「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自傷行為と自殺行動 (2)

2016年02月02日 21時59分50秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 自殺行動の 差し迫った警告サイン
 
 (所有物を譲る, 遺書を書く, エネルギーの増加を示す) には
 
 注意を払いましょう。
 
○ 衝動的な自殺行動
 
 大多数の人たちが 自殺企図気直前に 何か警告サインを出します。
 
 しかし 致死的な自殺企図をした人の 約30%が、
 
 自殺について 5分未満しか考えず、 兆候を示さなかったということです。
 
 実に多くの人が 衝動的な自殺行動をします。
 
 自殺行動のお膳立てとなる物事として、 長期的な危険因子をリストアップします。
 
・ 過去の自殺企図
 
・ 自殺行動の家族史
 
・ 簡単に手に入る自殺手段
 
・ 自殺モデルの存在 (頻繁に報道された自殺)
 
・ 結婚生活や恋愛関係での問題, 仕事での問題, 友人との問題
 
・ よそ者であるという 慢性的な気持ち
 
・ 医学的問題
 
・ 身体の痛み
 
・ 不安

・ 絶望感
 
・ 硬直した思考
 
・ 不眠
 
・ 激しい興奮状態
 
 けれども これらも一部に過ぎません。
 
 これらの危険因子があれば、
 
 あらゆる悪い知らせ (失業や失恋など) が 止めの一撃になるので警戒しましょう。
 
 このようなことが起こったら、 すぐ専門家の手を借りましょう。
 
○ 感染の影響
 
 長期的な危険因子の中に、 自殺モデルの存在があります。
 
 伝染と呼ばれます。
 
 広く報道される自殺があると、 不可避的に他の自殺が起こります。
 
 有名人の自殺は、 絶望感, 怒り, 生きるに値する人生への 疑念を増す、
 
 と言います。
 
 自殺の許可が得られると 信じる人もいます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自傷行為と自殺行動 (1)

2016年02月01日 20時25分05秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BP(BPDの人)の約75%が 一生の間に自殺を試みます。
 
 その8~10%が 自殺を完遂してしまいます。
 
 最も重要なのは BPを死なせないことです。
 
○ 自殺行動と自傷行為の違い
 
 自傷行為 (非自殺的自己傷害行為) は、
 
 切る, 焼く, 引っかく, 叩く, 毒物を飲むなどの行為です。
 
 BPの60~80%が 何らかの自傷を行ないます。
 
 重要なのは、 自殺の意図はないということです。
 
 自傷は、  「注目を集めるため」 「助けを求める助け」 という
 
 誤ったレッテルが貼られてきました。
 
 自傷の主な理由は 感情調整です。
 
 切ることで安堵感が得られ、 感情が管理可能になるのです。
 
 それゆえに 非常に強い強化が起こります。
 
 自傷が 実際には自殺行動であるというのは、 誤った考えです。
 
 それでも10%は 本当に自殺で亡くなってしまう リスクがあります。
 
 自殺行動には、
 
 自殺を考えること (自殺念慮), 自殺の計画, 自殺の実行が含まれます。
 
 自殺を考えるだけでも、 感情的な苦悩から 解放を与えてくれます。
 
 それで問題が解決しなければ、 行動は計画段階に移るかもしれません。
 
 自殺の計画が 安堵感を与えることもあります。
 
 衝動的な自殺企図では、 自殺を考えたり計画する 期間がないかもしれません。
 
 自殺企図には、 自殺の行為も含まれます。
 
 重要な要素は、 死ぬという意図です。
 
 失敗に終わっても、 その人が死にたかったのなら、 自殺企図なのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする