「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自殺的行動と自傷行為 (3) (自傷行為の果たす役割)

2008年04月27日 21時29分53秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53945670.html からの続き)

 BPDの人の自傷行為は、以下のような役割を 果たしていることがあります。

○身体的な痛みを感じること

 これは自分を傷つける 最も一般的な理由とされます。

 BPDの人は、現実感がなく疎外された 感覚を抱いていますが、

 自傷行為は現実を引き戻すのに 役立つと考えられます。

 空虚感や心理的な苦痛を 紛らわすのかもしれません。

 また痛みは、自分を罰するために 使われることもあるようです。

 自己嫌悪の表現として、自分自身に痛みを与えます。

 自傷行為を繰り返すと、痛みの感覚は消えてしまいます。

 自分が 出血や火傷などを眺めるだけで、慰めになっていくといいます。

○緊張を和らげること

 しばしば自傷行為は、不安や緊張が 高まったあとに起きます。

 血が流れ落ちるのを 見ていると、体から緊張感が引いていき、

 リラックスして 解放感に浸ることができます。

○コントロールを確立すること

 多くのBPDの人は、自分の人生のコントロールを 失っていますが、

 自傷行為はある程度 コントロールが可能です。

 どのくらい深く切るか、注意深く試したりしています。

 自傷に没頭している間、痛みに耐える能力に 自尊心を感じているかもしれません。

 強い衝動的な感情を コントロールするために、

 痛みを利用していることも 考えられます。

 また自傷行為は、他人を操作するためにも 行なわれます。

 助けてほしいサイン、怒りの表現としても 役に立っています。

○安心を確保すること

 自傷行為は 罪深い喜びでもあります。

 欲求不満を感じたとき 当てにできる行為で、秘密の安心を与えてくれます。

○エクスタシーを求めること

 自傷行為で興奮する人もいます。

 スリリングな感覚や 高揚感を体験し、性的快感を感じる人もいます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53978254.html

〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕
 


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