monologue
夜明けに向けて
 



 昨日の検索ワードをみると「サナート・クマラ」を検索している方があった。
この名もこれまで開かずの扉のひとつに隠れたままだったので一般の人には馴染みがないだろう。

 金星の王子、サナート・クマラは約650あるいは450万年前に
イザナギイザナミの子である人類初めの人(ヒルコ)の遺伝子治療のために下天したのである。
そのことを理解するには遺伝子科学の基礎知識が必要なのでわかりにくいかと思うが一応記してみる。
 「記紀」でイザナギがカグツチを十握(とつか)の剣で三段に切ったという場面は
塩基配列を切るときに使用する酵素(EcoRIなど)で四つの塩基、A(adenine)アデニン、U(uracil)ウラシル、G(guanine)グアニン 、C(cytosine)シトシンを三つずつの単位(トリプレット)にきったということである。この四つの塩基の頭文字を集めればCAGUになる。ツチは原料のことなのでそれでカグツチという名なのだ。
 こうしてできた遺伝暗号の一つの配列(コドン)を神とみなして斬った刀の血から八神が化成(な)る、と表現し、そして、斬られた軻遇突智(CAGUツチ)の体からもう八神がなった、と八で括って表現する。
八かける八で塩基配列の総数、六十四種類のことを示唆している。ありとあらゆる生物はこの暗号の組み合わせによってできあがるのだ。

 イザナミがミトノマグワイにおいて先に声を挙げたのが失敗の原因とされるのは開始信号の間違いだった。
スタートコードはAUGあるいはGUGなどのような数種の配列のコドンでなければならないのだ。
イザナギイザナミが失敗を重ねながら描いたヒルコの体の設計図は頚椎あたりにバグがあって神経の蛋白質合成が不調に終わったのだった。 それでヒルコは立ち上がれなかったのである。それを知った金星の王子サナート・クマラは下天してヒルコの脊椎の遺伝子配列をバイオ技術によって矯正したのであった。
 こうして、初めての人ヒルコはサナート・クマラの援助によって肉体的自立を果たしたのである。そして今またサナート・クマラすなわちニギハヤヒの援助によって人は精神的自立を果たして一段階上の存在に昇ろうとしているのだ。
 どうしてサナート・クマラがニギハヤヒとわかるのかといえば、かれは必ず手がかりを残して物陰に隠れる鬼なのだ。みんなが気が付かないで帰ってしまってはつまらないのでわかりやすいヒントを置いておく。サナート・クマラという変な名前もヒントだから解いてあげなければいけない。
 あっ、そうかサナート・クマラを数で表せば三七十九○になる、これは十九○に関係があるにちがいない。マコトであり、十九であるあの鬼ニギハヤヒさんだ、と指させば、
どうしてわかったの、と頭を掻きながら鬼はうれしそうに出てくるだろう。
fumio




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