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トッテナム戦 「新ダービー男」アデバイヨール

2007-09-17 | アーセナル

トッテナム 1-3 アーセナル

得点)ベイル / アデバイヨール2、セスク

HOME)トッテナム

                ベルバトフ
                      ロビー・キーン

          ベイル                マルブランク

               ハドルストーン
                         ジーナス

       イ・ヨンピョ                      シンボンダ
                 カブール   ドーソン


                    ロビンソン


AWAY)アーセナル

               アデバイヨール
                        ファン・ペルシー

          ディアビ ー                 フレブ

                 セスク
                         フラミニ

       クリシー                          サニャ
              ジウベルト・シウバ   トゥーレ


                    アルムニア

交代)  ディアビー → ロシツキー
  ファン・ペルシー → デニウソン
        フレブ → ソング


主審)クラッテンバーグ

 

 

試合の詳細(ランキング)


「Arsenal.com」

 

 

昨季の、同じホワイト・ハート・レインでの「ノースロンドン・ダービー」は、アーセナルが1点をリードしながらロスタイム3分表示の“3分目”でトッテナムに同点とされ、
「2-2」の引き分けに終わりました。
しかし今回は、そのロスタイムで逆に追加点を決めて「1-3」としたところに、チームの成長の跡が見えます。


ただ、内容は、守備に不安定さを見せた決して褒められない出来でした。
戦術的には、チームの高いライン設定が気になります。
セスクの逆転ゴールから何度かピンチを招きましたが、原因はいずれも中盤以下からの簡単なロングボールでディフェンスラインを破られたことによるもの。
リードしている状況で、ラインを下げずにリスクを冒して更に点を取りに行こうとする姿勢は良いのですが、このチームはそのリスクを必要以上に冒しすぎる傾向にあります。
少し心臓に悪いですね。

 

 


個人個人の評価に触れる前に、ちょっと一息(ランキング)
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また、この試合はCBに入ったジウベルトがあまり良くありませんでした。
先制点の場面のきっかけとなったFKも、ジウベルトが我慢しきれずにゴール前で犯したファウルがきっかけでしたし、全体的にボールロストが多すぎました。
元々パスミスの多い選手ですが、この日はサイドチェンジのためのロングレンジのパスがほとんど相手に渡ってしまいました。

やはり、代表でのアメリカ遠征の疲れがあるのでしょう。
“水曜に試合をして、木曜の夜に帰ってきて、金曜1日だけ調整をして、土曜の昼間に試合”
では、コンディション不良も当然です。


代表戦での疲労ということでは、ファン・ペルシーも同じです。
ファン・ペルシーはこの試合はほとんど見せ場がありませんでしたが、これもしょうがないかと。
ネットで、先々週末と先週ミッドウィークに行われたオランダのユーロ予選2試合を観ましたが、彼はどちらもフル出場。
1試合目こそ良かったものの、2試合目は酷く、疲労の影響でこの試合はスタメンから外れるのではと思ったほどです。

彼は8月のフレンドリーマッチでもフル出場しており、CL予備予選もあって、プレミア開幕からずっと「週2試合」のペースが続いています。
今が、疲れの“第1のピーク”かもしれません。
疲労困憊のファン・ペルシーを使うより、フレッシュなカイトを使う方が、「オランダ、ファン・ペルシー、カイト」の3者にとって良策なのは明らかなので、ファン・バステンにはその辺をしっかりと考えてもらいたいところです。

 

他に良くなかったのは、ディアビーアルムニアでした。
ディアビーの前半のシュートミスは致命的。 負けていれば、“戦犯”にされてもおかしくありませんでした。
彼のボールを持ちすぎる癖は、緊迫したアウェイでの試合では怖いです。運動量とスピード不足も気になります。 


アルムニアも良くありませんでした。
試合前、レーマンが、
「これまで、アルムニアは重要な試合では勝っていない。」
と批判していましたが、これは単なる“負け惜しみ”でもありますが、事実でもあります。
レーマンが主張したかったことはこのことなんだろうなというのが分かるように、大事なこのビッグゲームで、飛び出しやパンチングに不安定さを見せました。

しかし、だからと言って、レーマンならビッグゲームは安心とは全く思いません。
セットプレーでの失点は大抵がレーマンの判断ミスによるものですし、アルムニアよりももっと目の当てられないミスを彼は犯していますからね。
他のチームのファンが試合前に、
「頼むからレーマンが出て来てくれ。」
と言っていたのを聞いたこともありますし、やはり今のレーマンは他チームから“狙い目”にされていると思います。
現時点では、まだアルムニアでいいかと。


逆に、休養十分のクリシーフラミニ、代表戦であまり出番のなかったセスクトゥレは良かったです。
特に、この日のクリシーはMVP級の活躍。
後半のゴールライン上での胸クリアには助けられました。
 また、アウェイであそこまで攻め上がりを見せたのはお見事。 非常に頼もしいSBに成長しました。


そして、良かったのか良くなかったのかよくわからないのがアデバイヨール
前線では当たり負けして簡単にボールを奪われ、サニャのクロスからの絶好機を外すなど、相変わらずの粗雑さを見せましたが、最終的には、同点ヘッドとダメ押しスーパーボレーの2得点の大活躍(笑)
2点目はまさに本能で打ったという感じですかね(笑) とりあえず、今季のプレミアシップ全体のベストゴールの1つに数えられるでしょう。

インプレー中は散々な内容のアデバイヨールでしたが、なんとなくゴールを決めてくれそうな予感はしていました。
というのも、それは彼がピレスに代わる新たな“スパーズ・キラー”だから。

昨季の同じ試合でも得点を決めてくれましたし、これで彼のアーセナルキャリアの中で、スパーズ戦はカップ戦を含めて「5試合5ゴール」
ピレスもスパーズ戦では必ずと言っていいほどゴールを決めてファンから愛されていましたし、今度はそれがアデバイヨールになりそうですね。

ブラックバーン戦でファン・ペルシーが「5試合7ゴール」と驚異的な数字を残しているように、“対戦チームとの相性”というのはやはり存在するようです。

 

全体的にはあまり内容の良くなかった試合でしたが、ローカル・ライバル相手、それも敵地では、結果を出せたことが全てです。
それは相手も同様のようで、スパーズファンによる選手評点は、第3者(Skysports)が採点したものに比べて非常に厳しいものになっています。
おそらくは、憎きライバル相手に(結果的に)完敗した選手達への怒りがそうさせたのでしょう。


しかし、試合後、敵将マルティン・ヨルが、

「相手と我々との違いは、フィニッシュの決定力の差だった。
1-0で前半を折り返したが、2点目を取れたはずだった。そうしておけば、試合展開もより優位になっていたはずだった。
1-1とされたところでもまだ我々はゴールができた。2-1とされた後でもまだ我々には決めるべきチャンスがあった。」

と語り、加えて、

「相手はスーパーゴールを決めたが、我々は、ベルバトフのチャンスをトゥレに瀬戸際で阻止され、クリシーにゴールライン際でクリアされた。
このように、近いうちには我々もあのようなゴールを回避することができるようになるだろう。
ダレン・ベントのチャンスは単にタイミングを誤っただけだが、あのような小さなミスの積み重ねこそがフットボール(の結果)を決めるのものだ。」

と、試合を分けた要因が“細部の違い”であったことを強調しました。
これはまさにその通りでありますが、私はその“細部の違い”こそが実は一番“埋められない差”であるとも思います。


アジアカップの日本がそうだったように、昨季のアーセナルが信じられないような決定機の数を外したように、“細部の違い”とはまさに“勝ち点の違い”に直結します。

そして、不思議なことに、その“細部の違い”を埋めようと40億円を叩いてダレン・ベントを獲得したスパーズがそれを埋められずに苦しみ、逆に40億円でアンリを失ったアーセナルが、セスクやロシツキーの決定力の向上によりそれを埋めようとしています。
おそらく、アンリがいては、セスクの今季のこれまでのゴールはなかったでしょう。
やはり、フットボールとは奥が深く、
“ビッグプレーヤーを獲ったからプラス”“ビッグプレーヤーを失ったからマイナス”
という単純なものではありませんね。

 

 


スパーズの評価に触れる前に、ちょっと一息(ランキング)
よろしくお願いします!

 



ただ、
「高額な無駄金を叩いた。」
と、現地メディアから批判されているスパーズへのフォローを行っておくと、私は決してそうは思っていません。

ゴールを決めたベイルは1試合目からチームにフィットしていますし、すでに代表でもクラブでも欠かせない選手となっています。
彼はまだ18歳。 決定力と突破力を兼ね備えた末恐ろしい選手です。

ベントも今はまだ真価を発揮していませんが、継続的な出番を与えさえすれば、必ず結果は出すでしょう。
今季は、「=アンリ」とどこかで見られているという呪縛が、彼を苦しめているような気がします。

また、今、マルティン・ヨルを解任しては過去に逆戻りだとも思います。
彼は、中位以下の“古豪”に成り下がっていたスパーズを2季連続で5位に導いた優秀な監督です。
レノン、キングらの怪我人がベストの状態に戻ってくるまでは我慢でしょう。
「4位以上」を目標にしながら「下から4番目」の順位に甘んじている現在のスパーズですが、最終的には、エバートン、ブラックバーン、ニューカッスル、シティーらと共にUEFAカップ出場権を争う“落ち着くところに落ち着いた”順位まで盛り返していることと思います。

それに、スパーズはイングランドの中では“名門”とされるクラブですが、後任候補として噂されている(スパーズファンの希望?)リッピやカペッロの母国イタリアでは、“その他のチーム”といった程度のネームブランドでしょうし、彼らが監督の仕事を引き受けるとはとても思えません。
ヨルのまま、昨季後半戦のような躍進に期待することがベストだと思います。

 

スパーズがアーセナルに勝てない原因は、上に述べたような“相性”の問題と、“(アーセナルへの)対抗意識が強すぎること”にあると思います。

実は、この2つは重なっています。
スパーズは、アーセナルへの敵対心・ライバル意識が強く、特に今季は、内外の評価から、“対等以上”の面持ちで勝負をしてしまったことが、結果に繋がらない原因なのです。

つまり、80年代の栄華を引きづった、いわゆる“トッテナム・スタイル”は、現在の“アーセナル・スタイル”の廉価版であり、それでいては勝てません。
ライバル意識が強すぎることが原因で、自らの力を相手と“対等”と過信し、(アーセナルが苦しむ傾向にある)ブラックバーンやボルトンのような、ある種の“プライドを捨てた戦い方”ができない。

スパーズがアーセナルに勝つためには、パスサッカーで互角に渡り合おうとするのではなく、自らを“格下”と認識し、スペースを消し、ロングボール中心のフィジカルな戦い方で挑もうとする“気構え”が必要だと思います。

これは、「4強」以外の全てのチームに言えることであり、現在は、その他の「3強」と「スパーズ」を除いた全15チームが、アーセナルに対してはそういった戦い方で勝負を挑んで来ており、昨季のアーセナルはそれに苦戦しました。

 

 

次はCLのセビージャ戦です。
コンディション的に厳しく、強敵相手ですが、ホームなので是非勝ちたいところ。
また、その次がダービー戦ですので、そこでメンバーを少し休ませられるかもしれません。

 

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TOTAL)
2007-09-17 22:52:23
ご無沙汰してます。

ハイライトか見てないので"結果的"にはよかったということになりますよね。ファンからすれば内容より結果が印象に残ってしまうのがサッカーなのかもしれません。逆に"内容は我々が上だ"といくら言おうともそれは負け惜しみに聞こえてしまう。meritocracyとはこういうことなのでしょうか?



クリシーはもうA代表でも十分にやれるくらいに成長したのではないでしょうか。フランスファンとしては歓迎しますがアーセナルにとっては有り難くないような(笑)…あとディアビーはSB起用はあまり納得できるものではなかったです。

ヨル限界説すら囁かれますがここで性急になるべきではないと。大量補強後の消化不良といった感じでしょうか、ひと昔前のインテルやマルセイユを思い出しました…
返信する
Unknown (ミラン大好き)
2007-09-18 16:29:29
再放送で昨日みたんですが、トットナムが決定的場面をたくさん作っていたので、負けたかとおもぃました。。アデバヨールは簡単のをはずして、最後のトラップからのシュートは、化け物かとおもいました(;^_^A アンリとリュンベリがいなくなて、ダメかとおもぃましたが、逆にチームにぃぃ影響を与えてぃるみたぃで、好調を維持してほしぃデス!! ちなみにギャラスがぃなかったのですが、ケガかなんかしてぃるんですか??
返信する
Unknown (ピレス)
2007-09-20 02:48:06
>>TOTALさん
よくアーセナルに負けた監督は「内容は…」と言いますけど、昨季はアーセナルがまさにそれで、結果が出ずに批判を浴びましたんで、もう勝てばこっちのもんじゃい! っていう考えに変わりました(笑)
こういう考えはあんまり良くないですし、個人的にも嫌いなんですけど、アーセナルは昨季も今季も内容が伴わない試合はないんで、別にこれでいいかと。
一度でいいから、シュート1本で勝ちとか見てみたいですね(笑)

よく考えたら、クリシーの前にアビダルとエブラがいるんですよね。これはかなりデカイ壁かと。クリシーは昨年から急成長した選手ですが、この2人はここ数年安定して活躍してますもんね。
それに、エブラはキャラがもろかぶりですし…

今季のスパーズはどうもネタ系のチームになってます。イギリス人が何人いようが、金を出して負けたチームは批判されるということですかね。


>>ミラン大好きさん
そうなんですよね~。アデバは最近どんどん昔のクライファート化してきてるんですよ。
「どうやったら外せるんだ!?」
というチャンスを外して、
「どうやったら決めれるんだ!?」
というシュートを決めちゃうんですよね。

個人的には、イージーなチャンスを確実に決めてくれる選手の方が尊敬するんですが…


ギャラスは2節のブラックバーン戦で怪我をして以来代表でもクラブでも出ていません。
どうやら来週末の試合には帰ってくるようです♪
返信する
Unknown (りぼーる)
2007-09-20 19:11:28
アーセナルとスラヴィアが見事に勝ちましたね。個人的には最高の結果です。

スラヴィアはシュミチェルが欠場でしたが、A代表の若手プディルを獲ってさらに強くなりました。

シュミチェル(元代表)、ヴルチェク、ヴァニアク、プディル(現代表)、ヤンダ、スヒー、シュヴェツ(U-20代表)、あとスロバキア代表の選手と実力派外国人タヴァレス、ベレードらのメンバー見る限り、戦力もスパルタを完全に追い抜いた感はあります。

アーセナル通過は安泰なのでは?スラヴィアがボーダーラインに絡んでくれたら、面白くはなりますよね。まあ厳しいとは思いますが。
返信する
>>りぼーるさん (ピレス)
2007-09-21 06:50:36
おめでとうございます!

アーセナル戦の記事は明日にでも、スラヴィアとステアウアの試合は時間を取って今後見る予定です。

りぼーるさんのおかげで、スラヴィア戦観戦の際の注目ポイントが増えました(笑)ありがとうございます♪
クラブはスパルタよりスラヴィアの方がお好きなのですか?

ロシツキーの怪我のニュースは残念です…
返信する
Unknown (りぼーる)
2007-09-22 18:02:19
ステアウア戦のスラヴィアは、出来はいまいちでした。それ以上に相手に迫力がなさすぎでした。でも相手も東欧。東欧は謎ですから。全然上手くなくてがっかりした選手が突如大活躍したり、謎です(笑)。ハジ監督も謎の辞任。。。

僕はチェコのクラブに関してはどこが、というのはないですがスパルタでは期待された選手がことごとく伸び悩んでますし、今の首脳陣のやり方に好感が持てません。

今年のスラヴィアの熱さは、異例ですが、現在絶好調のベテラン勢もこの先厳しいし、若手は早晩国外でしょうから、このチームでは最初で最後のCLだと思います。アーセナルと違って、今しかないのですよ。

チェコでは、また熱いチームが出てきたら、そこ応援しようと思ってますよ。

そういえば、親チェコ派のモウリーニョが解任ですね。この際アーセナルはチェフでも獲ったらいいんじゃないですか(笑)?
返信する
>>りぼーるさん (ピレス)
2007-09-24 05:13:25
ルーマニアのチームって、たまにホームで凄いことやってのけるイメージがあるんですよね。
まぁ、ハジの辞任はこちらにとって良いことなのか悪いことなのかわかりません(笑) 名選手でしたが、名監督のイメージは元からありませんし。


スラヴィアはそういった感じですか。
それでは、CLのスラヴィアの試合は多くのスカウトが来るんでしょうね。
チェコサッカーに精通されてるりぼーるさんが、
「最初で最後のCL」
とおっしゃられますと、何かスラヴィアに哀愁の思いを抱いてしまいます(笑)

チェコのように、代表がヨーロッパトップレベルなのに、クラブがそうでないというのは、国民にとっては辛いでしょうね。

チェフが来てくれたら大歓迎、契約書にサインした日から即スタメンです(笑)
返信する