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4082第一稀元素化学工業 IRフォーラム2017セミナー 依然疑問は氷解せず!

2017-02-26 05:50:01 | 株式投資・資産運用
4082第一稀元素化学工業 IRフォーラム2017セミナー 依然疑問は氷解せず!

 さて、企業セミナーの中で一番関心があったのがここです。

 社長のブレゼンの後は、鎌倉投信の新井和宏氏とやりとりしながらすすめる形。
 ですが、この後半の内容がなんだかグダグダでよくわかりませんでした。

 あ、自動車触媒以外の用途開発等について聞いてもらったのはよかったですが。

 このイベントの企業セミナーは参加者からの質問の時間を設定してくれる場合と
してくれない場合があります。また、プレゼンテーター他関係者は、企業ブースが
出ている場合はそこで聞くというのもできますが、すぐに控室に引っ込んでしまう
場合が多く、終了後に質問をしにいくことができない場合が多いです。

 これは基本というか、なんのためのIRセミナーかということとも関わるので、
全体の場か、事後の個別かは私は問わないですが、個別のやりとりができる時間
というのをきちんとタイムスケジュールの中に組み込むべきだと思います。

 第一希元素の場合も、新井氏が「会場から質問があれば・・」とふってくれたから
聞けましたが、それがなければ司会者はすぐに閉会として、関係者もすぐ退場で
質問する機会もなかった可能性が高いです。

 質問機会がなければまた個人的にメールででも質問はしたと思いますが、イベントの
意味は、全体の場で質疑応答等のやりとりをすることによって、他の参加者も企業に対
する理解が深まったりすることがあるという点もあるわけです。

 別にこのイベントに限らないですが、証券会社が主催する個別企業のIRセミナー等
も含めて、こうした点で疑問を感じることはわりとありますね。

 さて、質問内容の方ですが、
とりあえず、業績上方修正と株価上昇についてよかったとふれたあと、

・業績修正後もPER6倍台という現在の株価に対する認識
・10%以下という配当性向の低さ
・東証一部上場への意欲

について聞きました。

 社長による公の場でコメントということもあったのでしょうが、いずれについても期待
したような回答はありませんでした。

 まず、現状の株価に対する認識と関わってのコメントは全くなし。

 こういうことを聞くとよく「株価は市場で決まるので、それに対して経営者の立場として
のコメントは差し控える」云々の「逃げ」のコメントをされる場合というのがあります。

 逆にそうではなくて「積極的な評価を頂いている」とか「十分な評価をいただけていると
は考えていない」とかいうようなコメントをされる場合もあります。

 個人的には、もちろん責任ある立場の方としてのコメントの仕方には留意はしてもらいつつ、
株価に対する認識も率直に語られたらいいのにと思いますが・・・。

 まあ、PER6倍台というのは、お世辞にも評価は高いとはいえません。

 自動車部品関連の企業などはPERが一桁というところもわりとあるように思います。
 それは、どうしても需要が自動車業界の動向によって大きく左右され、自社のみで製品需要
を開拓していくことが難しいし、自社の設備投資も継続的に相応の額が必要となるといった
業界の事情も影響していると思われます。

 第一希元素の場合は、売上では自動車用の触媒の占める割合が現状では大きいです。

 が、ジルコニウム化合物という独自性のある材料が事業の中心であり、この需要は今後、
様々な面に広がる可能性もあります。現状、既に相応に分散された事業ポートフォリオとなって
いる面もあります。

 「レアアースショック」のように、特定の状況が業績に大きく影響するという「一本足打法」
的な懸念もありますが、そうしたことを含めても、このPERは低評価といわざるを得ず、
そうなっているにはそうなっているだけの理由が当然あるはずです。

 これと関わると思われる一つが配当についてです。

 これについては、安定配当を基本とし、それを増やしていくというようなことしか語られません。

 業績が上方修正され、2017.3決算では、業績は最高益を更新する見通しです。
 EPSの予想は682円です。それでいて配当は55円ですから、配当性向は10%に遠く及ばないと
いう低水準です。配当性向7.3%ですね。

 ここのとろこ、配当は20円から30円、40円、45円、55円と確かに着実に増加してはきています。

 社長は機関投資家さんなどからは発射台を高くしてと言われるといったコメントをされていましたが、
まあ、それも当然かと思います。

 配当性向を15%としても金額は100円/1株程度になります。

 現状は配当という面でも株主還元の水準が低すぎると言わざるを得ません。

 赤字で無配とか、なんらかの個別の特殊事情で無配とかいう場合をのぞいて、普通に利益があがり
配当を実施している企業で、これだけ配当性向が低い企業というのが他にあるでしょうか。
 それも今期だけが特に低いというわけではなく、ここは「安定的に」低いのです。

 ちょっと他に類例が思い浮かばないのです。この点は、悪い意味でここは「目立っている」と思います。

 これらはなにかここの「特殊事情」があるのでしょうか。
 配布資料の中には、いくつも「レアアースショックの影響」という言葉が出てきます。
 この厳しかった時の経験というのが、何か影響しているのでしょうか。

 安定配当部分と業績連動部分を組み合わせる等、工夫の余地は色々あるはずで、現状は株主還元の水準
が低すぎると言わざるを得ません。

 このあたり、なにか独自の考え方というのがあれば、納得、理解できるかどうかは別にして、説明があって
いいと思いますが、そのコメントはなし・・・。

 東証一部上場については、株主数以外は基準は満たしていることは認めつつ、正確な表現はおぼえていない
ですが、「ゆっくり」とか「じっくり」というような言い方で、スピード感を持って、積極的にこれに取り組む
というようなニュアンスはコメントからは感じらませんでした。

 コメント途中で不規則発言的に「なぜ早くしないのかがわからない」と突っ込んでおきましたが、
株主数が不足しているなら、それを増やす方策をとり、その上でスピード感を持って東証一部上場を目指す
のが当然で、その事に何ら不都合はないように単純に思うのですが、ここにもなにか「大人の事情」でも
あるのでしょうか?。

 例えば、立会外分売でも、株式分割でも、株主優待の設定でも、すればいいわけです。

 そうすれば確実に株主数は増えるでしょうし、流動性も向上します。株価の動きも安定的になることが期待
されます。

 リログループには、はよ分割せいっ!と何度も言っていました。結果、10分割の発表がありました。
目先はそれで株価上昇とはなっていませんが、企業としては、必要でした方がいいことをしたという意味での
評価はしています。それと同様に、とりあえず企業としてとりうる方策をきちんととって実施するということを
早急に取り組むべきでしょう。

 その上で早期に東証一部上場をめざす。なぜこの方向性、いつに具体的にどうこうということでなく、現状
は方向性でいいと思いますが、を明確にできないのかがわからない。
 例えば、MS-Japanは上場したばかりですが、早期に東証一部へという方向性は明確に示していると思います。


 東証一部上場となれば、二部と比較して当然社会的な信用は高まります。人材採用でも好影響が期待できる
でしょう。従業員のモチベーションが高まるというのもあるでしょう。
 株価的にはパッシブ需要も期待されますし、機関投資家の注目度もより高まることになりましょう。
 ひいては、この低PERの状況を改善することにもつながりましょう。

そんなことは十分にわかっていると思われますが、それでいて、明確に方向性を示さないというのがよくわからない
ですね。

 というようなことで、再度、IRの方に内容を整理して質問してみましょうか。







 

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