「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

診断基準8. 不適切で激しい怒り, 怒りを制御できない

2012年09月28日 16時21分32秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より

 ボーダーの人の怒りは激しく、 予測不可能で、

 論理的に話しても 抑えることができません。

 またその正反対に、 怒りを全く 表現できない人もいます。

 少しでも怒りを表したら コントロールを失ってしまうとか、

 相手から仕返しをされるという 恐怖心を抱いているのです。

 また怒りだけでなく、 あらゆる感情を 強く感じます。

 DSMの診断基準で 怒りが強調されるのは、

 身近な人にとって 怒りが最も問題をもたらすからだ と言う人がいます。

 リネハンも、 ボーダーの人は 感情に皮膚がなく、

 わずかに触れただけで 苦痛にもだえるのだと言っています。

 ボーダーの人は 次のように言います。

 「親から受けていた 虐待を止めるために、

 怒りを返すことが 生き残る手段になったんだ。

 みんな僕を傷つけてきたから、 皆にも傷ついてほしい、

 怒りの最中には そう思ってしまうんだ」

「一番気にしているのは、 愛を失うこと。

 追い詰められると、 恐ろしくなって、 怒りでそれを表現するの。

 怒りは恐怖よりましよ。

 自分が傷つきやすいって 思わなくてすむから。

 やられる前にやるだけよ。

 人が不当に扱われたときに感じる 本当の怒りは、 全く感じないの。

 感じるには 自己が必要だけど、 私には自己がないから」

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 


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