ボランティア参加へ つくばで養成講座
2019年の全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」で、聴覚障害者に選手を支援するボランティアを担ってもらおうと、県は25日、養成講座を筑波技術大学(つくば市)で始めた。全国初の取り組みで、県はより選手団に寄り添ったサポートができると期待している。
全国障害者スポーツ大会では、「選手団サポートボランティア」が、選手団に同行し、介助、誘導、交流を行う。茨城大会では、県内の学生を中心に800人を目標にボランティアを募る予定で、県は、国内で唯一、視覚、聴覚障害があることを入学の条件にする同大にも協力を呼びかけた。
同大の障害者高等教育研究支援センターの中島幸則准教授は「サポートを受ける側だった学生が、サポートする側になることで、これからに役立つ何かに気づいてほしい」と話す。
県障害者スポーツ大会課の斉藤正光課長補佐も「障害を持つ学生がボランティアに参加することで、選手団と手話で直接会話できるなど、よりスムーズな対応ができる」と期待を寄せる。
この日の講座には、同大産業技術学部の2、3年生約40人が出席。県の大会概要や競技の説明を大学職員が手話で同時通訳した。ボランティアに興味があったという2年生(19)は「普段は他の障害者と関わることがないので、様々な人と接して視野を広げたい」と話した。
選手団サポートボランティア養成の協力校は、同大を含め大学・短大11校、看護・福祉系の専門学校6校の計17校。既に約900人が受講を希望しており、今後、協力校で養成講座が行われる。県によると、19年10月12日に開幕する茨城大会では、ほかにも、運営3500人、手話や筆談を行う情報支援600人の計4900人のボランティアが必要という。