monologue
夜明けに向けて
 



「マイウェイ」といえばフランク・シナトラだけどわたしが通っていた京都の伏見桃山にあったライブ喫茶「ジョイアンドマリ」に屯(たむろ)するミュージシャンたちの間では深みのある声のブルック・ベントンのバージョンが人気だった。わたしが「マイウェイ」をリクエストされてフランク・シナトラバージョンで歌うとブルック・ベントンのバージョンで歌えと車のセールスマンをしているドラマーに促された。それでブルック・ベントンのテープを借りて練習した。「イエスタデイ」も普通のポールのバージョンではなくレイ・チャールズの歌い方を練習した。「マイウェイ」はエルヴィスや多くの歌手がカヴァーしているが結局フランク・シナトラバージョンに一番人気があってわたしも米国でバンドのレパートリーの一曲として歌う時はオーソドックスなフランク・シナトラバージョンで歌った。歌手の歌唱もその時の客層に合わせて変化する。
fumio

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