蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

孤軍奮闘か、阿久根市、竹原信一市長頑張れ!

2009-03-02 10:48:01 | 時事所感
 3月2日(月)晴れ。

 先日、面白い記事を見た。市長が自分のブログのホームページで全職員の給与明細を公表した。人口2万5千人ぐらいの市で、市民の平均年収が2百万そこそこというのに職員の大半が7百万円とはどういうことだろうか。それに見合う働きをしているだろうか?と問題提起している。

 さらにその矛先は、市政を監視し市民福祉向上のために政策提言すべき役割を担っている市議にも及び年間たった30日足らずの議会日程にも拘わらず、年間4百万もの歳費が妥当だろうかと問題提起し、市議の報酬を日当制ににすることを提案した。

 当然の結果として、職員はもとより市議からも猛反発を食らう結果となった。市議会は市長不信任決議を可決し、市長はこれを受けて待ってましたとばかり市議会を解散した。市長は、こんな議員でいいのかと市民に問いかけた。

 何ともいまどき勇ましく元気の良い市長さんである。
 私は、これを読んで、私自身、過去にさる大規模自治体の職員であった職場を振りかっえってみて、ほぼそのとおりだと思った。
 その思いの一端を過去の拙ブログでも書いてきた。

 要は、公務員は、国、地方を問わず全体の奉仕者として、その本分を尽くすことを前提として、その身分を保証され適切な待遇が法律で厚く保障されているのである。
 ところが、公務員の身分に一度身を置くや、その大半の者が、その本分をたちまちどこかに置き忘れ、どっぷりと身分保障の温みに漬かって恥じなくなるのだ。
 その結果の最悪の体たらくが、現下の社会保険庁の年金記録紛失問題である。何かかにかにかこつけて毒キノコのように繁殖させた関連団体という隠れ蓑の元に退職後も高級を食んでやまない公務員の天下りも同じである。

 だが、この問題に対して、どういうものか世論は、そのとき一時は騒いでも、長続きはしない。そこで彼ら公務員という身分にあるものはニンマリするのである。
 この風潮はなぜなんだろうか?大体、今、官公庁の職員、自衛隊、公立学校の教職員、さらには各種議員を含めれば、国民の10人に一人は該当するのではないだろうか。
 そしてその家族、兄弟親類縁者を含めれば、ほぼ全国民が何らかの関係者ということになるからではなかろうか。

 先日もどこかの自治体で採用試験を行なったら5百倍以上の競争率になったとか?。
 親が、子供就職先に望むのも先ずは安定したところということで、公務員をということではなかろうか。
 こうしてみると、国民はどこまで真剣に公務員の待遇とそれに見合う職責を果たすことを真剣に求めているのだろうか。

 今回の阿久根市の場合でも、果たしてどこまで竹下市長の公憤に市民は共鳴し、市長が期待する結果をしめすだろうか?
 ソ連邦も清朝も公務員、官僚の特権に胡坐をかいた腐敗堕落の結果、解体崩壊した。今中国共産党も盛んにその腐敗堕落振りが聞こえてくる。
 否、中国共産党は対岸の火ならずして、現下のわが国もどれだけの違いがあるだろうか。

 先日も、確定申告のため合併前は村役場だった市の支所へ出かけた。支所へ着いて見渡せばガランとなった豪華な庁舎内に机の並ぶ島のあちこちにポツンポツンと案山子しのような年配の係長か課長と思われる人影が所在なげに、闖入者でも見つけたかのように私に視線を向ける。
 私は、瞬間計算して思った。「ああ、ここにもろくな仕事もない7百万円さんがたくさんいらしゃるわい」と。
 これで、財政赤字が何兆円なんていわれたところで、「それは主さん。あんまりじゃわいなー」と一言つぶやいてみたくなった。

 私は、いたづらに公務員の待遇を下げよというわけではない。先ず、今時の厳しい世間様の中にあって公務員自身が、自分の受けている高待遇に見合う仕事をしようという意欲と責任を果たそうという誠意を示していくことではないか…。

 何はともあれ、阿久根市、竹原市長さん頑張って!と言いたい。そして、本来政治家、とはこのような問題意識を持ってしかるべきであり、それがおおきな職責ではないか。このような市長さんが我が市にも出現して欲しいものである。そして全国で竹原市長さんに続く方々が続々出られれば、この国の財政赤字なんてたちどころに雲散霧消となるのではなかろうか…。

 と、思うこの頃、さて皆様はいかが大思いでしょうか?

参照:「阿久根市職員268人分の給与、市長がHPに公開」 阿久根対立
 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)に2007年度当時の市長、教育長ら幹部を含む職員計268人の年収、給料、14項目の手当の明細を1円単位で公開していることが23日、わかった。
 多くの自治体が職員給与の水準をHPで公表しているが、平均額などの公表が一般的だ。名前などは伏せられているが、懐具合を公表された職員からは「そこまでやるか」との声も出ている。
 市HPの市政情報の欄に消防を除く全職員の給与を表組みで掲載。年間の給料に加え、扶養、地域、住居、児童、期末、勤勉など14項目の手当が記載され、正確な年収が明らかになっている。いずれも1円単位で給与総額が多い順に番号を振って公開。名前はないが、医師、市長、副市長、教育長は役職を記載している。
 このうち職員で最も高いのは医師、市長に次いで3番目で、給料543万8400円、扶養手当37万2000円、住居手当32万4000円、時間外手当55万6284円などとなっており、年収は総額909万1695円。
 公開について、竹原市長は自身のブログ(日記形式のHP)で「19年度職員給与、手当明細も公開しました」と紹介し、市HPの該当サイトにつながるようリンクを張っている。そのうえで、「年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受け取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨している」「職責や能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない」などと職員批判を展開している。
 竹原市長は読売新聞の取材に「市民から職員給与や退職金のことを知りたいと要望があったため掲載した。税金の使い道の話だから公開して当然。市は年間20億円の税収しかないのに多額の人件費を使っていることに市民がどう感じるかということだ」と話した。
 これに対し、ある職員は「自分の年収も載せられている。正直気分が悪い。出直し市議選に向けた選挙戦略としか思えず、『そこまでやるか』と開いた口がふさがらない」と憤りをあらわにした。別の職員は「阿久根市が他の自治体に比べて高いわけではないのに……」と話していた。
(2009年2月24日 読売新聞)