感情調節スキルは、 一次感情と二次感情に対する反応に、
新たな、 より有効な方法で 対処するためのものです。
感じ方はコントロールできるとは限りませんが、
感情に対する反応は コントロールできます。
DBTの4つのスキル・グループ
(苦悩耐性, マインドフルネス, 感情調節, 対人関係) は、
それぞれ重複し、 強化し合っています。
DBTには 9つの感情調節スキルがあります。
1. 自分の感情を認識する
2. より健康的な感情に向けて 進む際の、 障壁を克服する
3. 身体的に、 より健康的に対処する
4. 認知的に、 より健康的に対処する
5. 肯定的感情を高める
6. 価値判断をせずに、 感情に対してマインドフルになる
7. 感情の曝露をする
8. 感情的衝動と逆のことをする
9. 問題解決をする
まずここでは、 1~5の感情調節スキルを取り上げます。
○ 自分の感情に気付き、 ありのままに受け入れる
自分の感情に気付き、 ありのままに受け入れる方法と、
生活に対する それらの影響を学ぶことが、
強い感情反応をコントロールする 第一歩になります。
人々は自分の感情に、 ほとんど注意を払わずに 過ごすことが多いものです。
圧倒されるような感情と 苦闘する人々は、
感情の高波 (悲しみ, 怒り, 罪悪感, 恥など) に 気付きはしますが、
そのときには手遅れで、 手の施しようがなくなっています。
感情反応をコントロールするには、
まず 感情のプロセス速度を落とし、 検討できるようにします。
できるだけ 自分に正直になる必要があります。
この練習の目的は、 一次感情と二次感情を発見し、
それが行動や感情に いかに影響したかを解明することです。
(次の記事に続く)
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]