monologue
夜明けに向けて
 



 
 わたしはアメリカのクリスマスに興味があった。盛大に祝うのだろうと期待していた。家庭では七面鳥を焼いて食べるのだろう。日本とどんなふうに違うのだろうと。
12月に入ってしばらくすると学校でクリスマスパーテイがあった。
アルコール類はなかったがダンスしたりパンチを飲んだり談笑していると先生たちがみんな若いことに気づいた。20代後半から30代の女性が主で校長と副校長ぐらいが50代だった。パーテイの最後あたりにしつらえられたにわかステージに登ってギターを抱えて、リクエストに応えて当時のヒット曲を歌った。一番受けたのはヒットチャート1位を走るロッド・スチュワートの「トゥナイツ・ザ・ナイト」 だった。若い先生達も一緒に手拍子して首をふりコーラスする。うれしかった。文化はすべての壁を破る。パーテイが終わると女の先生達が一斉にやってくる。「あなたレベルCクラスの生徒でしょ。どうしてレベルCなの。Aでしょ」ワイワイがやがやうるさく質問してくる。歌は発音をコピーして何度も稽古するのでほとんどそのまま歌える。その歌手が南部訛ならその発音のまま歌う。ビートルズも自分たちで喋るときは英国リヴァプール訛だったが歌うときは米国南部訛が多かった。先生達に答えようとすると言葉がうまく繋がらず、やっぱりレベルCであることが判明した。めでたしめでたし。
fumio

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