「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDの生物学的原因 (1)

2007年02月09日 20時04分08秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
(関連記事
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/17091476.html 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/18478190.html )

 拙著を執筆したときには まだよく分かっていなかった BPDの生物学的原因が、

 現在アメリカでは だんだん定説になりつつあるようです。

 確かに 養育歴による影響が 大きいと言われていますが、

 米国精神医学界の治療ガイドラインや ほとんどの精神医学のテキストで、

 BPDの遺伝的要因を 記しているそうです。

 元々脳に 障害のファクターがあるのだということは、

 BPDは性格の問題と言われるよりも 人から理解を得やすくなるのではないでしょうか? 

 生まれながらの障害は、親の責任でも 子供のせいでもありません。

 まず先天的に脳に 何らかの原因があり、

 その後 環境的な要素が加わって BPDが生じてしまいます。

 親の育て方だけでは BPDにはならないのです。

 実際、虐待を受けた子供のうち大半は 心に傷を持っていても、

 BPDのような 深刻な症状を起こしません。

(むしろ 幼児期の性的虐待は 成人後のうつ病に関係しているということです。)
 

 脳の気質によって 生まれつき過敏だったり 衝動性が強かったり、

 感情のコントロールが 苦手だったりする子供は、

 親にとっても扱いづらく、親子双方にトラブルを もたらしやすくなります。

 そのような子にとっては 他の子には普通であるしつけなども、

 過剰にストレスに感じて 混乱してしまうでしょう。

 すると 親もさらに困惑し、ヒステリックになったりして、

 親子関係が 悪循環に陥ってしまいます。

 BPDの子は 人一倍傷つきやすいために、他の子と同じ体験をしたとしても、

 親に対する不満や 愛情欲求が より以上に強くなってしまうのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45027369.html
 
[参考文献 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 (星和書店) ]
 

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