パーソナリティ障害の治療には、誰もが認める 決定的なものはありません。
症状は人によって 様々であり、個別の環境に 合わせたものが行なわれます。
共通点は、精神療法と薬物療法を 組み合わせるということです。
また、外来治療と入院治療に 分けられます。
これらについて 紹介します。
△薬物療法
主に 衝動的な行動を抑えること,感情の不安定さを 軽くすることが目的です。
薬だけで 境界性パーソナリティ障害を 治そうとするものではありません。
逆に、薬なしで治療できることは まれだと言えます。
境界性パーソナリティ障害の人の 不安定な感情は、
治療そのものを破壊することもあり、それを食い止めるためにも 薬の力は必要です。
抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬,抗精神薬,感情調整薬など、
あらゆる薬が 手を変え品を変えて 処方されるのが特徴です。
どれが最善というものはなく、一人一人の患者に 合った処方があります。
△精神療法
境界性パーソナリティ障害の 治療の中心となるのは 精神療法です。
(カウンセリングと ほぼ同じ意味です。)
色々な手法がありますが、
「一定の枠組みの中で行なう」 ということが 共通することです。
枠組みには、時間的枠組みと 空間的枠組みがあります。
前者は 診療時間を設定することで、その時間以外には 診察を行ないません。
緊急に 具合が悪くなったときでも、
時間外の診療回数などを 決めておくことが必要です。
一定の枠組みがあった方が、境界性パーソナリティ障害の人は 何故か落ち着きます。
自分の自由や 裁量によることが多いほど、
境界性パーソナリティ障害の人は 行動のコントロールが 付かなくなりがちなのです。
また 枠組み設定には、
一定枠の中で 自分の行動のコントロールを 学ぶという意味もあります。
後者の空間的枠組みは、決められた場所だけで 診療を行なうことです。
理由は 時間的枠組みの場合と ほぼ同じです。
一定の枠組みを保つことが、回復のためには必須です。
逆に 枠組みのない治療は、一時的にはうまくいっても、必ず破綻する運命にあります。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55782548.html
〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集 」
林公一 (保健同人社) より 〕
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