「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPが利用できる治療法 (2)

2016年02月11日 20時12分35秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
○ 転移焦点化精神療法 (TFP)
 
 BPDは 生物学的脆弱性と環境に由来するとします。
 
 環境とは、 BPが 自分を他人と区別したり、 社会的合図を読み取ったりできず、
 
  「未成熟なメカニズム」 を 作ってしまう環境です。
 
  「未成熟なメカニズム」 には 次のものがあります。
 
・ 万能のコントロール感
 
  (自分が他人によって 過度にコントロールされていると考えるので、
 
  他人を過度にコントロールする)
 
・ スプリッティング ( 「良い」 と 「悪い」 を 統合する能力の欠如)
 
・ 投影 (自分自身の好ましくない性質を 他の人に押しつける)
 
 これらは 非機能的行動, パラノイア, 対人関係での恐怖という
 
 結果になってしまいます。
 
 未解決のままの ネガティブで強力な感情が、
 
 BPの経験を 他人の経験から 切り離すことを妨げます。
 
 非機能的行動を変えるために、 セラピストとの転移関係を 媒介として用います。
 
 
 以上の療法の中で、 弁証法的行動療法が最も効果がありますが、
 
 他の療法も 開発と研究が進んでいます。
 
 BPDの専門家が見つからなければ、 認知行動療法のセラピストをお勧めします。
 
 最も良いのは、 あなたとBPの両方が サポートと治療を探し、 見つけることです。
 
 BPDは 今では治療可能とされています。
 
 道のりは長いですが、 希望があるのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]