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運用利回りを改善する 2 転換社債の検討

2008-09-28 20:47:42 | 株式投資・資産運用
 続きです。普通社債はマーケットで取引されるという形は通常はとられません。既発ものの場合は証券会社との相対取引などでは売買はできる場合があるでしょうが、基本は新発のものをもらうという形でしょう。

 日本の企業に限らず、海外の企業も円建ての社債で資金調達をする場合があります。サムライ債というやつです。最近ではシティのものが話題になっていました。リスクが高い債券は通常、利回りも高くはなります。

 ということで、普通社債の場合は、通常は個別企業に投資するというリスクを取ることになりますので、その分、クーポンは、期間にもよりますが、同期間の国債よりも高くなる場合が多いでしょう。

 ただ、これは売りたい時に売れたり、買いたい時に買えたりするものではなく、まあ、よほど価格が上昇し、証券会社に買い取ってもらっても満足な利益が得られるような場合以外は満期まで放置するのが基本となるのではないかと思います。

 では、これに代わるようなものはないのか。ありますね。転換社債です。CBとも言います。Change Bondかな。Convertible Bonds ですか。

 転換社債については、丸三証券のサイトに簡単な解説がありました。

 これは市場で売買されるものです。転換社債でもそうじゃない形のものも多いですが。また、下方修正条項付きという、株価動向に従って、転換価格も下方修正されるようなタイプのものは、悪役扱いされたりします。

 転換社債は非常に地味で、個人投資家で積極的にこれを売買対象としている人は少ないでしょう。

 今は株価動向によって転換社債も下落しているものが多いです。価格は私はここで見ています。野村のサイトです。
 このリンクのページだと、三重銀とか京都銀行とか平和不動産などが表示されると思います。

[東証] 不動産業
88039.7/T 平和不動産 7回CB
(08/09/26)
現在値 83.00・(12:30)  -1.15  -1.36%
終利 5.501 %

 例えば、上記の銘柄の例。これは最終転換請求日(株式への転換の請求ができる期限)は2012.6.21です。この直後が償還日となっている場合が多いようです。

 これはつまり、直近の価格が83円00銭。売買単位は100万ですので、100万円で償還される債券の時価が83円で売られているということです。

 つまり、償還まで3年9ヶ月。ここで100万円を返してくれる(企業が破綻などしなければ)ということになりますから、時価で買えば償還まで持っていて、年5.50%で回るということになります。株式への転換価格は1015円。株式の時価は395円です。

 株式だとミニ株などがありまが、転換社債にそんなものはありまへんので、最低投資額がやや大きくなるのは難点です。また、出来高がわずかで、売買が成立しない銘柄も多いため、売りたい時に売れるとは限らず、流動性に乏しい銘柄も多いです。

 ただ、株価が上昇しているような局面ではCBの価格も上昇するため、償還まで保有して利回りで利益をあげられるような銘柄は少なくなります。今は逆ですので、この金利状況では、それなりの銘柄も出てきています。

 なお、上記の平和不動産の銘柄は債券としてのクーポンは全くありません。だいたいCBが発行されるのは相場が活況な時が多いため、クーポンなどなくても、株価上昇によるCBの価格上昇期待などで投資家は買ってくれるためです。

 CBは株式に転換されれば、会社はもとの借金(債権)を返す必要はありません。新株が発行されたのと同じことです。既存株主にとっては、新株発行は1株の価値の減少につながりますが、業績が好調で株価が上昇しているような局面では問題にはなりません。また、発行額にもよりますが、その希薄化率というのはそんなに大きなものにはならないのが普通です。

 長くなってきたので次に続きます。 

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