ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者の就労支える場に広がり 本県被災地

2018年04月12日 14時22分13秒 | 障害者の自立

 東日本大震災の本県被災地で、障害者の就労を支える場が広がりを見せている。震災後に商品の受注や品目が拡大した大船渡市のNPO法人さんりく・こすもす(新沼節子理事長)は10日、同市に念願の自社製品直売所をオープン。山田町の建設業佐々総業の佐々克考(かつのり)社長(36)は、町内で障害者の受け皿が少ない状況を受け、就労継続支援B型事業所を開設した。11日で震災発生から7年1カ月。被災を乗り越え、共生社会の実現へ力強い歩みが続く。

 さんりく・こすもすの直売所「ななつ星」は、同市立根町の碁会所に開店。精神障害者らが市内の作業所で手作りした菓子や漬物、パッチワーク作品が並ぶ。

 震災で同法人はグループホームなどが被災。作業所での避難生活を経験した利用者もいる。漁業被害で商品の原料供給が途絶える苦難もあったが、新沼理事長(61)は「震災後に活動の幅が広がった」と語る。

 山田町では、障害者の新たな支え手が生まれた。津波で事業所や機材を失った佐々総業がグループ会社を設立し、同町飯岡に2月、B型事業所「ジョブ・パートナー山田」を開所。就労が困難な障害者に働く場所を提供し、将来的な就労を目指す。利用者は施設に通い、町内産のクルミを使ったキーホルダー、模様を彫ったグラスなどを作る。

 佐々社長が設立に動いたきっかけは、障害がある家族がいる従業員の話。社会の受け皿の少なさを知った。同町のB型事業所はこれまで1カ所。町によると、B型事業所に通う町民約60人のうち約40人は町外に通う。町内に障害者の働く場を創出し、人口減が続く地域の労働力の掘り起こしも狙う。

㊤さんりく・こすもすが開店した自社製品直売所「ななつ星」の前で意気込む施設利用者=10日、大船渡市立根町、㊦作業する利用者に声を掛ける佐々克考社長(右)。障害者が輝く場を創出した

㊤さんりく・こすもすが開店した自社製品直売所「ななつ星」の前で意気込む施設利用者=10日、大船渡市立根町、

㊦作業する利用者に声を掛ける佐々克考社長(右)。障害者が輝く場を創出した

2018/04/11   岩手日報


受講生募る 聴覚障害者へ同時通訳 神戸市と明石市

2018年04月12日 14時18分06秒 | 障害者の自立

 神戸市と明石市は、「要約筆記者」の養成講座の受講生をそれぞれ募集している。

  要約筆記者とは、言わば文字を使った同時通訳のこと。要約筆記者は話し手の発言内容を要約して文字に起こし、聴覚障害者(中途失聴者、難聴者)に内容を伝える。

 両市の講座はともに、市内在住・在勤・在学の18歳以上が募集対象。全日程への8割以上の出席率と、受講後の要約筆記者活動が応募条件になっている。講座の日程などは次の通り。

 <神戸市>6月6日~来年1月23日の毎週水曜日(一部を除く)、神戸市灘区岸地通1の県立聴覚障害者情報センターで開催。計11回の「手書き・パソコン共通講義」(午前10時~午後3時)と、計20回の「実技」(手書きコース=午前10時~正午、パソコンコース=午後1~3時)がある。実技は2コース連続受講可。要ノートパソコン持参。受講無料だがテキスト代3600円と資料代など1600円が必要。定員30人。応募締め切りは5月18日(必着)。問い合わせは委託先の市身体障害者団体連合会(078・341・8644)へ。

 <明石市>今月27日~12月14日の毎週金曜日(一部を除く)の午後1時半~4時半、明石市貴崎1の市立総合福祉センターで開催。パソコンコースのみ全30回。要ノートパソコン持参。受講無料だがテキスト代4400円が必要。定員20人。応募締め切りは今月13日(必着)。問い合わせは市障害福祉課(078・918・1344)へ。

毎日新聞   2018年4月11日 


おいしさぎゅっと 知的障害者施設が開発 大和郡山市の特産品使い

2018年04月12日 14時10分17秒 | 障害者の自立

いちじくグラッセ

 知的障害者の福祉施設「大和郡山育成福祉会ひかり園のぞみ」(大和郡山市)が、市特産のイチジクを使ったお土産品「いちじくグラッセ」を開発した。今月中旬から、大和郡山市の柳町商店街で、障害者が作る物品などを売る「さくら倶楽部」で販売される。

  奈良県は全国7位のイチジク生産地で、そのうち9割が大和郡山市で生産されている。同会が「イチジクをいつでもおいしく食べらるように」と県農業研究開発センター(桜井市)の技術を生かし、約1年半試行錯誤して商品化した。
 
 
完成した「いちじくグラッセ」を披露するメンバー
 
毎日新聞   2018年4月11日

重度知的障害者の活動拠点 浜松・中区で地鎮祭

2018年04月12日 13時52分00秒 | 障害者の自立

 障害者支援に取り組む認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ(浜松市西区)は10日、重度知的障害者の活動を核にした文化発信拠点「たけし文化センター連尺町」の建設予定地(中区連尺町)で地鎮祭を行った。重度知的障害者が街中でさまざまな人たちと交流を図る新しい暮らし方を探る。10月にオープン予定。
 開設を支援する日本財団や行政、自治会関係者、同NPOが運営する福祉施設利用者ら約40人が出席し、神事を執り行った。同NPOの久保田翠理事長は「障害者のありのままの姿を見てほしい。人々が当たり前と感じている価値観について考える機会にしたい」と語った。
 日本財団の竹村利通さんは「障害者がいることで街中が元気になることを示したい。共生の本当の意味を尋ねに、全国から多くの人が訪れることを期待している」と話した。鈴木康友市長は「意欲的な取り組みで全国的に注目されている。市としても障害者が活動しやすい地域社会の実現に取り組みたい」と述べた。
 同センターは鉄骨造3階建てで、敷地面積は約160平方メートル。1、2階は交流スペースや音楽スタジオ、図書館カフェなどを設け、3階は重度知的障害者のシェアハウスと一般向けのゲストハウスを整備する。日本財団によると、重度知的障害者の活動拠点を街中に設けるのは、全国的に珍しいという。

建設への思いを語る久保田理事長

2018/4/11   @S[アットエス] by 静岡新聞


障害ある息子のために父が始めた「胡蝶蘭ビジネス」驚きの成果

2018年04月12日 13時30分43秒 | 障害者の自立

目指すは障害者の年収10倍

新年度、新社長の就任お祝いに胡蝶蘭を贈る機会が多い。千葉県富津市にある、知的障害のある人たちが胡蝶蘭を育てるNPO法人「アロンアロン」のオーキッドガーデンは、3月末が1年で一番忙しかった。

独自の販路を開拓し、障害者に月10万円の工賃を払う。「アロンアロン」を立ち上げたのは、かつてベンチャー企業を成功させた那部智史さん(49)。長男には障害がある。ジャーナリストのなかのかおりさんが、その物語を紹介する。

障害児を授かり「金持ちになろう」

昨年9月、知的障害のある人たちが育てる胡蝶蘭の温室が富津市にできたと知り、私は東京から電車を乗り継いで訪ねた。ところが温室のお披露目だけで、働く障害者がいなかった。どういう仕組みなんだろうと疑問が残り、今年1月に障害ある人たちが働き始めたと聞いて、改めて那部さんに取材した。

那部さんの22歳の長男には、重い知的障害がある。那部さんは大学を卒業後、通信会社でトップセールスマンだった。長男を授かり、2〜3歳の頃に言葉が遅いのが気になって障害があるとわかった。

「最初は、そんなに違うのだろうかと、気にしていなかったんです。でも周りからかわいそう、なんであなたのところだけ、などと言われるうちに、私はうつっぽくなり仕事も手につかなくなってしまいました。障害者の家庭によくあることですが、この子の将来はどうしよう、親は先に死ぬのにと一時は思い詰めました

那部さんはもともと楽天的な性格。それならみんなに羨ましがられるような家庭にしようと、お金持ちになることを目指した。

 会社を売却して千葉へ

勤めていた会社から独立して2000年、インターネットのベンチャー企業を立ち上げた。10年間で事業も拡大。長男は特別支援学校に通っていた。「とてもリッチな家庭になりました。大きい家に住み、外車に乗ってぜいたく三昧もしてみた。だけど40歳ぐらいの時、心の穴は埋まらないとわかりました」と那部さん。

レストランに家族で行くときは個室。長男を人混みに行かせなかった。無意識に、周りに迷惑をかけまいとしていた。「心の穴を埋めるのはお金ではなかった。すべての会社を売却して千葉の房総に引っ越しました。いすみ市に拠点を移し、不動産賃貸業を始めたんです。賃貸業なら長男に継がせられると思ったから」

自身が様々な事業に取り組む中で改めて、「息子がNGなのではない、障害者を受け入れられない社会がNGなんだ」と気がついた。長男が支援学校を卒業するにあたり、那部さんは様々な施設を見学した。

「どこも大変な努力をしていましたが、息子を託す気持ちにはなれませんでした。入所者は面会を待っているのに、親もだんだん来なくなってしまう。毎週、家族が遊びに行きたいと思えるような場所を作ろうと、2013年にNPO法人アロンアロンを始めました」。胡蝶蘭を栽培して販売し、障害者の賃金アップを実現して社会を変える目的だった。

胡蝶蘭は確かな市場

なぜ胡蝶蘭だったのか。那部さんが会社を始めたころ、社員を3人から150人に増やしてオフィスも広げた。そうすると取引先から胡蝶蘭が贈られ、必ずお返しをする文化を知った。生花はディスカウントなし。知的障害のある人は働く場所がないし、あっても収入が低い。胡蝶蘭を売ろうとひらめいた。 

「胡蝶蘭のマーケットは年間250~300億円。知的障害者は能力があるにもかかわらず、1ヵ月働いても月の工賃は平均で約1万5千円。障害者年金の約9万円を加えても生活保護に届かない。200坪の温室をフルで使えば、年間2万本の胡蝶蘭を出荷できる。物流コストはかかるものの、売れれば2億円。障害者に月々10万円を払えます

年間必ず贈り贈られている胡蝶蘭なら、市場があると思ったという那部さん

まず販路を見つけてから

それでも那部さんは、すぐには働く現場作りに動き出さなかった。「作って売りましょうと、すぐに動いて失敗してしまう福祉法人が見受けられます。最初にどこで売るか、出口を見つけてから動かないとダメだと思いました」

ビジネス出身なので、まず販路の開拓を考えた。胡蝶蘭を作っている会社を調べると、ある大企業の特例子会社(障害者の雇用を促進するための子会社)が手がけていた。その指導をしている「アートグリーン」という会社を紹介された。アロンアロンは、この特例子会社の胡蝶蘭を仕入れて売るように。配送は全国に物流センターを持つアートグリーンと組んだ。他は個人的に、取引先を増やしていった。

ビジネスとして成り立つには、販路ありきです。このやり方に反対もありました。まだ温室を作っていないのにと。でも売る土台を作ってあったので、障害者が働くようになって最初の月から充分な工賃を払うことができました」

物語を売る「オーナー制度」

オーキッドガーデンはB型の福祉事業所で、最初に千葉のある街で作ろうと計画した。だが立地の問題もあり、地元の人に反対されて諦めた。富津市で土地を見つけ、地元のロータリークラブの後押しで1千坪を安く借りられて一気に進めた。温室の総工費7千万円のうち、およそ半額は日本財団の助成を得た。

販売方法もユニークだ。胡蝶蘭の苗の仕入れ価格は千円ほど。3万円で30株の苗が購入できる。オーナーが購入した30株の苗は、障害者が半年間かけて開花させ、3本立ての一鉢はオーナーへのお礼として指定通り届ける。残りの27株は企業に販売し、障害者の収入にする。物語を買ってもらい、今は900社が取引先になっている。

2017年12月に福祉事業所として認可が下りるまでは、スタッフが胡蝶蘭を育てていたので、私が訪ねた時は障害ある人が働いていなかったという。今年1月から、7人の障害者が働く。電車で通ってきている人が多い。その他、サポートのスタッフは5人。他に地元のシルバーボランティアやアルバイトも参加している。障害のある人は20人まで働くことができる。

朝は9時からミーティング。10時に作業を始め、水やり、支柱を立てる、芽を摘む、しなだれさせるなど、分業してそれぞれができることをする。お昼休憩や体操の後、また仕事。3時には休憩して4時ぐらいには終わる。集中できなくなったら、外へ出たり掃除をしたり、工夫する。

 お金を使う喜びも知ってほしい

障害のあるメンバーからは「お花が好き」「工賃が高くて嬉しい」との声も。いつも世話をされる立場だったのが、植物を世話する喜びを感じている。「グリーンに触れているとセラピー効果もありますし、温室は音楽をかけていて楽しく快適。湿度も低く、暖かくてTシャツで過ごせるんですよ」と那部さん。

 

「お金を使う喜びも知ってほしい」と、アウトレットやレストランに行くプランを立て、父の日や母の日のプレゼント、旅行を勧めたいという。

昨年度は、1億円の売り上げがあった。さらなる社会貢献を目指し、アロンアロンとアートグリーンは新しい会社「A&A」を始めた。那部さんは説明する。「会社によっては、お花代に年間、5百万から1千万円も使っている。自社栽培に切り替え、経費削減と障害者雇用の両方を達成させましょうと呼びかけています。働く場所はオーキッドガーデンの温室をお貸しし、配送まで引き受けます」

雇用率アップと自立目指して

2%だった障害者の法定雇用率は、新年度から2.2%に上がった。A&AがB型の福祉事業所で技術を身につけた障害者を紹介、企業が雇用する形にすれば、企業側は障害者の雇用率が上がり、障害者も経済的に自立する。職場はオーキッドガーデンなので安心感がある。

こうして利益を上げ、サポートするスタッフの待遇改善も目指す。20人の障害者がいると、福祉の制度で支払われるのは年に約2千万円。この中から送迎の車両費、家賃、光熱費を賄うと、スタッフの給料は少なく、将来の生活を描くことができないからだ。

今後、オーキッドガーデンと同様の温室を名古屋・大阪・福岡にも建設する予定という。近隣の福祉事業所にも、胡蝶蘭の栽培に必要な道具のパーツを作ってもらい、買い取って連携していく。

アロンアロンは、バリの言葉で「ゆっくりゆっくり」という意味だそう。初めは那部さんがカメラを向けると、ぎこちなかったメンバーが今では笑顔を見せるようになった。ゆっくりと、確かに成長している。那部さんと親交のある写真家・渡辺達生さんも現場を訪れ、働く姿を撮影した。写真は「アロンアロンの紹介に使っていいよ」と言われている。

那部さん自身は顔が広く、ビジネスや福祉・メディアなど様々な業界を飛び回る。「勢いがありすぎて、忘れ物が多い。必要な物を全部、トランクに詰めて持ち歩いているんですよ」と笑う。

オーキッドガーデンで多忙な4月にかけ、事件が起きた。黄金虫が発生して大事な花を食べてしまったのだ。そんな時も那部さんは「1匹捕まえたら200円!」とメンバーに呼びかけ、ユーモアを持ってトラブルをプラスに変えていた。

時に笑いに包まれる職場。大変なことに直面してもユーモアは救いを呼ぶ 

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