蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

ジャガイモ植えに思うこと

2009-03-17 23:23:36 | 田舎暮らし賛歌
3月17日(火)曇りのち晴れ、暖。

 二月半ばの暖かい日に手押しの耕耘機でたがやしておいたままにしておいた庭先の畑が気になっていた。
 春の彼岸に向けて日一日と日差しが強まっていくなかで、褐色の畑土を見るたびに、まだなにもしないのかと、どこからか催促されている気分がしてしかたなかった。

  実は、畑を耕すにあたって、その二三日まえに肥料と一緒にジャガイモの種芋も買ってきてあったのを、いつ植えようかと天候を気にしている間に、家人がそれとは知らず料理にほとんど使ってしまった。もちろんそれは、カレーライスとなり、コロッケとなり、肉じゃがに変じて、畑を経由することなく我が腹中にも納まったわけである。
それと知った家人は、慌ててJAの販売所に行き、その事実を告げ体への影響を質したが、別に問題はないとのことで、改めて種芋を買ってきた。

 そこで今度こそ、間違えて食べないうちに植えることとした。幸い昨日は暖かな上天気。
昼過ぎから作業にかかった。先ずは畝づくり。耕耘機をかけてから1ヶ月近くたった畑土は結構硬くなってしまっている。再度、耕耘機をひっぱりだす。その後を、鍬とレーキでならす。5m×6mほどの小さな畑だが結構手間がかかる。畝ができたところで、40センチ間隔で植え付けの穴を掘る。今度はスコップを使って一つ一つ掘る。一畝14ケほど掘れたところで、今度はその穴に堆肥を一掴みと油粕を一掴みづつ入れていく。そのうえに5センチほど土を戻し、種芋を置き、さらに5センチほどの土をかけて、一丁あがりである。二畝仕上がったところで日が暮れた。
 そして、今日、幸い天気も良いので、残り全部を植えつけた。全部で、約、70株ほど。どんな収穫が得られるか。楽しみである。
終わって、南アルプスに落ちる夕日の射し込む浴室でシャワーを浴び、ビールで大相撲観戦。把瑠都が豪栄道に土俵際でおしいところでうっちゃりを食らう。198センチ、179キロの巨漢がひっくり返った。それでもニコッとしたような把瑠都の表情が可愛い。疲労感と満足感が程よく交じり合って酔眼朦朧。
 
  それにしても、今、農業への回帰がさかんに言われるが、(私もその主張者の一人のつもり…)いざやってみれば、なかなか大変なものである。こんなちっぽけな家庭菜園でもそうであれば、それを生活の基盤としていくことには、よほどの覚悟が要ることを改めて思う。
 畑も体も間を空けてしまっては駄目なようだ。我が畑もほんの少しの間、手を入れなかったら、土の中は草の根が縦横無尽に網をはっていた。この草の根を断ち切って耕すにはちょっとした開墾のようなものである。
 今、高齢化で過疎化する山村部で一度放置された田や畑を元に戻すのは、たいへんな労力を要することだろうかと思わずにはいられない。まことに勿体無いことではある。