ひまわり博士のウンチク

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角川庭園の「水琴窟」

2014年01月03日 | まち歩き
 毎年正月二日は天気がよければカミさんと荻窪の住宅街を散策する。住宅街と言っても、荻窪駅の南側、荻窪二丁目三丁目あたりは桁外れの豪邸街である。家並みを見て歩くだけで、結構な目の保養になる。しかし、こんなばかでかい家が個人に必要なのかと、羨望まじりの疑問を感じなくもない。
 右も左も贅を尽くした大邸宅である。音楽評論家の草分けとして知られる大田黒元雄の私邸跡は広大な日本庭園「大田黒公園」になっている。近衛文麿の別邸「荻外荘」には戦前政府の重鎮が集まって密談が行われたことで有名だ。ここはずっと近衛家の私邸であったために一般の見学はできなかったが、昨年杉並区が買い取り、公園にすることが決まっている。今年中に公開の予定だそうだ。

Suikinkutsu0
 
 その一角に、角川書店の創業者角川源義の住まいであった角川庭園がある。大田黒公園にくらべると決して広いとは言えないが、それでも個人の住まいであったことを考えると大邸宅だ。
 
Suikinkutsu1
 
 手入れの行き届いた庭の一角に、「水琴窟」が設えてある。「水琴窟」というのは一言でいえば手水鉢なのだが、手水でしたたる水によって妙なる音が奏でられるという、風雅な作り物だ。
 写真の左、玉砂利を縁石で囲んだところが「水琴窟」で、中央の大きめの石(水門石)があるところに水をかけると音が出る。金属的な風鈴のような音で、石が奏でる音とはにわかに信じ難い。
 玉砂利の下には底の部分に小さな穴(水門)をあけた瓶が逆さまに埋められていて、水をかけるとこの穴から下の水たまりに落ちるしずくが瓶に反響して音になる。
 
Suikinkutsu2
 
 右にある水鉢から柄杓で水を汲んで水をかけるのだけれど、カミさんがとんでもないことを言い出した。
 「水をいっぱいかけたらもっと大きな音がするかな」
 そう言いながら汲んではかけ汲んではかけと、もしそばにバケツがあったらドバッと大洪水を起こしかねない勢いである。音は大きくはならなかったが、チャラチャラキャラキャラと、まるでパチンコ玉が跳ね回っているようにせわしない音になった。
 「ちょっと待った、これはね、そういうものではないんだから。静かに水をかけて音の雅を楽しむんだよ」
 「そうか、へへへ」
 へへへではない。
 
 角川庭園の屋内では、正月二日はカルタ会や書き初めなどが行われる。人数が足りないのか子どもたちから「やっていきませんか」と声がかかった。子どもたちばかりの中に大人が入り込むのは気が引けるので遠慮した。
 
Suikinkutsu3
 
 帰りに「一軸三葉の松」というのをもらった。来園記念だそうで、毎年何かしらくれる。四葉のクローバーのようなもので、通常の松葉は一軸二葉だが、ときどき三葉がまぎれているという。栞を作ろうかと思っている。
 
Suikinkutsu4
 
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