本日より、 星和書店 「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」 の内容を
要約・ 抜粋して紹介していきます。
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○ 弁証法的行動療法 (DBT) と DBTスキル訓練について
本書は 弁証法的行動療法 (DBT) のワークブックで、
圧倒されるような感情と 効果的に付き合うための スキルの訓練になります。
アメリカではDBTは 広く使われている治療法です。
弁証法的行動療法 (DBT)
1970年代後半に、 心理学者のマーシャ・リネハン博士は、
自殺念慮が強い成人女性のために、 認知行動療法を使って 治療を研究していました。
しかし多くの問題に直面し、 患者は感情的に辛くなって、
認知行動療法だけでは 患者を支えられませんでした。
そこで色々な工夫を施し、 DBTが生まれたのです。
リネハンの患者は
境界性パーソナリティ障害 (BPD) の 診断基準を満たしていることが分かり、
DBTはBPDの治療法として 世界で最も 効果が実証されるようになったのです。
その後、 双極性障害, 発達障害, 摂食障害, 薬物やアルコール乱用など、
感情調節困難のために起こる問題の 改善に効果が認められるようになってきました。
DBTは 以下の4つの治療的な方法を 組み合わせて行なわれます。
1. 毎週1時間の個人心理療法 (カウンセリング)
2. 毎週2時間半の、 感情と付き合うための DBTスキル訓練プログラム
3. 電話コンサルテーション:
実生活で感情に圧倒されるときに、 DBTスキルを活用するための電話相談。
いつでも電話をかけることができます。
4. 治療チームのスーパービジョン
これらの方法を約1年半行ない、 症状が改善するとされます。
(続く)
〈遊佐安一郎〉
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ, ジェフリー・C・ウッド, ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎, 荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]
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