「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子の教会の牧師先生

2006年06月14日 19時19分51秒 | 心子、もろもろ
 
 過日用事で、心子が住んでいたマンションの近くへ行ったとき、彼女の部屋を外から見てきました。

 今は別の人が住んでおり、何事もなかったかのようなたたずまいでした。

 それから、マンションのすぐそばにある、心子が通っていた教会にも寄りました。

 教会には、彼女が母として慕っていた牧師先生がいます。

 アポもなしで失礼しましたが、お邪魔して彼女をしのびました。

 心子のことを書いた拙著も、牧師先生にお渡ししました。

 心子は僕と付き合っていた年のクリスマスに、教会で洗礼を受けたいと言っていました。

 でも12月は教会も行事が詰まっていて、残念ながら先生は洗礼の予定を組めなかったのだと話されました。

 心子は生前、先生が自分のことを少しも考えてくれてないと、僕の前でしたたか毒づきました。

 信頼している人が応えてくれないと、心子はその揺れ戻しが倍増してしまうのです。

 僕はそのとき、牧師先生にまだお会いしたことがありませんでしたが、

 彼女の悪口雑言を聞いていると、てっきり先生がひどい人だと思えてしまったのでした。

 でも先生のお話を伺うと、ありし日の心子は、随分先生に甘えたり頼ったりしていたようです。

 夜8時ごろ教会にやってきて、朝8時まで先生と話をしたり、

 教会からマンションまで先生と手をつないで帰ったり、

 薬などを買ってきてほしいと頼んで、先生が買いに行かれたり……。

 どこまでも愛に飢えていた彼女に、今さらながらいじらしい思いを募らせたのでした。

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http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/20134735.html
 


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