しかし、センデロスより有能なCB、ソングより有能な守備的MFなら、イングランドにもいくらでもいます。
外国人に頼る部分とそうでない部分を分けるべきでしょう。 どのスポーツにおいても、「外国人選手」とは常にチームに“プラス”の作用をもたらす存在であるべきであり、センデロスはその役割を果たしていません。

 

攻撃では潜在能力の高さを感じさせるトラオレも、現時点ではまだまだトップレベルの試合では使うのが怖いという印象です。
何より守備が壊滅的。
 セビージャ戦は、相手がヘスス・ナバスやダニエル・アウベスだっただけにしょうがない部分がありましたが、もっと根本的な問題のようです。
どうも、彼はCBかと勘違いするほどに中に絞り過ぎる癖があり、相手がパスを出す際に完全なボールウォッチャーとなってサイドの選手をほとんどケアできていない課題が見られます。
ホームであれば“ボロ”は目立ちませんが、アウェイではもっと厳しくなるでしょう。 あの守備レベルは、SBとしては致命的です。


次第点の出来を見せたのは、ベントナーとデニウソンとウォルコット。
ベントナーはCLでは結果も内容も出ているので、そろそろリーグで得点が欲しいところですね。
ウォルコットのスピード突破は十分。 スラヴィアやステアウアクラスの相手にホームでは実力を発揮できることが証明されました。 後は、アウェイでの安定性とシュート精度の向上です。

 

いよいよ、今日深夜は大一番チェルシー戦ですね。
フラミニ、フレブ、セスクが揃って復帰出来る可能性もあるとのことですが、果たしてどうなるか。
ファン・ペルシーが、スタートで出て来るかサブでの出場となるかも注目です。

 

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“健闘”からの脱皮を

2007-12-14 | チャンピオンズリーグ・UEFA杯

浦和はよく頑張りました。

リーグ戦全日程を終え、怪我人の続出によりベストメンバーが組めないなど満身創痍の浦和が、
ガッリアーニ副会長らクラブ首脳陣が、
「今季の最大の目標はクラブW杯のタイトル。」
と公言するなど、この大会に照準を合わせてきたACミランに対し、一歩も引かない戦いを見せました。

“地力”の差は感じたものの、決して守備一辺倒に終わることなく、カウンターや相手のミスを突いて、得点を決めてもおかしくはない程のチャンスを数多く作りました。
疑いなく、「Jリーグチャンピオン」が「ヨーロッパチャンピオン」を苦した試合でした。


試合内容は世界を驚かすに十分に値した。
だからこそ、健闘を見せたからこそ、「結果」が欲しかったと思います。

人々の記憶に残るのは「結果」のみ
いずれ、浦和ファン以外の人々が、
「浦和がACミランを苦しめた事実」を忘れ、「浦和がACミランに0-1で敗れた事実」のみを記憶するのです。

内容が伴っていたからこそ、
「結果」、そして、日本代表が世界のトップクラスの国と対戦した時に使われる“健闘”という言葉からの脱皮を見せてほしかった。

 

その日の夜、スカパーで契約しているイギリスBBCのスポーツニュースを観ました。
そこで報じられたのは、

『ヨーロッパチャンピオンのACミランが、セードルフのゴールにより日本の浦和レッド・ダイヤモンズを下しました。』

やはり、“世界を驚かす”には「結果」が必要だと思いました。

 

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ミドルズブラ戦 またしてもの“ベスト・パフォーマンス”

2007-12-12 | アーセナル

ミドルズブラ 2-1 アーセナル


得点)ダウニング(PK)、トゥンカイ / ロシツキー


HOME)ミドルズブラ

                 アリアディエール
                          トゥンカイ

          ダウニング                 G・オニール

                ロッシェンバック
                          ボアテング

       ポガテヅ                          ヤング
                 ウィーター   ウッドゲート


                     ターンバル


AWAY)アーセナル

                 アデバイヨール
                         エドゥアルド

           ロシツキー                エブーエ

                 ディアッラ
                       ジウベルト・シウバ   

        クリシー                          サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)エドゥアルド → ベントナー
     ディアッラ → デニウソン
      エブーエ → ウォルコット


主審)ハワード・ウェブ

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

アーセナル戦のミドルズブラの出来は、
「今季のベスト・パフォーマンス」
だったそうです。

これで、相手のベスト・パフォーマンスは、
ウィガン、ニューカッスル、ミドルズブラと、リーグ戦4試合で3試合目。
なぜアーセナルは、こうも相手からベスト・パフォーマンスを引き出してしまうのでしょうか?
どうやら、その原因は自分達にあるようです。

 

長かった「アウェイ4連戦」を終えましたが、セビージャ戦とアストンビラ戦の前半以外は、まるで同じ試合のVTRを見ているかのようでした。

現地コメンタリーが
「Allardyce's letter」
と表現していたように、ニューカッスルのサム・アラダイスが採った「アーセナル対策」が、全てのチームへのヒントとなったようで、今回もそれが非常に機能してしまいました。


いつかの過去の記事でも書きましたが、「アーセナル対策」として最も有効な方法は、
とにかく前線から積極的にボールを追って、中盤の選手に時間とスペースを与えないこと。
今季は、各選手のフィジカル面の向上と、セスク・フラミニ・フレブらの才能の開花によってより中盤の支配力が増したことで、アウェイで相手が強いプレッシャーをかけてきた時でも、それをパス回しでかわすか、またはフィジカルに耐えられるだけの準備ができていましたが、
ディアッラとジウベルト・シウバの2センターという創造性を欠いた中盤では、それができず、相手のハードワークの影響をモロに受けて、前を向かせてもらえずに展開が乏しくなり、イージーミスが増えて、結果劣勢に陥ります。
アーセナルはカウンターが非常に上手いチームですが、決して「リアクション・サッカー」のチームではないので、自分達がアクションを起こす回数と時間が減れば減るほど、チーム全体のリズムは失っていきます。


今のアーセナルの中で、「抜けられては困る選手」をランキングにすれば、
セスク、フレブ、ファン・ペルシー、ギャラス、フラミニ、ロシツキー、…
という順に個人的にはなると思うのですが、その上位5人の内4人が離脱しています。

ファン・ペルシーがいなくても、リバプール戦やホームのスラヴィア戦やレディング戦のように、人もボールも良く動く流動的な「アーセナルのサッカー」が出来ます。
また、セスクがいなくても、アストンビラ戦の前半のようなパフォーマンスが披露出来ます。
フレブがいなくても、それは同じです。
しかし、彼ら全員が抜けてしまうと話は別。 誰か1人でもいれば変わると思いますが、全員がいないのでは厳しいのが現状です。

それでも、カーリングカップのニューカッスル戦では、中盤から前線が今回以下のメンバーでも質の高いサッカーを披露できていたので、やはり疲労が影響していたでしょうし、本来ならば彼らでももう少しできると思います。
週2回のノース・イースト、それも4連続アウェイでは、コンディション調整がほぼ不可能だったことでしょう。
ただ、これにはヴェンゲルにも責任があり、機能しないメンバーとシステムを変えずに続けてしまったことに、疲労と停滞の原因があります。


また、ここ最近感じることですが、相手チームの監督や選手のコメントを聞いていると、何か、
「首位のアーセナル」 「無敗のアーセナル」
というラベルが、相手のモチベーションを大きく上げている要因になっているとも感じます。
各メディアでも“invincible”、“unbeaten”という無敗優勝を決めた「2003-2004シーズン」に流行した言葉が再三聞かれましたし、それが「アーセナルにとってのプレッシャー」、「対戦相手にとってのモチベーション」に変わり、今回は上の疲労などの影響もあって、相手から“ベスト・パフォーマンス”を引き出してしまう結果となりました。

 

 

 

この試合で改めて感じたのは、アフリカ系選手の適当さ。 何より、“感覚”でプレーしている選手が多いということです
アデバイヨールに代表されるように、彼らは動物的勘といった類の瞬間的な判断に基づいてプレーしているため、常人では想像もつかないプレーを時折見せるものの、安定性や丁寧さという部分が大きく欠落しています。


アデバイヨールは、この日もポストプレーが雑でした。
ニューカッスル戦の記事でも書きましたが、楔のボールをワンタッチで落とすプレーの精度が低く、それが全体の攻撃に支障をきたしています。
また、アストンビラ戦、ニューカッスル戦、今回のミドルズブラ戦と、アデバイヨールが右のエブーエにサイドチェンジのロングパスを送っているのですが、これが全て通りません。 これも、“感覚”から本能的に「この辺に蹴っている」だけであって、受け手のスピードやボールの回転を全く考えていないから起こるミスです。
シュートも本当に適当。
 ロナウジーニョじゃないのですから、下手に難しいコースを狙っても枠を外すだけです。 トゥンカイのゴールを見習って、シンプルに右足インステップで強く蹴る方がベターでしょう。
前線でボールキープできずに攻撃が手詰まりになり、その苦しい状況でも守備をすることもない姿は、まるで昨季のアンリを見ているかのようでした。


“感覚”という点ではエブーエも同じ。
彼は、もはやドリブルで倒れてもファウルを貰えないことを理解するべきです。 中途半端に倒れるから、セビージャ戦のように本当にタックルを受けて倒れても笛を吹いて貰えなくなるのです。
彼の場合、“実際にファウルを受けているのだけれど、我慢して、それでも立っていられなくなって”初めて笛を吹いて貰えるぐらいでしょう。


先制点のPKはトゥーレのミスによるものです。
アリアディエールにスピードで負けるわけないですし、角度を考えれば、ただ付いて行ってシュートコースを防ぐだけで十分でした。
後述しますが、アリアディエールがあの位置からゴールを決められないことや、ろくにシュートも打たないことは、何年間も毎日練習を共にしてきて分かり切っていたはず。
彼は古巣相手に活躍を見せましたが、シュートはほとんど打っていないですし、そういう選手なのです。 決して焦ることはありませんでした。
あそこで、“自分のフィジカルに頼った”タックルに出るのは間違い。 トゥーレには読みやクレバーなディフェンスを覚えてもらわないと。
また、トゥーレのロングボールもアデバイヨールやエブーエと同じで非常に“感覚的”。 考えなしにロングボールを入れても、ポゼッションを失うだけです。


この日のディアッラは、守ることもできなければ、攻めることもできませんでした。
現地のアーセナルファンの間では、交代して入ったデニウソンも批判されているようですが、個人的には、中盤のパスの組み立ての部分やシンプルにプレーしていたという点で、ディアッラよりはずっと良かったと思います。

ジウベルト・シウバは無駄なファウルが多すぎます。 昨季までは綺麗にボールを奪うことができていましたが、最近は不恰好なタックルにいって危険な位置でのFKを与えてしまうことが多いです。
攻撃面での貢献は皆無ですし、ディアッラとジウベルトの2センターはこれが限界でしょう。


エドゥアルドも厳しいです。 今後も、こういった「プレミア下位チームとのアウェイゲーム」では通用しないかもしれません。
ボールを持ってからの判断が遅く、すぐに囲まれてしまいます。 クロアチアリーグとは違うのですから、頭の切り替え、プレースピードを常に意識しないと。

ヴェンゲルは、彼にこの日のトゥンカイような役割を期待しているのだと思います。 前線からボールを追って動き回り、ドリブルでボールをキープして周りの動きを引き出し、ラストパスとフィニッシュ。
エドゥアルドよりも、トゥンカイの方がよりプレミア馴染んでいてより優れたFWだと思いました。

 

 

 

 

<役立たずは役立たず>
アーセナル時代に数え切れない程のチャンスを外し、マイナスのインパクトしか残さなかったアリアディエールが活躍を見せたことが納得いきません。 恩を仇で報いたとはこのことでしょう(笑)

正直、アリアディエールなんて「オウンゴール・ハットトリック」でもしてもまだ足りないぐらいの、チームの負債でしたが。

おまけに、この日は2度の露骨な時間稼ぎ。 脚を攣ったフリを2度も。
さすがにヴェンゲルも呆れ顔でしたが、こんな選手を長くクラブに留めていたヴェンゲルにも責任があります。
シガン、アリアディエールらが長くクラブに在籍していたことからもわかるように、「フランス人選手」というだけでプラス査定を与えていた気がしてなりません。


そして、マンチェスター・ユナイテッド戦で「1-1」の状況の中、ゴールを“プレゼント”し、イングランド代表では恩師マクラーレンの期待を裏切り続けたダウニングもこの日は活躍。

“役立たず”とは、得てしてこういうものです。

きっと、ジュリオ・バチスタもこの類の選手だと思いますよ(笑)
CL決勝トーナメントでレアルと対戦した時は気を付けましょう。
アーセナル在籍時に4回中4回外したPKを決められでもしたら、もはやそれはコメディですね。

 

水曜深夜には、CLステアウア戦があります。 久々にホームで戦えます。

週末にチェルシー戦を控えるために選手を休ませたいところですが、今がほとんど「ローテーション・メンバー」なのでどうなることか。
とりあえず、アデバイヨール、ロシツキー、クリシー、ギャラス、トゥーレ辺りは休ませましょう。
また、最新情報によると、GKレーマンが8月のブラックバーン戦以来の先発を飾るとのこと。 彼のパフォーマンスにも是非注目してみましょう。

 

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ファン・ペルシー&フレブ動画

2007-12-11 | アーセナル

あ~、ちょっと忙しいんで、リーグ戦初黒星を喫したボロ戦のマッチレポートは、明日かあさってになりそうです。。。

 

グッドニュースは、今週末にファン・ペルシー復帰の可能性があるということ。

やはり待ち遠しいですね~。
ということで今回は、復帰が待たれるファン・ペルシーとフレブの動画をご紹介。

 

・ ファン・ペルシー動画①


・ ファン・ペルシー動画②


・ フレブ動画

 

また彼らのプレーが見たい! 早く戻ってきてくれ~♪

ということで、ボロ戦の記事は明日にでも。
それまでランキングの方をどうぞよろしくお願いします♪


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J1に留まるべきクラブ、広島

2007-12-09 | Jリーグ

サンフレッチェ広島が、「J1・J2入れ替え戦」で京都サンガFCに敗れて、J2へ降格することが決まりました。

これで、入れ替え戦は、
一昨季の甲府、昨季の神戸、そして今季の京都と、3年連続でJ2のチームが勝利。
やはり、“不本意ながら出場する”入れ替え戦と、“権利を勝ち取って出場する”入れ替え戦では、チームの勢いという面で大きく差が出るということでしょうか。

 

佐藤寿人・ウェズレイというJリーグ屈指の破壊力を持つ2トップを擁しながら、
駒野や森崎兄弟といった日本代表クラスの実力者を軸に置きながら、
柏木、槙野、青山といった日本の将来を担う有望な若手を揃えながら、
下田、戸田、ストヤノフといった経験豊富なベテランが後方でチームを支えながら、
広島はJ2に降格します。


今年は、
佐藤寿人、駒野らはほぼ常時日本代表に招集され、
柏木、青山らはU-22代表として活躍してオリンピック出場を決め、
槙野、平繁らはU-20ワールドカップで日本の躍進に貢献するなど、
個人レベルでは充実の1年だったはず。

それが、直接チームの充実に繋がらないというのが、サッカーの難しいところです。
駒野や柏木は代表の連戦での疲労が相当影響したことでしょうし、青山は最終サウジ戦で骨折する悲運にも見舞われました。


しかし、広島はJ2に落ちてはいけないクラブです。
駒野(現A代表)、森崎和幸・浩司(アテネ五輪代表)、柏木、青山(北京五輪代表)、槙野、平繁(カナダU-20W杯代表)
の他にも、
前田俊介(オランダU-20W杯代表)、森重重人(カナダU-20W杯代表・現大分トリニータ)、高柳一誠、高萩洋次郎、桑田慎一郎ら、全員がユースレベルでの代表経験を持つ選手を、“生え抜き”として育成しているクラブ。

“日本のウェストハム”、“日本のアタランタ”として、常時J1に在籍していてほしいクラブです。

 

気になるのは、駒野や柏木ら現代表選手の去就。
かつて、当時A代表だった三浦淳宏が目前に迫ったドイツW杯を犠牲にしてまで神戸に残って昇格に貢献したように、
「チームに残って責任を果たすこと」も、
W杯予選・オリンピックを控える中、「J1へ新天地を求めてキャリアをステップアップさせること」も、個人的には、どちらもプロとして正しい判断だと思います。

 

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ニューカッスル戦 苦しい戦いは続く

2007-12-07 | アーセナル

ニューカッスル 1-1 アーセナル


得点)テイラー / アデバイヨール


HOME)ニューカッスル

                     A・スミス

           ミルナー               マルティンス

                 バートン    ジェレミ

                      バット

        エンゾグビア                      ベイェ
                 ロゼフナル   テイラー


                      ギブン


AWAY)アーセナル

                 アデバイヨール
                         エドゥアルド

           ロシツキー                エブーエ

                 ディアッラ
                       ジウベルト・シウバ   

        クリシー                          サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)エドゥアルド → ベントナー


主審)マイク・ディーン

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

「CL予備予選」による未消化分の試合。
勝って2位以下との差を広げたかったところですが、引き分けが妥当な結果であり、ジウベルト・シウバの、
「(勝ち点を)2ポイント失ったんじゃない。1ポイント得たんだ。
という試合後のコメントが、試合内容を如実に表していると思います。


開始早々にアデバイヨールのスーパーゴールで先制するも、後半を耐え切れませんでした。
リードした状況で後半に攻め込まれるのは、アストンビラ戦と同じ展開。 どちらも後半からパフォーマンスが極端に落ちているのが気になります。
ただ、攻められてはいましたが、実は決定的なチャンスはほとんど作らせていなかったので、やはりもったいない結果とも言えます。


試合開始時は「2トップ」だったものの、後半からは、相変わらず機能を見せないエドゥアルドの左サイドを置く「1トップ」のシステムに変更しました。
どうも、ここ最近のヴェンゲルは守備的です。 アストンビラ戦を守り切ったことに自信をつけたのかもしれませんが、ああいった運も味方した試合は長くは続きません。
やはり、このチームはアウェイでも攻撃的に行って、ボールポゼッション率を高めて、守備に追われる時間できる限りを少なくしないと。

 

 

 

アデバイヨールは「結果」を残したものの、この日もアストンビラ戦と同様に“「結果」のみ”と言える出来でした。
一番の不満は、楔のボールを受けた後のポストプレーの精度が低いこと。

現在のアーセナルのこの1トップ・システムでは、
まずアデバイヨールがパスを受け、後方から走り込んで来るサイドやセンターの選手に叩くことでようやく攻撃のエンジンがかかるわけで、この最初の段階のアデバイヨールのプレーが雑だと、そこで攻撃が終わってしまい、チームは必然的に劣勢を強いられることになります。
アデバイヨールとロシツキーが速攻のチャンスをふいにした後に口論したシーンでも、あれはアデバイヨールのフリーランニングの質が問題でした。

ただ、徐々に良くはなってきています。
この日のゴールで既に昨季のゴール数を超えました。 開幕前の展望で、アンリの穴を埋めるためには、アデバイヨールやロシツキーやフレブやセスクのゴール数の増加が求められると書き、彼にはシーズン「12点」を求めましたが、それは余裕でクリアしてくれそうです(セスクの「5点」も既にクリア)。
あとは、ファン・ペルシーが復帰してお互いがゴールを量産してくれることを期待しますが、ファン・ペルシーはちょっとこの先も怪我なくいられるかわかりませんね… 復帰まで1ヶ月と言われ、既に2ヶ月が経過しています。


エドゥアルドは、まだ“プレミアシップの戦い”に慣れていない様子です。
CLやヨーロッパでは結果を残していますし、動きも良いのですが、今回のようなフィジカルな展開になると、相手の当たりにもゲームスピードの早さにもついていけていないです。

そろそろ、リーグ戦でベントナーにチャンスを与えてもいいのかと思います。
ヴェンゲルは、
「アデバイヨールとベントナーの同時起用は難しい。」
と考えているようですが、アデバイヨールというのは見た目と違って“典型的なセンターFW”、“典型的なポストプレーヤー”ではないですし、アンリの影響からか、やたらと左サイドに張りたがるので、それなら今のエドゥアルドと同じであり、ベントナーを中央に置いてみるのもいいかと。 相手にとっても、190cm台の選手が前線に2人いるのは脅威でしょう。


サニャは、この日も1対1の守備に苦戦していました。
アストンビラ戦はヤング、今回はミルナーと、ドリブラーへの対応に残念なものがあります。
反対サイドのクリシーが、ミルナーよりももっと厄介なマルティンスやロナウドをほぼ完璧に抑えているだけに、守備の荒さが目に付きます。


この試合のMVPはアルムニアです。
飛び出してボールをキャッチしてほしいところでゴールに縮こまったりするのも、この日はご愛嬌。
キャッチが非常に安定しており、彼の存在が大災害から免れた最大の要因です。

 

ニューカッスルは、ボルトンと同じ「ラグビー・フットボール」の戦法で臨んできました。
90分間ファイトする姿勢は認めますが、バートンやスミスの危険なタックルはもはや“ファイト”ではなく“暴力”です。
また、それを手伝ったのが主審のマイク・ディーン。
大体、何で「アーセナル対アラダイス(ボルトン、ニューカッスル)」の試合になると、いつもコイツが担当なんでしょうか? フィジカルという名の暴力を黙認するこのダメ審判をアラダイスの試合に割り当てるのは、対戦チームにとって不公平です。
ニューカッスルの選手がアーセナルの選手に喧嘩をふっかけてきているのを止めもしないのは、やはり、ホームの熱狂的なファンからブーイングを受けることを恐れたからでしょう。
アーセナル戦に出て来るなとは言いませんが、アラダイスのチームとの試合では出て来るなと言いたいです。

 

現地コメンタリーによると、ニューカッスルの後半の出来は、
「今季のベストパフォーマンス。」
だったそうです。
確か、これはアーセナルと対戦した時のウィガンにも言われていた台詞ですが、本当に勘弁して下さい(苦笑)
と言うよりも、是非他のチェルシーやユナイテッドやリバプール戦でも同じように頑張って下さい。
まぁ、そこまで頑張れないのがこの辺のチームのクオリティーかと思いますが。

 

ニューカッスル戦を引き分けに終えたことで、次節のミドルズブラ戦は「勝ち点3」が必須の試合となりました。
アウェイ3連戦を「勝ち点7」で終えれば上出来と言えますが、「勝ち点4もしくは5」では悲劇と言える、大きな境目です。

ニューカッスル、ミドルズブラと、またしてもノース・イーストへ移動するのは大変ですね。 本当に、この日程はどうなっているんでしょうか…

プレミアシップの中継の際に、唄の枕のように必ず使われる
「今季絶好調のアーセナル」
というフレーズは、ご存知のように既に10月で終焉を迎えています。 ベストパフォーマンスを披露していた時期は疾うの昔です。
なんとか勝ち点の被害を最小限にくいとどめ、怪我人の復帰を待ちたいところです。

 

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アストンビラ戦 基本に戻れ

2007-12-03 | アーセナル

アストンビラ 1-2 アーセナル


得点)ガードナー / フラミニ、アデバイヨール


HOME)アストンビラ

                  カリュー
                       アグボンラホール

            A・ヤング            C・ガードナー

                  バリー
                         S・ペトロフ

        バウマ                         メルベリ
                  ナイト    ラウルセン


                      カーソン

AWAY)アーセナル

                 アデバイヨール
                           フレブ

           ロシツキー                エブーエ

                  フラミニ
                          ディアッラ

        クリシー                          サニャ
                  ギャラス    トゥーレ


                     アルムニア


交代)    フレブ → ウォルコット
     ロシツキー → ジウベルト・シウバ
  アデバイヨール → ベントナー


主審)クリス・フォイ

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

セビージャ戦の記事の最後に、
「怪我人続出のこのチーム状況では、内容は問わないので、是非「結果」を残して欲しい。」
と書きましたが、まさにその通りの試合となりました(笑)
内容は本当に不甲斐なく、
勝ち点を取れたことだけが収穫と言っていい試合でした。


序盤、フラミニのミスパスをきっかけに喫した失点後、逆にアーセナルが得意のパスサッカーからリズムを掴んで比較的容易に逆転することに成功しましたが、問題はこの後にありました。


ダイレクトパスの連鎖で中盤を完全に凌駕し逆転すると、アーセナルは必要以上に落ち着いてしまいました。
まるで試合が決まったかのように、まるで練習かのように、パス回しにボールポゼッションに溺れ、試合を決める3点目を狙うべきところで、自分達のサッカーの“品評会”を開催してしまったのです。

現地コメンタリーが、
「(序盤にアストンビラが先制し、前半の内に同点逆転とするのは)マンチェスター・ユナイテッド戦と同じ展開だ。」
と言っていましたが、アーセナルが前述のように“遊んでいた”のに対し、ユナイテッドは逆転後もそのまま猛攻をかけて3点目狙い、それを達成して試合を決めたことが両チームの違いであります。

格下のチームが格上相手に前半の内にいとも簡単に逆転を許せば、自信を失うもの。
また、「常勝チーム」はその相手が自信を失った隙を突かねばなりません。
その、“本当に強いチームかどうかを計る大事な時間帯”を流し、アストンビラに息を吹き返す余裕を与えてしまいました。

そして、相手陣内奥深くでどれだけボールを回したと言っても、実は、アーセナルがこの日挙げたゴールというのは、
フラミニがPA内で力強く押し込んだものと、単純なクロスからのヘディングのみ。
アウェイでは、もう少しシンプルにシュートやクロスを選択しても良いのかと思います。


守備での課題は、「高さ」です。
「カリュー対トゥーレ」はカリューの圧勝。 トゥーレはまるでセビージャ戦のセンデロスのようにカリューへの対応に不味さを見せ、結局後半最後まで苦しめられました。


試合を分けたポイントは、
・ フラミニが早めに追いついてくれたこと
・ ロシツキーからジウベルト・シウバへの交代
の2つでしょう。
特に後者は、まだ残り時間が多く残っている中での明らかな守備的采配に不安を覚えましたが、ジウベルト・シウバが中盤の低い位置で非常に利いていました。
終始アストンビラが支配していた後半の展開が全体的に落ち着き始め、結果的にヴェンゲルの采配が当たったことになります。
ジウベルト・シウバ個人にとっても、セビージャ戦の汚名返上となるパフォーマンスを見せました。

 

 

選手個々の評価に触れる前に、ちょっと一息
よろしくお願いします!

 

 

この日のアデバイヨールはまるで“一昔前のセンターFW”のようで、得点シーン以外はまるでダメでしたが、FWは「結果」を出せばOKということです。
終盤は疲れ切っていたので、ベントナーの投入はもう少し早くても良かったと思います。
それと、あまり注目されていませんが、フラミニがゴール後に興奮してユニフォームを脱ごうとしたのを、手で必死に押さえてそれを防いだのはナイスプレーでした(笑)
今の状況でフラミニにイエロー累積などで抜けられては困りますからね。 アデバイヨールの隠れた“チームプレー”です。


そのフラミニは、前半のミスパスを取り戻す以上の活躍を見せました。
レディング戦でも貴重なゴールを挙げたように、アウェイで頼りになる選手です。
セスク不在の中、攻撃でも貢献し、ハードワークを惜しまない姿勢を披露しました。

ディアッラは前半は良かったのですが、後半は時間が経つ毎に悪くなって行きました。
足元に自信があるのか、ボールを持ちすぎて失敗するシーンが目立ちます。

クリシーは、相変わらずのクロスの精度以外は完璧で、とても怪我をしていたとは思えない働きぶりでした。 もはや、代えの利かない選手です。

サニャは守備に課題が残りました。
ヤングのドリブルに四苦八苦。 ああいった小刻みなタッチのドリブルへの対応が上手くありません。
しかし、アデバイヨールのヘディングはサニャの絶妙なクロスから。 ここのところ、ユナイテッド戦、ウィガン戦とクロスのアシストを連発しており、精度は本当に高いです
クリシー、エブーエ、ウォルコットらはサニャからクロスを学んでもらいましょう。

 

この試合でフレブまでもが負傷。 疲労といい、怪我人といい、今が一番落ちている時期かもしれませんが、今回のように苦しい試合を勝って行くことが重要です。

次節の相手はニューカッスル。
向こうは現在絶不調ですが、それでもメンバーを見れば非常に怖い相手であり、アーセナル戦を1つのきっかけにしたいと考えているはず。
逆にアーセナルはここで勝って、未消化分を埋めて勝ち点差をさらに広げたいところ。

1つ疑問なのは、アーセナルと同じく「CL予備予選」を戦ったはずのリバプールに試合が組まれていないことです。
何故この最もスケジュールが過密する12月に試合が組み込まれたのか、理解できません。
日程面での不公平感は募ります。

 

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