monologue
夜明けに向けて
 

AT40  


1976年11月、憧れのポピュラー音楽の都アメリカを目指して日本を出発したわたしはなんと高校時代に「9500万人のポピュラーリクエスト」を録音するのに使用したナショナルテープレコーダーまでも荷物に入れていた。そんなものまでも持ってゆく人はあまりいないだろうがわたしにとってそれは大切な相棒だった。アメリカでもその使い込んだテレコを愛用した。アメリカにはアメリカントップ40(AT40)という、伝説的DJケイシー・ケイセム(Casey Kasem)が毎週カウントダウンする人気ラジオ番組があった。それは3時間もあったけれどケイシーの口調が心地良くてその時間には音楽ファンでなくともが多くの人々が聴いているのでよその家からも同じ番組の音が聞こえた。"Join me next week our weekly countdown. 'til then, keep your feet on the ground and keep reaching for the stars.”というケイシーのお決まりの最後の締め台詞(フレーズ)が実に格好良くて次の週の放送をわくわくして待った。わたしはその番組を録音して何度も聞き返して気に入った曲の歌詞を書き取ったものだった。当時わたしが通っていたアソシエイテッド・テクニカル・カレッジという学校のスピークイージーランゲージセンターという英語学校の先生にテープを再生して何度聴いてもらってもわからない部分があったので、学校の帰りに乘ったバスをサンセット通りとヴァイン通りの角で降りてバス停の丁度前にある有名楽器店ウォリックス・ミュージック・シティに入って歌詞を確認した。さすがポップス音楽の都らしく、店の中に入るとその週のビルボードベストテンの譜面が1位から10位まで棚に並べて置いてあった。ありがたかった。おかげで意味のわからない歌も少しは意味が分かって歌うことができるようになった。感謝。
fumio


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