monologue
夜明けに向けて
 



 ソウルミュージックがモータウンサウンド一色に塗りつぶされるかにみえた1966年3月Hold on I'm coming 「待ってくれ、おれが行く」という声がテネシー州メンフィスから聞こえた。その曲はモンスターヒットになり1966年のビルボードR&B部門年間1位に輝いた。スタックスレーベルの新人作曲チームの Isaac Hayesが トイレのDavid Porterを呼んだ時、 Porterが"Hold on, man, I'm comin'",と応えたことで10分でこの曲が出来たという。このとき、ポーターがトイレを終えていて"OK, man, Here,we go"「オーケー、さあ、やろうぜ」とでも言っていれば曲名はそうなっていたかも…。

 モータウンがデトロイトの自動車生産ラインのように音楽を生産するのに対して スタックスは中小企業の手作りの味があってソウルの色が濃かった。スタックスレコードのバックミュージシャンはgreen onions のヒットで知られる白人黒人混成バンド「Booker T & the MG's」が務めた。サム・アンド・ディヴ、オーティス・レディング、ウィルソン・ピケットなどのバックで聞けるソウルフルな伴奏はかれらである。「待ってくれ、おれが行く」と言った通りかれらの歌はその後、次々にヒットシーンに登場してくることになった。こうしてブラックミュージック・シーンはタムラ・モータウン系都会派とヴォルト・スタックス系地元地域密着派の二大主流レーベルが競い合う時代に入ったのであった。
fumio

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