「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「しょうがいしゃ」 の表記について (1)

2016年02月27日 11時43分22秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)
 
 ネット上では、 「しょうがい」 の表記について、
 
 本来 「障碍(礙)」 と書かれていたが、
 
 戦後、 当用漢字の 「害」 が 当て字として書かれた、
 
 という記述も幾つかありました。
 
 しかし、
 
 《障がい者制度改革推進会議  「『障害』の表記に関する検討結果について」》
 
 の記述のほうが 信憑性があると思います。
 
 以下に要約します。
 
 《 「障碍(礙)」 は元々仏教用語で、
 
 明治に至るまで  「しょうげ」 と読まれ、
 
 平安時代からは  「悪魔、 怨霊などが邪魔すること」 という意味で使われていた。
 
  「障害」 は 遅くとも江戸時代には用例がある。
 
 明治に入ると  「障碍(礙)」 を 「しょうがい」 と 読む例が現れる。
 
 混乱を避けるためもあって、
 
  「しょうげ=障碍(礙)」 と 「しょうがい=障害」 を 書き分けるようになり、
 
 大正期になると 「しょうがい」 は、
 
  「障碍(礙)」 よりも  「障害」 のほうが一般的になる。
 
 戦後、 当用漢字に 「碍」 が含まれなかったため、
 
  「障碍」 の表記がほとんど消え、
 
  「しょうがいしゃ」 も 「障害者」 とされることとなった。
 
 (人を対象とした  「障害者」 という概念が確立されたのは 戦後)
 
  「碍」 を常用漢字にするように という意見もあるが、
 
  「障碍」 と表記しても 根本的解決にはならない。
 
 仏教語の語源の問題もあり、  「障碍」 は不適切という 議論が起こりうる。》
 
  「障碍者」 と表記すべきという 意見も多いですが、
 
 必ずしも適切ではないようです。
 
 僕自身は、  「障碍者」 は 多くの人が読めない文字なので、 賛成していません。
 
 不特定多数の人々に 物を伝える立場からすると、
 
 読めなくては そもそも伝えることができませんから。
 
 もし  「碍」 を常用漢字にするとしても、
 
 少なくとも当面は この字は使えませんし、 将来常用漢字になったとしても、
 
 その教育を受けていない世代の人は 読みがたいでしょう。
 
(次の記事に続く)
 
コメント
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