ひまわり博士のウンチク

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クラスター爆弾禁止条約

2008年05月29日 | 国際・政治
 クラスター爆弾の禁止条約づくりを目指す有志国の集まり「オスロ・プロセス」は28日、アイルランド共和国の首都ダブリンで行われた国際会議で、一部の最新型爆弾を除いて禁止する条約案に合意しました。
 これにより、現在各国が保持しているほとんどのクラスター爆弾が禁止対象になり、事実上の全面禁止ということになります。日本の自衛隊がもっているクラスター爆弾も禁止対象となり、自衛隊はこれを保持することができなくなります。しかし、アメリカに追随する日本は、保留したまま態度を明らかにしていません。

Cluster_bomb_1

 クラスター爆弾というのは、1個の親爆弾の中に多数の小さい爆弾を詰めたもので、投下されると空中で子爆弾がばらまかれ、広範囲にわたって破壊することができる爆弾です。
 太平洋戦争中にアメリカが木造の日本家屋を焼き払うために開発した焼夷弾は、クラスター爆弾の原形ともいえるもので、親爆弾の中に油を詰めた複数の子爆弾が入っていて、空中でばらまかれ地上を火の海にしました。

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 クラスター爆弾は不発弾が多く、戦闘が終わった後も多数の子爆弾が地上に残され、一般市民が被害に遭う事件が多数起きています。

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 おもちゃのケースのような形をしていて、子どもが興味を持って拾うことを意図した悪質なものも作られています。
【謹告】以前ここに掲載されていたカラフルなクラスター爆弾の写真は、着色したものであることが判明しましたので削除し、オリジナル写真に差し替えました。閲覧された方々にご迷惑をかけましたことをお詫びします。

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 この写真は、クラスター爆弾によって両腕を失ったアフガニスタンの少年です。アフガニスタンでは処理しきれないほど多数の不発弾が残されていて、民間人が誤って踏んで足を飛ばされたり、この少年のように爆弾だと気づかずに拾って手足ばかりか命を失う子どもも少なくありません。

 あまりにも非人道的な爆弾であるために、世界的に禁止することが求められていますが、主要生産国であり、また最も多く保持しているアメリカ、中国、ロシアなどは、「オスロ・プロセス」そのものに参加していません。生産国では国の経済を支える軍需産業の一つとしてだけでなく、軍事力を誇示することで他国を威圧しようとする考えもあるためです。
 
 テレビ朝日の報道ステーションで、「アフリカに根付く日本の“憲法9条”という特集をやっていました。

 「武力で平和を維持してもそれは一時的なものだ、永久的な平和を作るためには一切の武器を持たないことだ。これをアフリカの各国に広めていきたい」

 一切の武器を持たない多数の国々が、兵器の生産国や保有国を包囲して、武力を放棄せざるを得なくすることが必要ですね。

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