monologue
夜明けに向けて
 

認知  


ボビー・フラーは自分が死んだことを認知することができなかった。リンチを受けて人差し指が折れて泣き叫んでいる間に殺害実行部隊がゴムチューブを右腕に巻いてドラッグを静脈注射した。被害者の眠っているうちに車と一緒に全て燃やして証拠もすべて残さないようにして犯罪そのものをなかったことにして闇に封じてしまう。それが多くの事件に関わっても捕まらなかった闇の組織の手慣れた手口だった。ボビーはクスリで意識を失っているうちに母のオールズモビルに引きずり込まれた。車内でガソリンを遂行者たちがかけてブック状マッチで火を点けようとしたが揮発したガソリンが爆発しそうでこわくなってやめた。ボビーは気を失っているうちに揮発したガソリンを吸い込み呼吸困難に陥ってついには意識が身体から離れてしまった。そしてボビー・フラーの不可解な死が大ニュースになって怪死事件として世間が大騒ぎになったがそれでもかれは自分が死んだとは思わず辺りをさ迷い続けたのだった。
fumio




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