統一球の騒動では、「品質管理のできないミズノから買わずに、メジャーリーグに供給しているメーカーから同じものを買えばいいのではないか」という議論はなぜか出てきていないようだ。
それこそ本当に「統一球」になるし、WBCにしろオリンピックにしろ、違和感なくとけこめるのではないか。
1980年代に日米貿易摩擦で米国製金属バットへの関税などが問題になったことがある。
TPP加盟を目指す中でもいい話題作りになるのではないか。
こういう話をすると、日本の野球用品メーカーを守れ、とか日本の野球文化を守れ、とかいう議論が出そうである。
なんだかTPPと農業をめぐる議論に似ている。
食糧安全保障や食の安全を守ることイコール農協や農家を無条件で守ることではないのと同様、統一球の問題において守るべきはプロ野球のルールの透明性と公正な運用の担保であって、用具メーカーではない。
国産用具メーカーが公正さを確保できないのであれば、国産メーカーであるということは、保護される理由はない。
日本の産業が国際競争力を取り戻し、企業が世界で戦えるようになるための象徴として、統一球の調達も世界に開くべきではないか。
そんなことを、読売新聞あたりが書かないだろうか。