【2017.10.11 反対討論(録画配信)】
本会議の録画映像をご覧いただけます。
(1)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
反対討論者 酒井宏明議員(日本共産党) 約4分
(2)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
質疑 酒井宏明議員(日本共産党) 約6分
(3)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
反対討論者 酒井宏明議員(日本共産党) 約10分
2017.11.2
【2017.11.2 反対討論(全文)】
(1)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
日本共産党の酒井宏明です。
119号、120号議案について反対の討論を行います。
群馬コンベンションセンター建設において、消費税込みで建設工事に157億3560万円、給排水衛生設備に9億612万円もの血税をつぎ込もうとするものです。
私たちはもともと、身の丈に合わない、採算があうかどうかもわからないコンベンション施設建設に反対の立場ですが、賛否は別にしても、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて、建設資材や労務単価が高騰していることは明らかです。
質疑の中でも、その上昇を部長もお認めになりました。
先ほども指摘したように、公共工事設計労務単価は12種の平均で4年前と比べて115%、職種によっては120%も伸びています。
建設資材価格は地域差があるが、全国平均で7年前の111%、地方によっては120%を超えている所もあります。
仮に2割上がったとして、約30億円の差が出る計算になります。
それだけ県民の税金が余計に投入されるということになるではありませんか。
さらに駐車場の整備や周辺道路の整備などに合わせて350億円と見込まれていますが、今後の資材等の値上がりによっては、果たしてそれで収まるのか疑問です。
高崎では芸術文化センターが建設され、駅前には高層マンションも計画されている。
前橋駅前にも高層マンション建設が計画されています。今後数年まさに建設ラッシュです。
年内にも立体駐車場工事の入札を公告するようですが、労務単価も建設資材も高止まりしている。
この時期の建設はあまりにも無謀であると考えます。
昨年立ち上がったコンベンションビューローの活動実績を見てからでも遅くはありません。
この時期の建設をやめて、子どもの貧困対策や、介護、福祉など緊急に必要とする施策にこそ回すべきではないでしょうか。
以上申し述べて、私の反対討論といたします。
(3)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、平成28年度群馬県一般会計決算等の認定に反対する討論を行います。
「アベノミクス」による株価の上昇や円安差益、大企業減税で、富裕層と大企業は巨額の利益をあげる一方、労働者の賃金は上がらず、医療介護の負担増、年金や生活保護費の切り下げなどによって、格差と貧困がますます拡大しました。
こんな時こそ群馬県は、住民福祉の向上という地方自治体本来の役割を果たすべきなのに、暮らしの問題でも、平和の問題でも国いいなりで県民の願いから程遠い県政運営だったと言わざるをえません。
以下、理由を述べます。
第一の理由は、大型開発優先の政治が財政を硬直化させ、県民のくらしを圧迫しているという点です。
昨年、八ッ場ダム事業費を5320億円に、群馬県の負担も249億円に増額する基本計画の変更が行われました。
5回もの計画変更で、工期は19年延長、総事業費は2.5倍にふくれあがりました。
利水面でも治水面でも必要性が薄れ、地すべりを誘発しかねない危険なダムに、これ以上ばく大な税金をつぎ込むことには反対です。
ダム建設と切り離した住民の生活再建を進めるとともに、ダムに頼らない利水・治水政策へと転換すべきです。
コンベンション施設整備推進に、17億円余がつぎ込まれました。
施設や立体駐車場建設費280億円とは別に、周辺道路の拡幅工事や発掘調査、敷地内の賃料などをあわせれば350億円以上かかる見込みです。
今後かかる維持費を含めればばく大な税金が投入されることになります。
昨年から始まったコンベンションビューローの実績を積み重ねてからでも遅くはありません。
コンベンション施設計画の抜本的見直しを求めます。
大規模道路を整備する「7つの交通軸」に当初予算を40億円以上も上回る335億円が投入されました。
これは前年度決算額を74億円も上回っています。
土木関連経費は全体の12.6%を占め、関東近県6県の中でもっとも割合が高くなっています。
こうした大規模開発の一方で、県債残高はついに1兆2千億円を突破、県の積立基金は平成元年以降最少となりました。
さらに財政健全化の指標である実質公債費比率は6年前の全国3位から17位に、将来負担比率は同じく6年前の8位から13位へといずれも後退しました。
今こそ、将来世代にツケを回す大規模開発からの転換を図るべきです。
第二に、相変わらず暮らし・福祉、教育、中小業者を後回しにしている問題です。
子どもの医療費無料化の継続やリハビリテーションセンターの新改築など評価できる点もありますが、全体として県民の切実な要望にそった施策が行われたとは言えません。
教育関係人件費は前年度比で9億円の減となりました。
とりわけ、小中学校の教職員定数の1割を超える教職員が臨時採用であり、特別支援学校では4人に1人が臨時という実態です。
6カ月ごとの更新で、昇給は9年目でストップ、それなのに、学級担任や部活の顧問さえ受け持っているのが実情です。
身分が不安定な臨時でなく、正規の教職員を増やすべきです。
定数を維持すれば、少人数学級の拡大も可能であり、ひいては群馬の教育の質を向上させていくことにつながります。
当面、小学5・6年生を35人以下学級にするのに、あと7億円あればできるではありませんか。
小中学校の給食費無料化に対する消極的な姿勢が問われます。
現在、8市町村で完全無料化、一部無料化を含めれば過半数の18市町村に達します。
少子化や貧困対策のみならず、食育という教育的観点からも有効な施策です。
中学生から無料化し、順次拡大していくなど、まずは一歩足を踏み出すべきではないでしょうか。
中小業者支援も遅れています。
小規模企業振興条例が昨年4月1日より施行されましたが、実効性のある施策に乏しいといわざるをえません。
住宅リフォーム・商店リニューアル助成制度はすでに多くの市町村で取り組まれ、利用者にとっても、業者にとっても喜ばれ、経済波及効果も実証されています。
しかし県は、関係団体から再三、要望が出されているにもかかわらず、いっこうに取り組む気配がありません。
内需の拡大による地域経済の活性化へ、本腰を入れた対策が求められます。
福島原発事故による自主避難者への支援が昨年度末で打ち切られてしまいました。
多くの都道府県では、独自の支援策として家賃補助や公営住宅の優先入居枠などを設けました。
ところが、群馬県にはありません。原発事故被害者に対しあまりにも冷たい対応ではないでしょうか。
大同特殊鋼の有害鉄鋼スラグをめぐり、県の環境行政の責任が問われる年となりました。
廃棄物と認定し、刑事告発に踏み切ったことは当然ですが、渋川市の産廃処理施設への対応で、事業者に原状回復等の責任を果たさせるべきなのに、その点での指導・監督がきわめて弱かったといえます。
環境や住民の健康を守るという県の毅然とした姿勢が求められます。
3つめは、県民の安全と平和を守る問題です。
今年3月、日米合同訓練が相馬原演習場などを拠点に行われました。何度も墜落事故を起こしている危険なオスプレイは来るな、という県民の抗議の声を無視して、前橋市や高崎市など市街地上空での飛行訓練が強行されました。
知事は「安全保障は国の専権事項だ」と言い、「オスプレイの安全性の確認を求める」と繰り返すだけで結局、中止を要請しませんでした。
騒音測定器の活用に関しても、防衛省が測定しているからと、せっかく持っている測定器を活用しませんでした。
こんな国追随の姿勢では県民の安全と平和を守ることはできません。
以上の理由から、決算の認定に賛成するわけにはいきません。
特別会計、公営企業会計決算については、かねてからの理由により反対です。
114号議案は、電気事業会計で得た利益を建設中の八ツ場発電所の事業費などにあてるというものです。
再生可能な自然エネルギーの開発や普及自体は大いに進めるべきですが、八ッ場ダム建設に付随する発電事業には賛成できません。
最後に、先の総選挙で、与党が議席の3分の2を占める結果となりましたが、希望の党による野党共闘の分断という逆流と、民意をゆがめる小選挙区制によってもたらされた「虚構の多数」であり、それをもって憲法改悪や消費税増税、社会保障の大幅削減を強行することは許されません。
群馬県政が国の悪政から県民のくらしを守る防波堤の役割をしっかり果たすことを強く求めて、私の討論を終わります。
本会議の録画映像をご覧いただけます。
(1)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
反対討論者 酒井宏明議員(日本共産党) 約4分
(2)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
質疑 酒井宏明議員(日本共産党) 約6分
(3)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
反対討論者 酒井宏明議員(日本共産党) 約10分
2017.11.2
【2017.11.2 反対討論(全文)】
(1)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
日本共産党の酒井宏明です。
119号、120号議案について反対の討論を行います。
群馬コンベンションセンター建設において、消費税込みで建設工事に157億3560万円、給排水衛生設備に9億612万円もの血税をつぎ込もうとするものです。
私たちはもともと、身の丈に合わない、採算があうかどうかもわからないコンベンション施設建設に反対の立場ですが、賛否は別にしても、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて、建設資材や労務単価が高騰していることは明らかです。
質疑の中でも、その上昇を部長もお認めになりました。
先ほども指摘したように、公共工事設計労務単価は12種の平均で4年前と比べて115%、職種によっては120%も伸びています。
建設資材価格は地域差があるが、全国平均で7年前の111%、地方によっては120%を超えている所もあります。
仮に2割上がったとして、約30億円の差が出る計算になります。
それだけ県民の税金が余計に投入されるということになるではありませんか。
さらに駐車場の整備や周辺道路の整備などに合わせて350億円と見込まれていますが、今後の資材等の値上がりによっては、果たしてそれで収まるのか疑問です。
高崎では芸術文化センターが建設され、駅前には高層マンションも計画されている。
前橋駅前にも高層マンション建設が計画されています。今後数年まさに建設ラッシュです。
年内にも立体駐車場工事の入札を公告するようですが、労務単価も建設資材も高止まりしている。
この時期の建設はあまりにも無謀であると考えます。
昨年立ち上がったコンベンションビューローの活動実績を見てからでも遅くはありません。
この時期の建設をやめて、子どもの貧困対策や、介護、福祉など緊急に必要とする施策にこそ回すべきではないでしょうか。
以上申し述べて、私の反対討論といたします。
(3)平成29年第3回前期定例会 11月2日 本会議(決算委員長報告・議決)
日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、平成28年度群馬県一般会計決算等の認定に反対する討論を行います。
「アベノミクス」による株価の上昇や円安差益、大企業減税で、富裕層と大企業は巨額の利益をあげる一方、労働者の賃金は上がらず、医療介護の負担増、年金や生活保護費の切り下げなどによって、格差と貧困がますます拡大しました。
こんな時こそ群馬県は、住民福祉の向上という地方自治体本来の役割を果たすべきなのに、暮らしの問題でも、平和の問題でも国いいなりで県民の願いから程遠い県政運営だったと言わざるをえません。
以下、理由を述べます。
第一の理由は、大型開発優先の政治が財政を硬直化させ、県民のくらしを圧迫しているという点です。
昨年、八ッ場ダム事業費を5320億円に、群馬県の負担も249億円に増額する基本計画の変更が行われました。
5回もの計画変更で、工期は19年延長、総事業費は2.5倍にふくれあがりました。
利水面でも治水面でも必要性が薄れ、地すべりを誘発しかねない危険なダムに、これ以上ばく大な税金をつぎ込むことには反対です。
ダム建設と切り離した住民の生活再建を進めるとともに、ダムに頼らない利水・治水政策へと転換すべきです。
コンベンション施設整備推進に、17億円余がつぎ込まれました。
施設や立体駐車場建設費280億円とは別に、周辺道路の拡幅工事や発掘調査、敷地内の賃料などをあわせれば350億円以上かかる見込みです。
今後かかる維持費を含めればばく大な税金が投入されることになります。
昨年から始まったコンベンションビューローの実績を積み重ねてからでも遅くはありません。
コンベンション施設計画の抜本的見直しを求めます。
大規模道路を整備する「7つの交通軸」に当初予算を40億円以上も上回る335億円が投入されました。
これは前年度決算額を74億円も上回っています。
土木関連経費は全体の12.6%を占め、関東近県6県の中でもっとも割合が高くなっています。
こうした大規模開発の一方で、県債残高はついに1兆2千億円を突破、県の積立基金は平成元年以降最少となりました。
さらに財政健全化の指標である実質公債費比率は6年前の全国3位から17位に、将来負担比率は同じく6年前の8位から13位へといずれも後退しました。
今こそ、将来世代にツケを回す大規模開発からの転換を図るべきです。
第二に、相変わらず暮らし・福祉、教育、中小業者を後回しにしている問題です。
子どもの医療費無料化の継続やリハビリテーションセンターの新改築など評価できる点もありますが、全体として県民の切実な要望にそった施策が行われたとは言えません。
教育関係人件費は前年度比で9億円の減となりました。
とりわけ、小中学校の教職員定数の1割を超える教職員が臨時採用であり、特別支援学校では4人に1人が臨時という実態です。
6カ月ごとの更新で、昇給は9年目でストップ、それなのに、学級担任や部活の顧問さえ受け持っているのが実情です。
身分が不安定な臨時でなく、正規の教職員を増やすべきです。
定数を維持すれば、少人数学級の拡大も可能であり、ひいては群馬の教育の質を向上させていくことにつながります。
当面、小学5・6年生を35人以下学級にするのに、あと7億円あればできるではありませんか。
小中学校の給食費無料化に対する消極的な姿勢が問われます。
現在、8市町村で完全無料化、一部無料化を含めれば過半数の18市町村に達します。
少子化や貧困対策のみならず、食育という教育的観点からも有効な施策です。
中学生から無料化し、順次拡大していくなど、まずは一歩足を踏み出すべきではないでしょうか。
中小業者支援も遅れています。
小規模企業振興条例が昨年4月1日より施行されましたが、実効性のある施策に乏しいといわざるをえません。
住宅リフォーム・商店リニューアル助成制度はすでに多くの市町村で取り組まれ、利用者にとっても、業者にとっても喜ばれ、経済波及効果も実証されています。
しかし県は、関係団体から再三、要望が出されているにもかかわらず、いっこうに取り組む気配がありません。
内需の拡大による地域経済の活性化へ、本腰を入れた対策が求められます。
福島原発事故による自主避難者への支援が昨年度末で打ち切られてしまいました。
多くの都道府県では、独自の支援策として家賃補助や公営住宅の優先入居枠などを設けました。
ところが、群馬県にはありません。原発事故被害者に対しあまりにも冷たい対応ではないでしょうか。
大同特殊鋼の有害鉄鋼スラグをめぐり、県の環境行政の責任が問われる年となりました。
廃棄物と認定し、刑事告発に踏み切ったことは当然ですが、渋川市の産廃処理施設への対応で、事業者に原状回復等の責任を果たさせるべきなのに、その点での指導・監督がきわめて弱かったといえます。
環境や住民の健康を守るという県の毅然とした姿勢が求められます。
3つめは、県民の安全と平和を守る問題です。
今年3月、日米合同訓練が相馬原演習場などを拠点に行われました。何度も墜落事故を起こしている危険なオスプレイは来るな、という県民の抗議の声を無視して、前橋市や高崎市など市街地上空での飛行訓練が強行されました。
知事は「安全保障は国の専権事項だ」と言い、「オスプレイの安全性の確認を求める」と繰り返すだけで結局、中止を要請しませんでした。
騒音測定器の活用に関しても、防衛省が測定しているからと、せっかく持っている測定器を活用しませんでした。
こんな国追随の姿勢では県民の安全と平和を守ることはできません。
以上の理由から、決算の認定に賛成するわけにはいきません。
特別会計、公営企業会計決算については、かねてからの理由により反対です。
114号議案は、電気事業会計で得た利益を建設中の八ツ場発電所の事業費などにあてるというものです。
再生可能な自然エネルギーの開発や普及自体は大いに進めるべきですが、八ッ場ダム建設に付随する発電事業には賛成できません。
最後に、先の総選挙で、与党が議席の3分の2を占める結果となりましたが、希望の党による野党共闘の分断という逆流と、民意をゆがめる小選挙区制によってもたらされた「虚構の多数」であり、それをもって憲法改悪や消費税増税、社会保障の大幅削減を強行することは許されません。
群馬県政が国の悪政から県民のくらしを守る防波堤の役割をしっかり果たすことを強く求めて、私の討論を終わります。