monologue
夜明けに向けて
 

渡米  


その頃、京都駅前の丸物デパートの屋上の海外ニュースコーナーでミッキーカーチスとサムライというバンドが海外ツアーをしているというニュースを読んで憧れたわたしは英語の歌を歌って生活するには本場アメリカでなければと思って渡米を決意して、ロサンジェルスのアソシエイテッドテクニカルカレッジに留学した。そしてすぐに転校したLAハイスクールのわたしたちのクラスにアルゼンチンから来たオルガ(OLGA GOMEZ)というかわいい白人系女生徒が入ってきた。アルゼンチンで撮ったフイルムを学校で映してみんなにアルゼンチンの紹介をしたりしてものおじしない外交的な性格だった。わたしがギターを弾くと知ると「タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング」や「ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ」「ウイ・アー・オール・アローン」などのバックを弾いてくれと頼んで歌った。声も良くてうまかった。歌手になりたいようだった。わたしの作った歌も歌いたがったので京都で女性フォークデュオが歌って人気があった「打ち上げ花火」の1番と2番をローマ字で書いて教えるとすぐにエキゾチックな香りのする発音の日本語で歌えるようになった。わたしはスリーフィンガーピッキングでバックを弾きながらコーラスしたのだった。
fumio

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