ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

あなたは言える…? 兄は精神障害者。恋人に「家族のこと」を聞かれたら

2018年04月26日 11時49分39秒 | 障害者の自立

“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。 初めてできた彼氏に家のことを聞かれた私は、いつもの笑顔が消えて言葉が詰まってしまいました。

彼と過ごす時間は特別

同じバイト先で働く、4つほど歳の離れた定時制に通う彼。大きなバイクで学校まで迎えに来てくれて、そのまま彼の家で過ごしたり、バイト先のお店まで送ってもらったり。自宅からすぐの距離に住んでいたこともあり、私たちは毎日のように会っていました。

彼は、校内の様子は知らないし、私の同級生とも特に接点はない。この距離感が、私にとっては気が楽だったので、普段学校の友人や家庭内では見せることのない、素直に甘えられる “本当の自分” に戻ることができていました。

「家族について教えてよ」

しかし、行く場所といえば常に彼の実家。私の実家は、友だちですらあがったことがありませんでした。兄が家にいるので、むやみに人を連れていって兄が安易に話しかけたりすることがイヤだったからです。

高校生にもなれば、友だちと “お泊まり会” もよくあると思いますが、私の家には1回も呼んだことはありませんし、来て欲しくもありませんでした。とはいえ、1年以上も交際していれば、彼は「なぜ心音は自分を実家に招くことを嫌がるのか」、知りたがるようになったのです。

「俺は実家に呼んでいるし、両親や兄弟にも心音のことを紹介してるのに……」と不満そうな顔を見せては、「まあ、いいけどさ」と半分諦めモード。「お父さんが厳しいから、彼氏がいるのは秘密にしたいんだ〜」と、適当に理由を言っては心の中で「お願い、触れないで」と叫んでいました。

「俺の兄も、精神安定剤飲んでたよ」

けれども、なんで私がそんなに実家がイヤなのか、ふとしたタイミングで言ったことがありました。「実は、私のお兄ちゃんずっと家にいるの」と。詳しくは告げず、「心の病気があって、家にいるんだ」とだけ説明したのです。

彼の反応は、「そうなんだ、もっと早く話してよ〜。そんな気にすることじゃないよ。俺の兄も、前精神安定剤飲んでたし」という言葉。少しだけ安心したと同時に、「でも彼のお兄さんは、ちゃんと働いてるじゃん」。

正直、精神安定剤を飲んでいたり、精神科にカウンセリングを受けたりという人は、表立って言わないだけで、多くいると思います。障害者手帳を持つまでは至らなくても、心のバランスを保つことが難しく、仕事をしながら精神科に通っている人は決して珍しい話ではありません。でも、私の兄は、働くなんて到底無理。会話でさえも成立させるのが難しいのですから。同じように心の病を抱えていても、彼の兄と私の兄では、雲泥の差がある……。彼との認識のズレに心がチクチク痛みました。

……「やっぱり、実家に来ることはやめて欲しいな」という言葉しか出てきませんでした。

通院していた病院先で

その頃、近所の精神科に通院していた兄は、病院で開かれるデイサービスやイベントにも参加していました。病院に通っている患者はもちろん他にもいます。気さくに人とコミュニケーションしたがる人、自分の殻にこもって人とは接したくない人、家族とは話すけど医師には口を閉ざす人。さまざまな人々がいました。

兄は、家から歩いてすぐだったその精神科に、診察やデイサービス以外にも勝手に足を運ぶようになっていきました。そこで、“ある問題”を起こしてしまいます。

心音(ここね) — 2018.4.25


障害ある子に就労学習支援 名古屋で県内初の特化デイサービス

2018年04月26日 11時29分21秒 | 障害者の自立

 知的障害や発達障害がある中高生向けの放課後等デイサービス「みらせんジュニア熱田教室」が今月、名古屋市熱田区でオープンした。企業から受注した内職の就労学習に特化したサービス内容は、県内初の試みという。運営にあたるNPO法人「障がい者みらい創造センター」の竹内亜沙美理事長(34)は「障害がある子どもたちが社会で活躍し、豊かな人生を送る手伝いをしたい」と語る。

 自然光が差し込む明るい教室で、十五歳の利用者が道路標識部品の組み立て作業を終えた。「できました!」。作業の報告、連絡、相談は自発的に行うのがルール。教室のスタッフに検品を受ける表情は誇らしげだ。

 利用時間の大半を占める就労学習では、提携する企業から継続的に受注した部品の組み立てや梱包(こんぽう)、データ入力作業を行う。手順や完成度、納期は発注元の企業が設定し、リアルな労働環境を体感できる。

 現在は障害者雇用を考えている名古屋市内の四社と連携。工賃は受け取らないが、納品した部品は実際に工事現場などで使用される。「どこの道路で使われるかな」と仕事の先を想像し、人の役に立つ喜びを感じることも学習の一環だ。

 三月まで同市立南養護学校で教諭をしていた竹内さんは、以前から卒業生の就労を気に掛けていた。市教委によると市内の特別支援学校(知的障害)普通科の昨年度卒業生百九十二人のうち、一般企業に就職したのは二十八人だけ。障害が軽度の場合、障害者年金は支給されない可能性があり、生計を立てられなければ生活保護を申請することになる。将来の不安について保護者から相談を受けることも多かった。

 「非常に高い作業能力がある。戦力として社会に送り出したい」と竹内さん。二〇一五年から企業向けの講演活動を始め、障害者が活躍する職場づくりの提案や助言を行う中で、企業から「育成に時間がかかる」との声が上がった。

 学校と実社会では、周囲が支援に割ける人手も時間も差がある。変化に適応するには、中高生のうちから自立に向けて準備をして慣れていくことが重要だと感じ、NPOを設立し、「手助けなし」の本格的な作業を体験して学べるデイサービスを開校することにした。教室の備品の多くは竹内さんの考えに賛同する企業から寄贈された。

 現在の利用者は十人。今後は提携先を増やし、教室で力を付けた利用者の就職につなげていく。

 (中村玲菜)

 <放課後等デイサービス>  児童福祉法に基づき、小中高校に就学している障害者を対象に放課後や夏休みなど長期休暇中、生活能力向上のための訓練を継続的に提供する場。県障害福祉課によると、2017年4月時点で県内には769カ所あり、定員総数は7357人。市町村の「受給者証」の発行を受ければ、障害者手帳がなくても利用できる。料金はサービス費の1割負担だが、所得状況に応じた負担上限額が設定されている。

 <みらせんジュニア熱田教室> 知的障害・発達障害がある中高生が対象で、利用時間は平日午前11時半~午後5時半と、土曜・祝日の午前10時~午後4時。日曜定休。定員25人。送迎なし。(問)同教室=052(887)4993

 学校と実社会では、周囲が支援に割ける人手も時間も差がある。変化に適応するには、中高生のうちから自立に向けて準備をして慣れていくことが重要だと感じ、NPOを設立し、「手助けなし」の本格的な作業を体験して学べるデイサービスを開校することにした。教室の備品の多くは竹内さんの考えに賛同する企業から寄贈された。

 現在の利用者は十人。今後は提携先を増やし、教室で力を付けた利用者の就職につなげていく。

 <放課後等デイサービス>  児童福祉法に基づき、小中高校に就学している障害者を対象に放課後や夏休みなど長期休暇中、生活能力向上のための訓練を継続的に提供する場。県障害福祉課によると、2017年4月時点で県内には769カ所あり、定員総数は7357人。市町村の「受給者証」の発行を受ければ、障害者手帳がなくても利用できる。料金はサービス費の1割負担だが、所得状況に応じた負担上限額が設定されている。

 <みらせんジュニア熱田教室> 知的障害・発達障害がある中高生が対象で、利用時間は平日午前11時半~午後5時半と、土曜・祝日の午前10時~午後4時。日曜定休。定員25人。送迎なし。(問)同教室=052(887)4993

2018年4月25日    中日新聞


「障害に配慮」乏しく 「因果関係は調査中」 第三者委が報告書

2018年04月26日 10時47分48秒 | 障害者の自立

 「障害と死因が明確に関連するとは言えない」「プライバシーの保護のため」。難病「骨形成不全症」を抱え障害者枠で採用された県教育委員会の女性(当時42歳)が長時間労働の末職場で倒れ1月に死亡した問題で、死因などを調べてきた第三者委員会の委員たちは24日、報告書公表後の記者会見で、障害の事実を非公表とした理由をそう説明した。障害者雇用促進法に基づく障害者への配慮があったのかについても「そういう観点で調べていない」と一蹴。障害に対する調査の消極性が浮き彫りとなった。

 障害者雇用促進法は雇用主に対し、「障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない」と規定している。第三者委から調査報告書を受け取った池田幸博教育長は、県が女性に対し合理的な配慮をしていたか問われると、「障害者という質問に関しては控えさせていただく」とプライバシーを理由に返答を拒否。「一般的に、個々の(障害の)状況を見ながら通勤・超過勤務への配慮などが必要だと思う」と述べ、「障害の有無にかかわらず、(年)1000時間を超える長時間労働をしてしまったことは(県教委として)反省しなければいけない」とうなだれた。

 県教委では2002年にも、最大月約128時間の残業を強いられた男性職員が自ら命を絶ち、公務災害と認定されていた。遺族らからは「再発防止を求めてきたのに生かされていない」と怒りの声が上がっている。

 池田教育長は「改善してきたつもりだったが、結果的に今回の事件が起こってしまった」と弁解。「また改めて改善案を練り直したい」と述べた。

 平哲也会長(元県弁護士会長)も記者会見で、障害への配慮不足が死を招いた可能性について問われると「(障害者にとって)負荷にならなかったということではない。なんとも答えづらい」と言葉をにごした。第三者委は、報告書はあくまで女性の勤務実態とその背景を明らかにしたもので、「死との因果関係については調査中」だとのスタンスを取っている。

 第三者委は、女性が所属していた高校教育課全体の「業務の絶対量」が多かったとも指摘。労働時間の管理が不十分だったとも指摘した。


「第三者調査委員会」の調査結果(骨子)

・女性の時間外労働は17年11月に142時間、12月に154時間

・休日出勤率は17年11月で80%、12月で81.8%

・くも膜下出血に関連することが明らかな障害、既往症、現在の病気、症状は見当たらなかった

・係の職員はそれぞれ担当業務をこなすことで手いっぱいの状態

・女性より時間外労働の多い職員がいたため女性が目立つ存在でなかった

・パワハラの事実は認められなかったが職場環境からくる重圧を感じていた可能性

・仕事ぶりは堅実、丁寧、きちょうめん。消極的評価は上司からも同僚からも皆無

・女性は県の健康相談で業務量が多いと指摘、異動希望も出し続けていた


おことわり

 県は亡くなった職員が障害者であることを公表していませんが、毎日新聞は、今回のケースを考える上で欠かせない事実であると判断し、個別に遺族の了解を得た上で報道しています。

毎日新聞          2018年4月25日