この正月は特に出かけることもなく,ほとんど家で読書をしていたところ、カミさんが散歩に出ようと提案した。
天気がよく、寒さもさほど出なかったので、普段あまりで掛けない荻窪駅の南側に行ってみることにした。
荻窪駅の南側は、いわゆる「杉並高級住宅街」で大邸宅が軒を連ねている……というのは表現がおかしいか。広大な敷地のどこに建物が建っているのかわからない家もある。
我が家は北側の本天沼というところにある普通の住宅街。駅まで歩くと十数分かかるものだから、ほとんど自転車で走り回っていて、ぶらぶら歩くことはめったにない。
とりあえず、大田黒公園まで出かける。以前にも紹介したが、この公園は音楽評論家の大田黒元雄の邸宅の一部を杉並区に寄贈したもので、一戸建ての書斎や日本庭園が区の文化財として保存されている。
公開されている記念館を観た後、庭園をぐるりとまわって管理事務所の前を通り過ぎようとしたところ、角川庭園で何やらイベントが行われているという告知があった。
大田黒公園から2分ほどということだったが、これまでその存在を知らなかった。
いくぶん迷いながら、著名人の家が連なる文字通り高級住宅街を行くと、そのはずれにひときわ大きな邸宅があった。
聞けば、角川書店の創設者である角川源義(かどかわ・げんよし)氏の邸宅であったものを、遺族から寄付を受け、整備して3年前に公園として開園したという。知らないわけだ。
大田黒公園より遥かに狭いが、それでも大邸宅である。
俳人でもあった氏の書斎は展示室になっていて、愛用の机や旅行カバンとともに、角川書店の歴史資料が展示されていた。
故人が俳人であったことから、元邸宅は「すぎなみ詩歌館」と名づけられ、詩歌室になっている居室であったと思われる部屋では、書き初めやカルタ会が行われていて、ボランティアの指導のもとに子ども達が楽しんでいた。
要するに、これがイベントで、わざわざ見に来るほどのものでもなかった。
大田黒公園で時間を食ってしまったので、庭園を隅々まで見ることは出来なかったが、この日は子ども達が多くて、いずれにしろゆっくり見物は出来ない。何もやっていない時にあらためて訪れることとして出口に向かう。
すると、受付で記念品として、角川氏の夫人のものだという、立派な俳句集をいただいた。もらってもどうしようもないけれど、箱入りの見事な作りの本なので、装幀の見本になりそうだと思い、有り難くちょうだいした。
開くと、1ページに2句ずつ掲載され、200頁以上に膨らませてある。ほんとうにぜいたくの極みである。
貧乏性の自分には、なかなかこんな編集は思いつかない。今度句集の自費出版の注文があったら提案してみようかと思う。
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