「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の診断基準 (2)

2008年08月26日 20時39分31秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55659571.html からの続き)

○ 「めくるめく信頼と罵倒」

《理想化とこき下ろしとの 両極端を揺れ動くことによって 特徴づけられる、

 不安定で激しい人間関係》

 相手を無条件で 尊敬するかと思うと、

 手のひらを返したように 罵倒するということが繰り返されます。

 「対人評価の極端な変動」 と 言うこともできます。

 境界性パーソナリティ障害の人は 初対面の人に対して、

 1~2回会っただけで 全幅の尊敬を 抱いてしまうことがあります。

 その人を理想化し、そばにいてほしいという 強い欲求が生まれます。

 けれども 常にそばにいることなど できるはずがないので、

 境界性パーソナリティ障害の人は 見捨てられ不安が 急激に強くなってしまうのです。

 すると、それまでの理想化が 一気に崩れ落ちて、攻撃や罵倒という 言動になります。

○ 「ムードスイング」

《顕著な気分反応性による 感情不安定性

(通常は2~3時間持続し、2~3日以上 持続することはまれな、

 エピソード的に起こる 強い不快気分,いらだたしさ,または不安) 》

 「ムード」 は気分・感情、「スイング」 は揺れです。

 感情の変化を意味する 日常用語的な 「躁うつ」 と 区別するために、

 この言葉を使います。

 感情の不安定さは、境界性パーソナリティ障害の 大きな特徴です。

 躁うつ病と 間違われることもありますが、一番大きな違いは、

 気分が突然 変動しているように見えても、

 そのきっかけには 「見捨てられ不安」 があることです。

 もうひとつの違いは 持続時間です。

 躁うつ病の気分変動は、週あるいは 月の単位ですが、

 境界性パーソナリティ障害では 2~3時間から、長くても2~3日です。

○ 「キレる」

《不適切で激しい怒り、または 怒りの制御の困難

(しばしば癇癪を起こす,いつも怒っている,取っ組み合いの喧嘩を繰り返す) 》

 境界性パーソナリティ障害の 不安定な感情は、

 しばしば怒りの爆発という 形を取ります。

 家族など身近な人に 向けられることもあれば、

 執拗なクレーマーのような 形を取ることもあります。

〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」

   林公一 (保健同人社) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55685455.html
 


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