一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

2019-09-28 | キネマ
1970年代のベトナム戦争をめぐる国家機密の報道をめぐる話。
新聞社の社主が「クラス」の一員であり、社会における女性の役割が未だ一般的でなかった時代背景の中での、ワシントンポスト紙の女性社主役をメリル・ストリープが好演。

今のトランプはこの「クラス」の一員であるあたりを突いているので、ある意味「古き良き時代の報道の自由」についての映画になってしまっている。

★3

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『ブレードランナー2049』

2019-09-27 | キネマ
まず最初にオリジナルの『ブレードランナー』を復習を兼ねて観た。
「ディレクターズカット」だったんだが、当初のラストシーンはカットされていた。

そして『2049』は前作の続きという大胆な試み。
二時間半という長尺なのだが、それにしてはストーリーの展開が都合よすぎの感じがしたのは残念。

前作以上に何かプラスの感動があったかというと残念ながら...

★3


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『長く働けるからだをつくる』

2019-09-26 | 乱読日記
著者が突然の交通事故の被害にあい、リハビリを重ねる中で気づいた「立つ」「歩く」「坐る」こと、またそのための靴や椅子の重要性について語った本。
著者の実体験に基づいた気づきは説得力があるが、自分で実践するためにはもう少し詳しく体系的な話が必要だと思う。

★2.5

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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

2019-09-25 | キネマ
人間的にはクズの連中が勢いに乗ってハチャメチャを繰り返し、やがてピークを迎えて破滅に向かう話だが、そこには道徳的教訓はほとんどない。
それこそが1980年代を映している。

★3.5

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『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

2019-09-24 | 乱読日記
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』の著者が、鳥類の祖先とされる恐竜の生態を、(本人曰く「恐竜ブームに便乗」して」鳥類学の人気を広めるべく)鳥類学の研究成果から類推して解き明かそうという本。
単行本の出版は上の本より前のようだが。

最近の研究で、恐竜は実は羽毛が生えているものもいた、とか実際はもっとカラフルだったのではないかということが明らかになってきている。化石からだけではわからない生態を鳥類の生態から想像力を膨らませて描いている。
「便乗」とおちゃらけていても、話はややもすると愛する鳥類への言及のほうがメインになりがちなところも含め、著者らしくていい。

★3.5

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『刑事弁護人』

2019-09-23 | 乱読日記
「令状なきGPS捜査は違法」の最高裁判決を勝ち取った話。これ自体読み物としてはとても面白い。

ただ、下の写真のように、本書は通常の講談社現代新書のカバーの上に事件の主人公である著者の写真のカバーがダブルであり、共著者の名前よりも大きく書かれている。(もっとも共著者はライターなので事件の主人公ではないのだが)

なおかつ亀石弁護士は「美人すぎる」弁護士としてテレビのコメンテーターとして活躍中で(知らなかった。確かに美人である)参院選に出馬が予定されていた(購入当時。結果落選した)。
ここまで選挙前の知名度アップのダメ押しキャンペーンを前面に押し出している本も珍しいし、講談社現代新書もそれに乗って売れればいい、という姿勢はどうなんだろう。

いや、本の中身は刑事弁護手続きや弁護士における最高裁の重みや登場する弁護士の背景などが描かれていて面白かったんだけど。

★3

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『痛い在宅医』

2019-09-22 | 乱読日記
長年在宅医療にかかわる著者が、現実に起きた退院→自宅療養→死に至る過程での様々な不満、後悔について相談を受けた内容をまとめ、在宅医療の現実を描いている。

「普通に看取る」ということがいかに難しいか、自宅療養がいかに病院と医師と患者家族の連携が必要かを教えられる。
一方病院で管ばかりにつながれる最期もつらいし、延命治療拒否をするとしてもその決定も含めて誰がどの時点で判断するのか、は難しい。

病気の進行は思った通りに行かないところが難しい。ベストプラクティスというようなものはなく、どうすればいいか、というのは、結局本人と家族の納得の問題なのだろうが。

★3

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『絶対に、医者に殺されない47の心得 』

2019-09-21 | 乱読日記
タイトル的には「トンデモ本」の香りがしないでもなかったがとてもまともな本だった。
「いい医者の見分け方」を指南する本でも「既存の医療の間違い」を威勢よく糾弾する本でもなく、「よい患者」になる心得を説いている。
具体的には、きちんと医者とコミュニケーションを取り、自分の健康のために何が必要かを考えながら医者の言うことをきちんと理解しようとする姿勢が大事。

血液検査や画像検査の結果が「正常化」するのは、病気の治療の結果生じる(かもしれない)副産物。けれども、血液検査結果そのもの、画像検査結果そのものは、治療の目的でも何でもありません。
健康診断で「異常」を指摘されても、じつは放っておいてよい人はとても多いのです(そうでない人ももちろんいます)。ですから、もっと気をラクに「検査は検査、大事なのは自分自身の健康で、両者は別物」と考えるのが賢明です。

ただ、実際に「放っておいてよい」か「そうでない」かを適切にアドバイスしてくれるかかりつけ医に巡り合うのはけっこう難しいのだが。

★3.5

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『こわいもの知らずの病理学講義』

2019-09-20 | 乱読日記
「ごく普通の人にもある程度は正しい病気の知識を身につけてほしい」と書かれた本。
細胞の損傷・適応・死、血流の異常のメカニズム、そして後半は今や「病の皇帝」であるがんの発生・増殖の仕組みや抑制・予防について書かれている。
高校の生物・化学知識を引っぱり出しながら概ねは理解できた感じ(いつも通り、もっとちゃんと勉強しておけばよかったという後悔は先に立たず)。

著者の実際の講義もそうらしいが、脱線やたとえ話が多く、それらが面白い(ここが合わないと読んでてつらいかも)。

いくつか面白かった話をメモ

・がんの死亡者数が増えたのは高齢化が原因。死亡率を年齢で補正すると女性は1960年代からずっと、男性も1995年以降は減少している。「日本人の死因の第一位はがん」という保険会社のうりこみを真に受けてはいけない
・タスマニアデビルは伝染性のがんで一時絶滅の危機に瀕したが、わずか20年、4~6世代で抵抗性を獲得しつつある。
・分子標的薬はピンポイントの薬なので、がんも変異すると効かなくなってしまう。薬が細分化するほどコストは高くなるが、日本の健康保険制度はそういう医薬品を前提に設計されていない。「命をお金に換算せざるを得ない時代」がやってきた。
ちなみにアメリカ、イギリスではQOLを維持する年間のコストとして500~600万円が限界と言われている。

★4.5

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『Do The Right Thing ドゥ・ザ・ライト・シング』

2019-09-19 | キネマ
2019年アカデミー賞で作品賞を逃したスパイク・リーが「いつも誰かが他人を車に乗せる映画に賞を持っていかれる」とコメントしたという話を聞いて、その前回の作品がこれ。
1990年の作品で、この時は『Driving Miss Daisy』が作品賞を取った。

当時の日常と、小さなことの積み重ねが突然大きな暴力に変わるところのリアリティが秀逸。

★4

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